データ可視化・データ報道の最新情報を入手する方法
先月末の報道実務家フォーラムにて登壇した際、「データ可視化やデータ報道に関する情報収集はどうしているか」という質問がありました。その場でもお答えしましたが、改めて考えると色々や手段があるなと思ったので目的や形態別に分けて整理したいと思います。
Data Visualization Society
会場でも答えたのがData Visualization Societyというデータ可視化のコミュニティです。非営利団体が運営しており、Slack channelや各種の調査などを運営しています。
特にThis Week in Data Vizという週に1度届くNewsletterは、その週に発表された報道分野の特筆すべき作品、データ可視化関連のイベント予定、求人情報などを網羅しています。
Top 10 in Data Journalism
調査報道に携わるジャーナリストの団体であるGIJN(Global Investigative Journalism Network)が公表する「Top 10 in Data Journalism」という連載もおすすめです。こちらもThis Week in Data Viz同様、その週に発表された主なデータ報道作品を特集しています。
Data Vis Dispatch
データ可視化ツール「Datawrapper」が週に1度発表するData Vis Dispatchというブログ&Newsletterでも週替わりで印象的な作品を集めています。こちらもやはり報道作品が中心ですが、よりビジュアル面にフォーカスした作品選びをしている印象です。
Off the Charts
少し視点が変わって「作る側」からの視点を届けるNewsletterもあります。Economistのビジュアルチームが発行するOff the ChartsというNewsletterでは、データ可視化を制作する上でのコツなどを毎週1つのテーマに絞って解説しています。
どちらかといえばデザイン寄りの話が多いです。私もこのNewsletterを参考にすることが多く、自分の書籍に出てきた台風のビジュアルの話などはOff the Chartsからヒントを得たものです。
Sigma Awards
ここまで週に1度のブログやNewsletterを挙げてきましたが、こちらは年に1度のアワードです。データ報道関連のアワードはいくつかありますが、Sigma Awardsは元々「Data Journaism Awards」という名前で運営されており、データ報道の世界でおそらく最も歴史と権威があるアワードです。
「週替わりの情報を見る時間はないから、とりあえず今どんな作品が世界で評価されているのか知りたい」という場合には、まずここで受賞作品を見てみるのがよいです。
Information is Beautiful Awards
データ報道ではなくデータ可視化の世界で最も有名な賞は、おそらくInformation is Beautiful Awardsでしょう。こちらも年に1度の開催です。Sigma Awardsは社会的なインパクトのある報道を表彰するのに対し、こちらは報道だけでなくクライアントワークや学術的なプロジェクトも含まれています。
「Business Analytics」「Science, Technology, & Health」など部門が分かれているので興味のある部門のGold Winnerだけ見るのもよいかもしれません。
データ可視化やデータ報道は他にもTwitter、Medium、Podcastなどいろいろなプラットフォームで情報が共有されています。とりあえず一覧になったビジュアルを眺めて、これはと思う作品を読んでみるだけでも楽しいので、興味のある方は調べてみてください。
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