「設備屋」に求められるスキル Part.3

これまで、仕様決め、設計と来て、図面ができたら、思い描いた設備が「机の上で」完成です。次はそれをいよいよ形にする…のですが、部品が無ければモノは作れません。

設計者が手を動かすわけではないですが・・・

部品を調達して、それを組み立て・配線して設備の形ができ上がります。このステップでは、設計者自身が手を動かすよりは、それぞれの専門家に仕事を依頼することが多いですが、設計者にも一定のスキルが求められます。

(1)部品加工

部品は、大まかに言うと、金属や樹脂の材料を削ったり曲げたりして、図面通りの形に加工する「加工品」と、世の中に広く販売されている物を買い集めて来る「購入品」の2種類に分かれます。
加工はこれまた、専門家の熟練と勘が必要になって来ます。図面(部品図)を見て、どの部分から順に加工するか、どんな機械・工具を使って加工するか、などを、経験を頼りに考えます。実際には加工の専門家に依頼することがほとんどで、メカ設計者自身が加工を行うことは少ないですが、ここでもやはり「相手の領域を少しかじる」ことが求められます。図面上で寸法精度を指示することはいくらでもできますが、物理的に測定できないような箇所に寸法指示をしたり、加工がとてつもなく難しくなる(=部品代が跳ね上がる)ような設計は避けねばなりません。どのように加工されるかを想像しながら設計する力、加工屋さん(加工の専門家)と会話ができるだけの知識は備えておいた方が良いですね。

(2)部品の購入

設計者から購入品のリストをもらったら、どの部品をどこのルートから調達するか、まとめて調達する場合は、など、購買部門は購買部門でノウハウがある・・・のですが、私があまり詳しくないので深くは語れません💦
あと、部品の調達から組み立て配線完了までは多くの人が関わって、いくつもの作業が並行して行われるため、組み立て配線完了までのスケジュールと実績管理は、購買部門がまとめて管理することが多いように思います。

(3)組立て

組み立ては、組織の規模によってメカ設計者が組み立てる場合もあれば、組み立て専門の部隊がいる場合もあります。組織が大きいほど、分業する感じですかね。あとで出てきますが、組立て後の調整や細かな修正などをメカ設計者が行う場合は、組立て部隊が組み立てる場合でも、ある程度はメカ設計者も最低限のことができる必要があります。
組立て部隊に組み立てを依頼する場合、設計段階で、部品の向きを間違えにくくしたり、組立て精度を確保しやすくするなど、設計者に求められるスキル(というかセンス)が広くなります。

(4)配線

組み立てがメカなら、配線は電気です。こちらも組織の規模によって、ある程度、組織が大きいところでは、専門の配線業者が行います。電線を、どこをどのように這いまわすか、などなど、ここでも求められるノウハウがあります。
これまでいくつかの組織を見てきましたが、設計者が細かい配線ルートや、そこを通る電線の束の太さコード留めの箇所まで考慮に入れたうえで設計して、配線担当者は指示通りに配線するだけ、という場合もあれば、設計担当者は配線はノータッチ、配線担当者が高いスキルをもって上手に配線ルートを考える、という場合もありました。ケースバイケースな気もしますが、設計者としては、できるだけ配線担当者が迷わないよう、設計で可能な限り考えたうえで、配線担当者とコミュニケーションしながら進めていけると良いですね。

設備が完成!でもまだ続く。。。

ここまで来ると、設備の形がようやく出来上がります。ですが、ここで終わりではありません。まだあと少し、やることが残っています。
思いのほか長くなってしまいましたが、次回で最終回!(終われるかな?)

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