中央公園 ♪ごもくやさん 生き物通信♪ 第25回(再)
こんにちは。ごもくやさん生き物撮影係の中田です。
台風14号の接近で、何とも落ち着かない連休でした。
第25回は花、虫、動物の三種盛り。特に昆虫は「擬態」を小テーマにお届けします。
植え替え時期を間近に控え、そろそろ花壇の花々が花期を終えようとしています。数ある花壇の花の中で、最後まで昆虫を招き続けた花は写真のガウラでした。ニホンミツバチが何匹も飛んできて、花粉と蜜を集めていきます。
田んぼにヒガンバナが咲く頃、中央公園でひっそりと咲く花があります。セトウチホトトギス。里近くで咲くホトトギスの仲間です。他の花ではあまり見かけないのこの造形。初秋の楽しみの一つです。
この時期、オオスズメバチは急速に巣を拡大し、数を増やします。昆虫酒場は今やオオスズメバチたちに占拠されています(写真左)。昆虫酒場は巣ではありませんが、オオスズメバチは集団になると防衛本能が働くようで大変危険。決して近づいてはいけません。そんなオオスズメバチの姿形に寄せて、「近寄るな」と言っているのはヒラアシキバチ(写真右)。彼女は今、エノキの切り株に産卵している真っ最中です。お腹の下から真っすぐ出て、幹に突き刺している黒いのが産卵管です。このハチは刺すための針を持ちません。その代わり(?)、容姿をスズメバチに似せて、産卵中はお腹を振り回して「刺すぞ、刺すぞ」というポーズをしながら周りを威嚇しているのです。
「擬態」する昆虫はほかにも色々います。写真左はその名もタケカレハ。名前の示すように、枯葉そっくり。ただ、止まった場所が男子トイレの壁だったので効果の程は・・・。写真右はキボシマルウンカ。ぱっと見はテントウムシですが、縁もゆかりもない、セミやカメムシに近い昆虫です。テントウムシは天敵に襲われると苦い汁を出して身を守ります。キボシマルウンカはテントウムシに似せることで、天敵を遠ざけているのだと思います。
最近、自動カメラによく写るのは特定外来生物のアライグマ。
水辺を、前足を使ってジャブジャブと漁り(その様子が何か洗っているように見えるのが名前の由来)、水底に潜む獲物を探します。写真上はアメリカザリガニを捕らえたところ。アライグマは毎年どこかで繁殖している模様で、この時期、森の中を家族で移動する様子がカメラに写ります(写真下)
(2022年9月20日公開)