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コロナ 4.15.2020

こんな時だからこそ何かを発信しなければと思いコロナをテーマにした反小説を書こうと思いました。
反小説としたのはこの小説がライブで現実と繋がっているからです。
情報は事実から、登場人物や物語などはフィクションです。
可能な限り正しい情報を使用します。
不快に思われる方がいましたら、本当に申し訳ございません。
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待って。いやだ、行かないで。

人影は闇の中に消えていく。

そして水面に向かって引き上げられていく感覚。

はっと深い眠りから覚めた。
部屋はうす暗い。ほとんど眠れなかったみたいだ。それも仕方ない。

コロナのニュースを見る。

状況は変わらない。
日本も世界各国の感染者数も昨日に引き続き増えてしまった。

この家にこもる日々はいつまで続くのだろうか。

とりあえずは5.6までとのことだけど、都医師会では6週間は外出自粛をしたほうがいいと言っていたり、先が分からない。

ひとまず僕たちにできるのは家にいることだけど、仕事がなくなって収入がなくなり支払の心配をしなくてはならなかったり、人の集まる職場に行かなくてはならなかったり、誰とも会えなかったり。

精神的にきつくて、これを楽しもうとするのは困難だ。

みんなが上手にストレスを発散する術を見つけてくれたらいいなと思いながら、僕はマスクをして丘の上にある寺に向かう。

すでに8時をまわっていたけど、ほとんど誰ともすれ違わない。
坂を上がっていくとそこには三重塔、昨日と同じく何喰わぬ顔。

そこで祈るのはいつも、願いではなくて感謝の気持ちと抱負だけれど、

・いつもありがとうございます。こうやって生きてこれたことに感謝します
・僕は運がいい。僕は運がいい。昨日、降りかかった死ぬほど最悪なできごとは明日からの自分のためにあるんだ。
・驕るな。謙虚に生きろ。
・今日も頑張って一日を生きます。
・素晴らしい季節を感じられるこの世界を愛してます。

今日はそれに加えて、コロナで亡くなった方々にご冥福をお祈りして、世界ができるだけ早く日常を取り戻せるように願った。

僕はそのままランニングして帰ってくると、

「今日もいい日にしようね」

虚空の向こうに投げかけ、戸の向こうに吸い込まれていった。

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長田 千輝|Kazuki Osada
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