「砂漠で遭難して死にかけたり、燃えるような乾いた空気を感じたりしたいあなた」に届けたい1冊

僕はそろそろアフリカ大陸を旅したいという気分でした。

そこで出会ったこの本は、あまりにも熱くリアルなアフリカを感じさせてくれました。これ以上の本はなかなかありません。

アフリカに興味がある人もない人も、ぜひ読んで欲しいです。
世界観を大きく拡げてくれる1冊です。

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『黒壇』リシャルト・カプシチンスキ

暑い。電気式スチーマーになった部屋で、今にも人間肉まんが出来上がりそうである。この時期、出荷先も需要もないのでただちにコンビニへ逃げ出すことにする。

オアシスがそこにあった。

コーラと氷をパスモが払い、はじに設けられた休憩スペースでぐちゃぐちゃに混ぜる。コーラはロックに限る。

そうしてちょっと涼しげな気持ちになってコンビニを出ると、アフリカにいた。

命の危険を感じるほどに熱い。人々はみな陰にじっとして、この日差しが閉じるのを待っている。

得体のしれない虫がたくさんいる。なんだか気だるくなってきた。どうやらマラリアに罹ったようだ。医者はいるのだろうか。朦朧としながらこの村に一人しかいないという医者にすがる。アフリカの病はアフリカの治療法で治る、はずだと思うことにする。

完全に回復するとクーデタに出くわした。ここではひっきりなしにクーデターが起こっている。

いろんな人がいる。黒人が黒人を奴隷にするし、全体主義もここで生まれたらしい。宗教もいろいろ。ご飯と水とお金はない。それでも何か精神的に満ち足りた気持ちになってくる。僕は精神的に大切なものを手に入れていた。

作者がアフリカのいろいろな国で出くわした出来事、文化などを細かい章立てで読めるので読みやすくて面白い。とにかく多様性とか価値観の違いとかに驚かされます。最も勧めたい作品のひとつになりました。

もし気になっていただけましたら、図書館で借りてみてください。
詳細は下記リンクよりどうぞ。


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