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時間が止まったみたい

「なんとなく何かゆっくり言葉にしたい」

と思って久しぶりにNoteを開いてみました。ここ最近、何かに追いやられるような感覚で夏から今ままで過ごしていたような気がします。
特にものすごく忙しかったという自慢でもなく、何か頭の中がずっと忙しい状態でした。

9月は地元仙台でのジャズフェスが2日間あり、KAZ TAP STUDIOの生徒を交えての3つのプログラムがあり、その翌週は山形ビエンナーレで山の上でのパフォーマンス、それぞれがエモーショナルな時間でした。その後、ラジオ出演があったりしつつ、レッスンを仙台、東京を行ったり来たりしながら、先日はNYから帰国している秋吉敏子さん、マンデー満ちるさんライブにマンデーさんのバンドのゲストとして出演させていただきました。

この日の出演は2曲でしたが、マンデーさんの曲は高校生の時から聴いていたので改めての日本での初共演は感慨深かったです!そしてバンドの皆さんがとにかく素晴らしかった。
僕の出番が終わって、自分の出来を反省しつつ、秋吉さんのピアノソロを舞台の袖から地べたに座って見させていただきました。
僕は秋吉さんのライブは学生の時にNYのバードランドで見させていただいたことがあり、少しだけお話しさせてもらった時に本当に優しい印象と、芯の強さを感じていました。それから本を読んだりドキュメンタリーを見たりして『ジャズ』という音楽に捧げた人生に感銘を受けました。

それからコロナ前の2018年くらいにNYで旦那さんのLew Tabackinさんとセッションをする機会があり、そこでマンデーさんにも初めてお会いしたり、昨年はマンデーさんに僕の公演に出ていただいたりとご縁が深まっていました。
秋吉さんのライブはその学生の時から20数年見る機会がなかったのですが、今回袖で秋吉さんがたった一人でピアノを弾いている姿を見ているうちに時間が止まったような感覚で宇宙に浮いているような気持ちになりました。
曲の途中途中にお話しがあるんですが、秋吉さんが若かった頃(現在は94歳)、バドパウエル(偉大なジャズミュージシャン)にお金を貸してくれと頼まれた話とか、お客さんは爆笑しているような話でしたが、おかしいけれどなんともエモーショナルな時間でした。照明がピアノに当たっているだけで、音響も当日に秋吉さんが生音で演奏したいとのリクエストで、完全に生の音での演奏でした。僕はふわりふわりと宙に浮いているような気持ちで、その音に耳を傾けていました。
『プロモーターには一時間弾いてくれと言われているけれど、さっきから演奏しても演奏しても時が止まっているけれど、時計が止まっているのではないか』とお話しされてまた笑いが起きていました。

僕もなんとなく止まった時間の中で一音一音に包まれているような
本当にありがたい時間でした。

最後にはマンデーさんに助けてもらわないとということで
二人でHOPEという曲を演奏し
「ここで本当は一回はけてアンコールを受けて戻ることになってますが、面倒なのでこのままやります」
と言ってまた笑いがおこり、
最後に演奏した曲は、なんだかとても懐かしくて口ずさみたくなるような曲でした。
後から題名を思い出したのですが『月の砂漠』でした。

『月の砂漠を はるばると 旅のらくだが ゆきました』

さまざまな人生の旅の景色が目に浮かぶような
素晴らしいコンサートでした
呼んでいただいたマンデーさんと

バンドで共演してくださった皆さんにも感謝です!

この光景を忘れることはないでしょう

出番前の楽屋にて

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