サッカーに「テンプレートは必要か?」問題について|パターン・マッチングと効率化
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変化は、ほとんどの場合「効率化」に向かいます(向かうことを人間が好みます)。サッカーというゲームを見ても、10年前と何がどう違うのかを考えると、「効率化」にあると思っています。西洋人が昔、権力や信仰や慣習に争う形で「科学」を発展させたように、サッカーの世界でも、西洋人はゲームにおける仮説をたて、実験し、データを集め、サッカーを科学的に発展させてきました。その結果、サッカーの世界には「テンプレート」が溢れています。まるで、企業戦略をテンプレートで埋めようとする短絡的なコンサルタントのような人が、サッカー界にもたくさん生まれました。
我々日本人は、乱暴に言えばその恩恵に与っているだけなのですが、何事においても「効率化」が進むということは、「他者と共有しやすい状態ができる」ということを意味します。
例えば、西洋医学(私たちが普段受けている医療です)は、科学的です。そのため、知識は広く共有され、テンプレートがあり、データがあります。一方で、東洋医学は「科学的である」とは言い切れません。そのため、同じ東洋医学に従事する人たちの中でも、「めちゃくちゃしょぼい人」と「とんでもなくすごい人」がいます。これは、西洋医学では起きません(幅がもう少し狭くなります)。それゆえ、効率化という意味では東洋医学はネガティブで、後見を育てるのも難しいし、能力をつけるまでに時間を有します。それもあって、西洋医学が世界の基準になります。
さて、これって、本当に、本質的に、どうなのでしょうか?と考える余地があります。
パターン・マッチング
サッカーというゲームには、当然「パターン」が存在します。それは人間の身体的な特徴によって起こるものや、ルールから発生するもの、あるいは心理的なものもあります。ただし、あくまでもそれはパターンであり、ほとんどの場合「絶対的な法則」ではありません。天体観測ではない、ということです。自然科学ではないとも言えます。
良いサッカー選手とは、この「パターン」を巧みに操る人のことを言います。つまり「特徴的な類似点の把握」です。これを「パターン・マッチング」と言います。どういうことか。
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