パソコンが使えなかった僕が3DCGデザイナーになるまで
僕は、現在10年ほどCG業界におります。
主にジェネラリストとしてMV、CM、アニメ、TV、映画、イベント映像、ゲームなど、多くのプロジェクトに掛ってまいりました。
メインは、モデリング、アニメーション、リギング、コンポジットなどです。
今回は、僕がなぜこの業界に入ろうと思ったか、そして約10年前私が専門学校からCG業界に入るまでの流れを記載いたします。
何かの参考になれば幸いです。
①志望したキッカケ
なぜ僕が、CG制作を仕事にしようと思ったかというと
非常に簡単な理由で昔から映画が好きだったからです。
中でもCGを多く使用した作品が好きでよくDVDなど借りてみていました。
このように大半の人が同じようなことを考えてCGを始めるかと思います。
きっかけはよいのですが、僕は高校を卒業してもパソコンなどインターネットで検索するくらいしか使用出来ませんでした。
さらにインターネットを使って検索する今では当たり前だと思う事が、「検索の能力」当時の僕には、これさえもできていませんした。。。
②専門学校
僕は、初めにエンターテイメント系の専門学校ではなく、自動車デザインの専門学校に入りました。
なぜここに入ったかと言うと父の仕事が自動車関係だった事もあり、もともと工業高校でものづくりが好きという理由でした。
専門学校に入り、いざCGをやると当たり前ですが、まあ〜わかりません。
僕が最初に授業で触ったCGソフトは「Alias」というソフトでしたこのソフトは、主に工業用のソフトです。
このソフトは主にカーブを使って面を張っていくソフトでこれを使って自動車デザインなどを勉強していました。
一年がたって少し就職という現実を考えた時に自動車デザインではなく、エンターテイメントの世界でCG制作に携わりたいと強く思い、グループ校に映画の学校があるのを知りすぐに父を説得して編入することにしました。
③映画学校への編入
編入するにあたって、自動車の学校である程度デッサンなどの授業も受けていたのもありその制作物を編入先の担当の方に見てもらうと1年ではなく2年として編入でも良いと言われたので2年生として編入しました。
デッサンある程度できるからといって、これから勉強するのは「maya」です。
ですので、僕は遅れを取り戻す為に編入する1ヶ月前から学校を使用させて頂きその間毎日、チュートリアルなどをこなしていました。
そのおかげか、初日には周りと同じくらいには扱えるようになっていました。
この時から思っているのは、技術習得するにはある程度時間が必要、そして時間をかければ人並みには使えるようになるという事です。
その先は、何が足りていないのかを判断できるようになっているのでそこをひたすら反復練習です。
④ポートフォリオ、デモリール
編入先は3年生の学校なので、1年ほどで就職活動があるので、いろいろと準備をしなくてはなりません。
日々の授業と合わせて、ポートフォリオまたはデモリールを制作しなくてはなりません。
これは非常に大切な事です。
なぜならこれがなければエントリーに必要な書類がない状態なので面接までもいけません。
なので、まずはこれを作る事にしましたが、当時の僕は、オリジナル作品を詰め込んで制作しておりました。
これはクオリティが高い人なら採用も通過しますが、そうではない人は、難しいです。現に僕もそうでした。
なぜなら、現場ではデザインや指示された物を作るのが基本だからです。
その指針となるモノに向かって制作する力を見るのがポートフォリオ、デモリールです。
ですので、今の僕が当時の僕にアドバイスするなら模写をする事です。
そして作品は5〜6個、最大クオリティで制作する事をすすめます。
これは、モデラー、アニメーション限らず大体同じような事がいえます。
そして男女、クリーチャー系といろんなテイストのものを入れるとなおよいです。その際ワイヤーフレームやテクスチャ表示など、見る方がどのようにして作ったかを判断しやすいよう工夫する事です。
さらにもし余裕がある場合は志望している企業によって内容を変えると完璧です。
⑤就活
当時の僕は、このオリジナル作品のポートフォリオで就職活動をしていました。
結果は明白で何社も撃沈しました。。。
その後、インターンにで何社か経験しましたが、ここでも採用になる事もありませんでした。
それは単純にクオリティが低かったからです。さらに前述した事が一切できていませんでした。。。
そこ時点で卒業3ヶ月前です。
最悪の状況でした。
ですが、運良く卒業間際に1社アルバイト採用でしていただける事になりました。
ですが、ここでは今まで勉強してきた「maya」ではなく「after effects」を使用した制作がメインの会社でした。
僕は、今まであまり勉強してこなかった「after effects」を習得する事をこの会社での目標に日々業務に取り組みました。
⑥転職
最初の会社に就職して3ヶ月が過ぎる頃でした。
僕は、ある程度「after effects」を使用できるようになっていたので、「maya」を使用した制作がやりたいと思い会社を退職する事にしました。
退職して1ヶ月ほどは、アルバイトをしながら就活をしていました。
ここの運良く学校の先輩が勤めている会社から内定を頂けたので、やっとここから僕のCGデザイナーとしてのキャリアがスタートしました。
契約社員としてでしたが、なんとかCG業界で働ける事もあり、泊まりや残業なんて日常茶飯事でしたが、無我夢中でくらいついてやりました。
今では完全にアウトな働き方ですが、、、
⑦最後に
約10年前は、今ほど多くのソフトを使用して制作していませんでした。
専門学校でも基本的に、「maya」「Photoshop」「after effects」を使用して制作しており、実際に現場に出た際もこのソフトをメインで使用していました。
今では、このソフト以外にも覚える事が当時よりも増えています。さらにクオリティの高い作品を無料ソフトで制作している方も見かけます。
ですので、学校は経由しなくても良いと思います。
学費はかなり高いので、、、僕は専門学校を経由して業界に入りましたが、目標と日々の管理を自分で出来る方はすぐにでも就職できると思います!今では、オンラインで受けれる授業や有料のチュートリアルなど豊富にありますしSNSでプロの人ともすぐにコンタクトが取れる時代です。
なので、興味がある方はまずは無料のソフトを使用して制作して、仕事にしたいのか、趣味で良いのかを判断してからでも良いと思います。
プロになった現在でも日々勉強の毎日です。
どの職業でもそうですが立ち止まったら退化するのと同じです。
私も日々勉強してクオリティの高い作品に参加出来るチャンスに備えております。
これを読んだ方の少しでも参考になれば幸いです。
ありがとうございました。
現在僕の使用した有料チュートリアルサイトです。