『卓球のようなサッカー』と『ビリヤードのようなサッカー』がわかるとゲームが創れるようになる
チャンピオンズリーグという、世界で最もレベルの高いサッカーのゲームを観ていると、気が付くことがある。僕はいま、訳あってJ1・2・3のゲームを週2試合は必ずフルで観ているのだけど、これまた気が付くことがある。
『分析とは比較することである』とシンプルに言い表すことができるが、世界で最もレベルの高いサッカーと、自分が「慣れ親しんできたレベル」のサッカーを比較して観続けると、明らかにそこにはなんらかの「違い」があり、それは所感的で主観的なものなのかもしれないが故に、誰かと共有するのが難しい。ただ、そこに「比喩」という道具を用いて表出させることで、もしかしたら言葉を使って説明することができるのかもしれないと、わずかな希望を抱いて書いているのが、この記事である。
言わずもがな、僕らのような監督・コーチ・指導者は、分析(比較)とは手段であり、それをピッチで行われる「自分の」サッカーに昇華させることが出来なければ無意味な訳だから、ここに「こういう違いがある」と説明することには何の意味もない。しかしまた、「違い」に気が付くことが出来なければ、そこから先に進むことも一向にないのである。
サッカーの"レベル"
これを定めるのは、競技特性上少し難しい。身体的な能力が高い選手たちが行っているゲームが「レベルが高い」のか、技術的な能力が高いものか、それとも「頭を使って」行われているゲームのことを、そう呼ぶのか。精神的?競争心?もしくは観客もメディアも文化も、全てを引っくるめたものなのか。その何もかも、全ての基準が高いのが先に書いたチャンピオンズリーグであるのは間違いなさそうだが、ではその他のサッカーは、レベルが低いと言えるのだろうか。
いくら考えても一生わからないため、反対意見が出るのを承知で、チャンピオンズリーグの試合を「レベルが高い」として、 Jリーグの試合を「レベルが低い」として考えてみる。僕はその両者を観ていると、いつもある感想を抱く。
『(プロの)ビリヤードのようなサッカーだな』
『(素人の)卓球のようなサッカーだな』
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