ピーター・アイヴァース
最近、こればかり聴いている。
ドレスコーズのピーター・アイヴァース。
不良がバンドを始めるアニメ映画『音楽』の
主題歌『ピーター・アイヴァース』。
ピーター・アイヴァースは
早逝した天才ミュージシャンの名前だ。
音楽をテーマにした映画の歌のタイトルが、
ミュージシャンの名前になっている。
真心ブラザーズのジョン・レノンとか。
椎名林檎のシド・ヴィシャスとか。
曲の中にミュージシャンが出てくるのは
昔からよくあるけど。
ピーター・アイヴァースは、
最後まで彼の話は出てこない。
もちろん彼を思わせるような歌詞はあるけど。
出てくるのは、曲の終わりに、一言だけだ。
「ピーター・アイヴァース!(ジャーン)」
死んだあと何十年もたってから、誰かにこんな風に歌われることが、曲の最後に名前を叫ばれることが、本当の天才なのかもしれない。
音楽っていいよな、と思う。
お笑いだとこうはいかない。
……いや、いくのかな?もしかしたら。
未来のことはわからないから。
お笑い第15世代くらいになったら、あるいは。
スタイリッシュなコントの終わりに、
こう叫んでるかもしれない。
「コバヤーシー・ケンタロウ!(暗転)」