カナダの教育から見る「学校教育のゴールはどこに設定するべきか?」
こんにちは!
最近カナダ在住の方と話す機会があったのでそこで考えたことを今回は書いていきたいと思います。
カナダの教育について
みなさんご存知かもしれませんが、実はカナダは世界的にも教育水準が高いと言われている国です。
上記にもあるように授業料が無料で高校まで行くことができます。
しかもほとんどが公立の学校でその水準は等しく高いんだとか。
入学試験よりも卒業試験に重点をおいているそうで、
外国の大学に多い「入りやすく、卒業し難い」制度のようです。
その分、中等教育機関でも授業がしっかりしているんだとか。
授業のスタイルはいわゆる講義型ではなく、体験型の授業も取り入れているようです。
学校の授業では簡単な知識伝達からスタートし、最後は議論などアウトプットをベースとした活動を行い、知識を自分のものにしていくように促すそうです。
公立学校をより良くするにはどうすればいいのか
以前にも書いたように、
日本の教育水準はとても高いです。
SDGs No.4「質の高い教育をみんなに」は文句なしの緑色ですし、識字率や小学校入学率などはほぼ100%です。
また、教育におけるジェンダー差もほぼありません(最近大学入試で事件がありましたが。)
これは間違いなく、先人達の努力の結晶であり、現職の先生や教育委員会の方々のおかげだと思います。
しかしそれでもまだまだ改善できる点はたくさんあります。
そして巨大な組織だからこそ変化に時間がかかっている現状ですが、それでも緩やかに改革は進んでいると考えています。
では日本の公教育がより良くなるためにはどうすればいいのでしょうか?
そもそもより良くなるとはどういうことなのでしょうか?
僕はそこが大きな問題点なのではないかと考えています。
世界的に見た学力(認知能力)の向上なのか
国内の大学進学率、学力テストの平均値向上なのか
自律型学習者として人格の完成なのか
何に重きを置き、
どのような理想を描き、
そのために何をするべきなのか(もしくは教育者に何を考えさせるのか)
これらが明確に示されていないため
学校単位でも先生方の間で価値観の衝突が生まれ、
その無駄な摩擦から、本気で議論することを避け、
先生個々人が目の前の生徒のためだけに個別に頑張るようになってしまっているのではないでしょうか?
もしも目的を共有し、同じ思いの目標を立てることができたら、
あとは現場の先生達自身が探究しながら、自分たちで協力して目標を達成していくと考えています。
その経験を教員が自ら体験すれば、
探究型学習の意味を理解し、子どもたちに還元していけるはずです。
現職の先生方は
「教わる経験と教える経験」をたくさん持っています。
しかし、だからこそ「自分の意志で自由に学ぶ経験(探究)」をあまりしていないことも事実です。
・明確な目的を示すこと
・教育改革を探究学習として現職の先生方と一緒に実施していくこと
・そのために管理職にファシリテーターとしてのノウハウを共有すること
・(このワークショップを実施するだけの余裕を与えることも大事)
これが現在の日本の公教育に必要なことなのではないかと考えています。