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ポストSDGsとは?SDGsの経緯と未来を考える

ポストSDGsを提案るまえにすること:経緯と目標到達度の検証

最近、SDGs(持続可能な開発目標)が話題になることは珍しくありません。あるYouTubeチャンネルで、「ポストSDGsは何か?」という質問がMCからパネリストに突然投げかけられるシーンがありました。しかし、そんな質問を急に投げかけられたパネリストは戸惑いを隠せない様子でした。この質問に答えるには、まずSDGsが策定された経緯を理解し、次にSDGsの17分野に設定された開発目標の到達度を検証することが必要です。

SDGsはMDGsの問題を引き継いでいる

まず、SDGsの策定された経緯についてですが、SDGsは2015年に突然出てきたものではなく、その前段階としてMDGs(Millennium Development Goals: ミレニアム開発目標)がありました。MDGsは2000年から2015年の期間に実施され、すべての国を対象としていましたが、特に発展途上国に焦点を当てていました。MDGsは貧困、飢餓、疾病、非識字、環境劣化、女性差別などの様々な側面に対処することを目的としており、これらの目標は発展途上国のニーズに最も関連していました。そして、解決されなかった課題はSDGsに引き継がれました。これが2000年から2030年までに実施される開発目標の流れです。

事例:SDGs目標13、気候変動

次に、気候変動を例にとって説明します。気候変動は、SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」に関連しています。目標13は、気候変動https://www.globalgoals.org/goals/13-climate-action/の影響を少なくし、温室効果ガスの排出を減らすための具体的な対策を取ることを目指しています。この目標には、次のようなことが含まれます:

  1. 気候関連の災害への強さと適応力を高めること

  2. 各国の政策や戦略に気候変動対策を取り入れること

  3. 気候変動についての知識を広め、対応能力を高めること

人類の食のあり方が気候変動に影響する

著者は、過去に、「アントロポセンの食のあり方:持続可能な人類の食」というタイトルの記事を書いたことがあります。地球の持続可能なフードシステムにおける人類の「食」のあり方を伝える論文が、2019年に世界五大医学雑誌の一つであるThe Lancet(ランセット)に掲載され、人類の食のあり方が、SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」に大きな影響を与えることが明らかにされていたからです。「アントロポセンの食」は、地球の持続可能な食生活を実現するために不可欠で、植物ベースの食事や低炭素食は温室効果ガスの排出を減少させ、気候変動の影響を軽減します。さらに、地球に持続可能な食は、人の病気のリスクを軽減し、また寿命を延伸させるのです。さらに農業の持続可能性が向上し、それが気候変動に対する緩和策としても効果的であるからです。本記事では、SDGsの目標13を例にとりあげましたが、世の中で起きていることがSDGsにどのように関連しているかを知ることが大切です。

ポストSDGsの検証と浮かび上がる課題

さて、「ポストSDGsは何か?」に戻りますが、実施中の過程で集められるデータをもとに検証されていきます。その過程で多くのことが分かってきます。これをもとにポストSDGsが浮かび上がってくると思います。しかし、直感でも「ポストSDGsは何か?」に対して、貧困、飢餓、疾病、非識字、環境劣化、女性差別はやはり外せない分野だと思います。中でも、気候変動は他の分野にも大きな影響を与えることが分かっています。例えば、世界保健機関(WHO)は地球温暖化が、世界の健康問題にとって最も大きなリスクであると警告しています。そして、貧困にある人が気候変動の影響を最も強く受けやすいのです。

SDGsとその前身およびポストSDGsの方向性

SDGsは2015年に策定されましたが、その前身であるMDGsは2000年から2015年までの間に実施されました。MDGsは貧困、飢餓、疾病などの課題に取り組みましたが、一部の未解決問題はSDGsに引き継がれました。ポストSDGsについては、現在の検証結果をもとに今後の方向性が見えてくると考えられます。しかし、貧困や気候変動などの重要な課題には、新たな取り組みが必要だと考えます。


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