「設備屋」に求められるスキル Part.2

だいぶ日が開いてしまいました…💦
前回は設備開発の流れについての説明と、いちばん最初かつ最も重要な「仕様決め」で求められるスキルについて書きました。今回は、それ以降のステップについて考えたいと思います。

仕様から設計へ

設計する人は「メカ」「制御(ソフト)」「電気」に分かれます。会社によっては3種すべて別の人が行うケースもあるようですが、私の職場では、メカはメカ専門の設計担当、電気とソフトは兼任することが多いので、実際に設計を行うのは2人になります。(とは言え、日程短縮のためにそれぞれ数人がかりでやることもありますが。)

さて、仕様が決まったら、その仕様を満足できるよう「設計」を行います。
まずは「概略設計」で、全体制御をパソコンでやるのかPLC(FA向けのコンピュータ)でやるのか、駆動部分をモーターにするか、シリンダにするかとか、何かを検出するためのセンサをどこにつけるのか、どんな方式(光とか磁気とか)にするのか、などなど、設計メンバで相談しながら決めていきます。もちろん仕様の段階で、メカにしか関わらない項目、制御にしか関わらない項目もありますが、複合的に考える必要があるので、メカ電気ソフト全体で相談しながら進めます。

餅は餅屋?

メカ電気ソフトそれぞれに専門的な知識やセンスが求められるので、それぞれの分野で色々な知識を身につけていくわけですが、意外と多いのが、自分の専門以外のことはよく知らない、という人。非常にもったいないな~と思うことが多いです。逆に言うと、「メカが分かる電気屋」「電気が分かるメカ屋」は強いです。「隣の畑もちょっとはかじっておく」のをお勧めします。

相手の分野のことが分かっていないと、例えばメカ屋さんが提案した機構や部品の配置が、制御屋さん視点で見ると「その配置だとものすごく複雑な制御が必要になって、コストがかかる」と言うことが起こったりします。その点、制御や電気が分かるメカ屋さんの場合、例えば軸数を増やすとインタロックが複雑に絡み合うようになって、ソフトのバグで不具合が起きる確率がどれぐらい増加するから、なるべく物理的に衝突しないように設計しよう、とか考えることができたりします。

センスを磨け!

一方で、それぞれの分野で高みを目指そうと思ったら、当然ではありますが、あっちもこっちも、となると当然ながら時間が足りなくなるので、どっちつかずになってしまいます。他分野は「そこそこ」身につけつつ、自分の専門分野を深めるのが最良かと思います。

専門分野を深めた方が良い、という理由は、メカにしろ電気にしろ制御にしろ、それぞれの専門的な知識もさることながら、「センス」が問われる職種だからです。

もちろん、メカ屋さんなら、カムやリンク、スライダー等の機構、機械製図、3Dモデリングなど、制御屋さんなら通信方式(デジタル、アナログ、コマンド制御)やプログラミングなど、身につけるべき知識はたくさんありますが、それらをどれだけ使いこなせるかは「センス」だと思います。

この「センス」というのは、学校とか訓練所で何か月がんばったら身につくという類のものではなく、色々な設備を見る、たくさん設計する、そうやって、文字通り「OJT」で地道に磨いていくしかないのかな、と思います。

いよいよ机上から現場へ

設計が完了して、図面(メカ・電気)が出来上がったら、部品を手配⇒組立と進んで行きます。
またもや長くなってしまった…今回はこのへんで終わりにしたいと思います。
次回は組立・配線、立上げ調整ですね。設計担当者の仕事はまだまだ続きます。

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