反小説|東京ミキサー計画 7.20
暗くなってきたから店を閉めて帰ることにする。 初夏のにおい
いったん 埼玉に向かう電車に乗ろうとして、やっぱり松本にでも行こうかなと思い立つ 。
ふらっとバスに乗ると日をまたぐ頃には着いていた 。
25時になる頃 小さな公園にたどり着いた 。
「お酒を飲める古本屋があるんですね この辺りどんどん個人店が増えてるんです 路の感じがとてもいいなと思いました 一方通行ばかりで路を覚えるのも一苦労なんですよ 泊めてあった車に乗る 窓を開けると 夏の夜道を走る風が、とても心地いい」
慣れない道をしばらく走ると、丘というか小さな山みたいなものの緩やかな坂を登ることにする 。そこには展望台があった 。
街を見下ろすとまっくらで ほとんど街灯の光しか視えない 。
なんだか街灯の明かりが 線状に波打っているように見えるね 。前に来たときも誰かが同じようなこと言ってたよ 。こんなところカップルしかいないのに何してんだろ 。そう思いながらも私は 、 薄明るくなるまで初夏の風に当たっていた 。 11時の開店時間には 、神保町に戻らないと 。
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