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サントリー美術館’24秋~『没後300年記念 英一蝶 風流才子、浮世を写す』

サントリー美術館に行ってきました。
『没後300年記念 英一蝶 風流才子、浮世を写す』

江戸時代の画家/芸人・太鼓持ちである
英一蝶(はなぶさいっちょう)の展覧会です。

『まぎらはす 浮き世の業の色どりも 有りとや月の 薄墨の空』(辞世の句)
その活躍は、講談『英一蝶干物便り/朝妻舟』でも知られています。

英一蝶は狩野派の絵師で、狩野安信に師事(後に破門されたとも)。
作品は風俗画から、狩野派の本格的な水墨画・風景画まで多岐にわたります。

本展は『多賀朝湖』の時代から
三宅島へ配流された際の『島一蝶』
江戸に帰還してからの『英一蝶』と 作品が時系列で展示。
(英一蝶像と俳書以外)「すべて」一蝶の作品です。



概要


音声ガイド

音声ガイドは神田伯山さん。
ナレーションもされていることもあってか
とても耳障りの良いテンポで説明が進行していきます。

ボーナストラックでは、朝妻舟の前半『屏風の蘇生』が聴けます。
考えてみたら伯山さんの高座(音声ですが)久しぶりに聞いたな。


『雨』の描写

展示の中で特に目に留まったのは、『雨』の描写。
とても繊細で、少し見た感じでは雨とわからないのです。

しかしよく見て見るとしっかり雨が降っていることがわかる。
いや~凄いですねこれは。


朝妻舟

一蝶が流罪になった
原因の一つといわれている作品『朝妻舟』です。
朝妻舟とは、琵琶湖東岸の朝妻と大津を結ぶ渡し舟。

あれ?将軍(江戸と)とまったく関係ないじゃん …と思っていたのですが
作品の中の白拍子が、綱吉の側室をやつしていたからなのだとか。
実際には別の原因もあるのでしょうけども。


宝井其角

同時代に生きた親友の宝井其角は
配流中に亡くなってしまいました。

しかし、その友情は七回忌の俳書『石などり』に
挿絵を提供しことからも、強固であったことがうかがえます。

この俳書を編纂した人が『秋色』というのですが
これはあの『秋色桜』の秋色でしょうかね?

女性という記述もありますし、同一人物であれば一蝶と秋色は交流があったという事になるでしょうか。
秋色は其角の弟子なので自然ではありますが、歴史は繋がっているんだなあと感じます。


舞楽図・唐獅子図屏風のうち 舞楽図

こちらだけ写真撮影可能でした。


感想

ということで、伯山さんファンはもちろん
講談ファンの方も必見の展覧会でしょう。

少なくとも、朝妻舟を聴いたことある方は行った方がいいと思います。
今回は図録も購入しましたので、また楽しみます。

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