中央公園 ♪ごもくやさん 生き物通信♪ 第26回(再)
こんにちは。ごもくやさん生き物撮影係の中田です。
19日に台風14号が通り過ぎた後、一気に気温が下がりました。23日には呼んでもいないのに15号が来て、雨のち晴れの三連休。第26回はそんな台風の後に出会った生き物たちの様子をお届けします。
オニヤンマと双璧をなすトンボ界の人気者ギンヤンマ。そのギンヤンマが管理棟の壁に張り付いていました。水辺で見かけることはあっても、こんな場所で出会うことは滅多にありません。どういう風の吹き回しか、トンボに聞いてみたくなります。
台風がもたらした雨で、水辺は潤いました。いつもは石の上でじっとしているトノサマガエルが珍しく水に浸かっています。気温が下がって、水の中の方が過ごしやすいのかも知れません。
ススキの穂が伸びてきました。夜、そのススキを見て回ると、あちこちでオナガササキリに出会います。ススキの穂をムシャムシャと食べるのです。写真左がメスで、右はオス。メスはその名のとおり、とても長い産卵管を持っています。
常夜灯には虫が集まります。その虫を狙ってハンターたちも集まります。オオカマキリ(写真上、左下)とヤモリ(写真右下)です。夜のオオカマキリは目が黒くなります(写真左下)。可視光線を全て吸収しているので、黒く見えるそうです。そして以前にも紹介したガラスでも滑らず上り下りするヤモリ(写真右下)。お腹側から撮影する機会に恵まれました。ご覧のとおり、足は吸盤ではなく、溝が刻まれているようです。ここに細かい毛が密に生えていて、滑らない仕組みになっているそうです。
台風15号が通り過ぎた後、青空が広がり、北風が吹き始めました。秋に吹く北風は、夏鳥たちが南に渡るのを後押しする追い風になります。写真は南に渡ってゆく夏鳥のタカ・ハチクマ。ハチの巣を襲って食べる風変りな習性からつけられた名前です。私たちの街の上空にも渡り鳥の飛行ルートがあって、タカたちが悠然と渡っているのです。
6月に咲いたササユリが青い実をつけています(写真左)。この実はこれからカラカラに乾いて、種さやになります。中央公園ささゆりの会は、ササユリの保護増殖のため、毎秋、ササユリの実にネットをかけ(写真右)、種を回収しています。そして晩秋の環境学習や播種会で回収した種を保護区内に播いています。
(2022年9月26日公開)