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【2024このミス大賞】白川尚史『ファラオの密室』の「第二章 石を運ぶ奴隷の少女」と「第三章 迫る狂信者の影」を完全要約(※ネタバレあり)【ファラオの密室 PART2】
▼YouTubeでも公開中
◆ファラオの密室 PART2
◇紹介書籍
こんばんは!Kazukiです!
それでは本日もさっそく投稿の内容に入っていきましょう!
今週紹介していく書籍はコチラになります!
![](https://assets.st-note.com/img/1707568050689-cIAX9h0v8X.png?width=1200)
2024年1月23日に宝島社さんから発行されました、
白川尚史(しらかわ・なおふみ)先生の『ファラオの密室』になります!
本日は本作の核となる第二章および第三章を要約していきます!
◇紹介書籍概要
また今回の紹介書籍の概要につきましては、
いつもと同じように下記に詳細を載せておきますので、
もし紹介書籍の概要が気になった方がいましたら、
そちらの方たちはぜひ下記をご覧いただければと思います!
タイトル 『ファラオの密室』
筆者 白川尚史(しらかわ・なおふみ)
価格 1,650円税込
発行日 2024年1月23日 第1刷発行
発行人 蓮見清一
発行所 株式会社宝島社
組版 株式会社明昌堂
印刷・製本 中央精版印刷株式会社
◇紹介書籍選出理由
そして、今週の投稿に、
本作『ファラオの密室』を選んだ理由になりますが、
そちらにつきましてはパート1の投稿で簡単にですが解説しておりますので、
もし詳しく知りたいという方がいましたらぜひパート1の投稿をご覧ください。
◇投稿内容とその目的
そして、今週の投稿の内容につきましては、
前回のパート1で、本作『ファラオの密室』の、
プロローグと第一章「死者への試練」の内容を完全要約していきまして、
また、今回のパート2で、
第二章「石を運ぶ奴隷の少女」と第三章「迫る狂信者の影」の内容を、
完全要約していきまして、
そして、次回のパート3で、
第四章「砂漠の密室」とエピローグの内容を完全要約していきます!
なので、
今週のこの【ファラオの密室】のシリーズの投稿を、
パート1からパート3まで全部ご覧いただいた暁には、、、
第22回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞を受賞した、
紀元前1300年代の古代エジプトが舞台の、
主人公は死後の世界から甦ったミイラで、かつ、扱うのは密室ミステリーという、
近年稀に見る超ユニークなミステリー小説を堪能できる!
という、そんなシリーズの投稿になっていれば幸いだと思っております!
なお、これはあらかじめお伝えしておきますが、、、
このシリーズは、
本作『ファラオの密室』の完全要約を目的としていることから、
ネタバレを完全に含んでおりますので、、、
もし、ネタバレダメ絶対!という方は、
ソッとこの投稿を閉じていただきまして、
一方で、一緒に本作を私のKazuki調で楽しみたい!という方は、
ぜひ一緒に本作の要約をご堪能いただければと思っております!
ぜひ一緒に、
第22回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞を受賞された、
古代エジプトが舞台でミイラが主人公の密室ミステリーを堪能する読書の旅へ、
出かけていきましょう!
◇第二章「石を運ぶ奴隷の少女」
![](https://assets.st-note.com/img/1707569079722-6AZrZg7dZN.png?width=1200)
それではさっそく今回の投稿の内容である、
本作『ファラオの密室』の第二章「石を運ぶ奴隷の少女」の要約に、
入っていこうと思いますが、
前章となる第一章「死者への試練」が、
死後の世界から甦った元上級神官書記・セティのお話だったのに対して、
この章では、
王墓(ピラミッド)建設という大事業の中でも、
その骨組みとなる花崗岩の運搬業務に従事させられている、
ある奴隷の少女がお話の中心になっておりまして、
その少女の名前を「カリ」と言います。
本章では、その日付は葬送の儀の二日前にまで遡りまして、
その日もカリは、太陽の光がギラつく砂漠の中を、
約四十人編成の班員のひとりとして、
重さ約5トンにも達する花崗岩を木の橇の上に載せて運んでいました。
カリは肩にかけた麻縄が、
皮膚にめり込むのを感じながら精一杯力を込めますが、
約5トンの重量を持つ花崗岩を乗せた橇はなかなか進まず、
その日も、
いつものように橇の周辺をただ歩いているだけの班長「パヌトム」が、
罵声を上げ、鞭を振るいながら奴隷たちを叱責しており、
また、副班長の「ペルヌウ」は、
橇が砂漠の砂に飲み込まれないように、橇の進路上に水を撒きながら、
奴隷たちに声援とも似つかない間延びした声をあげていました。
そうして、その日もいつもと同じように、
花崗岩運搬業務に従事している全ての班の中でも、
最後尾で目的地にまで辿り着いたカリは、
同じ橇について花崗岩を運んでいた友人の「アイシャ」に頼み、
今日の労働の賃金分のパンを貰ってきてもらうと、
アイシャが言うには、
残念ながらここ最近の干魃で、
配給されるパンは減ってしまったのことで、
その数はなんと当初の10つから4つへ、
さらに今日の配給からは3つという、
激務の対価にしてはあまりにも少量でした。
しかも、カリはこの3つしかないパンのうち、
いくつかは自分の主人の「アミ」に収めなければならないので、
そのことを考えると気が遠くなるカリでしたが、
文句も言ってもパンが増えるわけでは決してないので、
この3つのパンを胸に抱えたカリはトボトボと帰路に着きます。
そして、その帰路の道中、
カリは街の広場で十人ほどの集団が、
現在の王(ファラオ)が信仰している神「アテン」が、
「エジプトの民を滅ぼそうとしている」
という、宗教色の鬼強すぎる、
非常に奇矯な声を上げている集団を目にしますが、
実はカリが出会したこの集団たちのこの奇矯な声というのは、
なにもこの小説内の完全なるフィクションということではなくて、、、
実際に、本作の設定である紀元前1300年代の古代エジプトでは、
「アメンホテプ4世」という実在したとされるエジプトの王が、
それまでエジプト全土で信仰されていた、
ラーやオシリス、ホルスなどのエジプト神話を基調とした多神教から、
アテン神を唯一神として信仰する一神教へと宗教改革を行なっていた、
という記録が実際に残っているんです。
さらに、
今しがた紹介したこのアメンホテプ4世が、
その信仰を元に改名した名前というのが、、、
なんとプロローグの葬送の儀で埋葬される王として登場した、
「アクエンアテン」
になるので、
本作『ファラオの密室』は完全なフィクションではなくて、
ある程度の歴史的事実を踏襲されている歴史小説にもなるんですね。
なので、
その点を踏まえても本作を読む価値は非常にあると思いますし、
また、本作を読む予備知識として、
「中田敦彦のYouTube大学」の「エジプト神話」の回は、
見ておくのを非常にオススメいたします。
では話を元に戻しますが、
その集団を見たカリは、自身が異国からやってきた奴隷ということもあり、
カリ自身が抱く宗教観はエジプトの人間とは全く異なっていたため、
「ま〜たなんかやってるわ」
ぐらいの適当な温度感でその集団を眺めては広場を後にします。
現代の私たちに準えるなら、
ヴィーガンの人たちがプラカード持って、
「肉食べるなぁ!環境破壊だぁ!」って騒いでいる感じですかね。
あれはもう完全に異国民ですからね。
そうして、主人・アミの家に帰ったカリは、
持って帰った3つのパンをアミに渡しますが、
やはりというべきか、、、
カリに渡されたパンは1つだけでした。
しかもカリは、その1つのパンを、
自らがお世話をしていた犬の「スゥ」と分けてしまったので、
ちっともその腹が膨れることはありません。
そして、カリはその翌日、
ある衝撃的な事実を目の当たりにしてしまいます。
それは、翌日もいつものように橇を引き終えて、
労働分としてのパンを3つ受け取り、主人の家へ帰った時、
なんと、カリは帰るなり、
いきなりアミから鞭で何度も叩かれてしまいます。
その理由は、、、
「カリがパンをくすねているから」
というものでした。
しかし、カリとしては、
貰ったパンは全てアミに渡しているので、
何かの誤解だというふうにアミに訴えますが、
当のアミは耳を貸さず、鞭を振り続けます。
というのも、アミはその日、
外出先で他の奴隷の主人から耳を疑う事実を聞かされており、
それが、、、
『私の奴隷は、パンを減らされたことなどない』
という、カリからしても、それはそれは衝撃的な事実でして、
干魃で日に日にパンの個数を減らされていると言ったカリに対してアミは、
「お前が蔭でくすねていたんだろ」
という憎々しい気持ちを抱いていたというわけだったのです。
さらにアミは、
カリがパンをくすねたその報いとして、
犬のスゥは殺したとのことでした。
それを聞いたカリは再び衝撃を受けると共に、
自分が本来もらうはずだったパンをくすねた人物が、
いることに気が付きますして、
その人物とは、、、
このエジプトに奴隷として売り飛ばされてから親切にしてくれて、
また、自分の代わりにパンを配給所に受け取りに行ってくれていた、
あのアイシャでした。
そのことをカリは、
使用主に鞭で叩かれた翌日、
直接アイシャに尋ねて判明したので、
橇を引き終えた後、
自らの足で配給所に行き、
労働分のパンをきちんと10個もらうも、
これまで親切にしてくれた人間に裏切られたことと、
自分が親身になってお世話をしていたスゥを失ったことによる心の傷は、
その華奢なカリの身体を抉るかの如く深いものでして、
カリは帰路の途中、
街中で通行人にぶつかり、倒れてうずくまったまま、
この世に味方はひとりもいないのだと絶望に暮れてしまいます。
◇第三章「迫る狂信者の影」
![](https://assets.st-note.com/img/1707569666265-WAavItXHIk.png?width=1200)
こうして、奴隷少女・カリのお話から、
再び物語は、甦った元上級神官書記・セティの話へと戻っていきまして、
セティは第一章「死者への試練」の最後に、
ミイラ職人・タレクのもとを去った後は、
生前暮らしていた父のイセスの家へと向かい、
そこで一夜を明かします。
しかし、現世に留まれる期限が二日を切り、
あまり悠長にしていられないと感じたセティは、
太陽が上り切る前に、
すぐさま、昨日は会えなかったジェドの元へ向かいます。
そうして、ジェドはセティと顔を合わせるなり、
セティのそのミイラ姿を見て、
あたかも揶揄するような軽口を叩いてきますが、
セティは今目の前にいる人間が、
もしかしたら自分を殺した人間なのかもしれないこともあり、
その軽口は無視して、早速本題に入っていきます。
セティはメリラアやムトエフなどから集めた、
状況証拠や物的証拠を用いて、
ジェドが自分を王墓崩落の際に乗じて殺したのだと詰め寄り、
さらに、
セティが現世に戻ることになった一番の原因である、
セティの心臓が何らかの理由で欠けているのも、
恐らくはジェドの仕業なのではないか、
と勘繰ったセティはあえて心臓のことは口にせず、
自分の墓から何かを盗んだのではないのか、
というふうにジェドに対して鎌をかけていきます。
すると、ジェドは、案の定というべきか、
セティの殺人と盗難の容疑について堂々と否定しますが、
セティがさらに詰め寄ったことで、
ジェドはこう口を滑らせてしまいます。
「そもそもだ。殺しのほうはともかく、俺がなぜ死体の心臓なんて盗まなきゃいけない。どうせ盗むなら、ほかにもっといいものがあるだろうが」
ジェド、完全にセティの掌の上で転がされてしまいます。
セティは一度も「心臓が盗まれた」などと口にしてはいないのに、
なぜ盗まれたのが心臓だとジェドは知っているのか、
その言質が取れただけでもジェドを警察隊に突き出すには十分な証拠でした。
そうして、嫌がるジェドの腕を引きながら、
警察隊の詰め所へと向かい、
昨日も世話になったムトエフにジェドを引き渡すと、
苦し紛れにジェドは、
セティ殺害の容疑を否認しつつも、
ある重要な真実をセティに告げていきまして、
それは、、、
ジェドはある人物にセティの暗殺を依頼されていた、
という、なんとも信じ難いものでして、
その事実を知ったセティの顔が、
不安に歪んだのを見逃さなかったジェドは、
さらに追い打ちをかけるようにこう告げていきます。
「俺にお前の暗殺を依頼したのは、我らが神官長、メリラア様だ」
なんと、その依頼主は、
セティの元上官であり、神官全員の長である、
あのメリラアだったのです。
もうこれだけでもセティの脳内というのは、
混乱に次ぐ混乱で、何が何だかさっぱりでしたが、
さらにジェドは、
とどめの一撃とでも言わんばかりに、
セティの死に際に起こったあの王墓崩落事故を振り返り始めまして、
あの時、ジェドは、
崩落の瞬間、一度石室を出てから大回廊へ逃げた後に、
この崩落の機に乗じてセティを殺せばいいのでは、、、
と思い立ち、再び石室へと戻ったところ、
そこにはすでに下半身を石に潰されて、
胸に短刀が刺さって呻き声を上げているセティの姿があったと釈明します。
そして、
パート1の投稿をご覧いただいている方は、
警察隊長のムトエフが告げた、
あの事実を覚えているかもしれませんが、、、
実は、この王墓崩落事故の際に石室には、
セティとジェドの他にもう一人の人物がおりまして、
その人物はジェドが大回廊から石室へと引き返す際に、
ジェドとすれ違って、大回廊に逃げてきていたんです。
そうです、その人物とは、、、
セティのことを大変慕っている神官のアシェリです。
なので、ジェドは、
大回廊でアシェリとすれ違った後に、
石室内で糸の切かかったセティを目の当たりにした時、
実はこのように思っていました。
「俺はこう思った。なんだよ、アシェリも暗殺の依頼を受けてたのか。先を越されちまったぜ……ってな」
▶︎ 其の二
こうして、
セティの脳内をヒッチャカメッチャカにしたジェドが、
ムトエフに連れられて牢屋へとその身を確保されたのも束の間に、
詰め所には警察隊員が顔面蒼白になりながらやってきて、
メリラア主導の葬送の儀が失敗したことを告げていきまして、
ここでようやく物語はプロローグでの出来事へと繋がっていきます。
そうして、
衛兵に取り押さえられたメリラアが、
セティらのいる警察隊の詰め所へとやってきまして、
また、
そのメリラアの後を追いかけるようにして、
慌てふためく様子のアシェリも詰め所へとやってきます。
先程までのジェドの話を聞いていたセティは、
詰め所にやってきたメリラアとアシェリの二人に対して、
もちろん、幾許かの猜疑心はありましたが、
ひとまず、
詰所の牢屋で行われることになったメリラアの尋問を、
アシェリと共に、
こっそりと盗み聞きをすることにします。
そうして、わかった事実というのは次のとおりになりまして、、、
アクエンアテンの体が王墓の玄室内の石棺から消えて、全く別の場所であるアテンの神殿に現れたこと
アクエンアテンの体がタレクの工房で石棺に入れられるのを、メリラアはその目で確認していたこと
アクエンアテンの体が棺に入れられてから王墓に運び込まれるまでは、メリラアが片時も離れずに石棺の側にいたこと
石棺が王墓に運び込まれてから葬送の儀が始まるまで、メリラアと護衛のアハブが交代交代で王墓内と出入り口を監視しており、王墓の出入り口からアクエンアテンの体を運び出すことは不可能であること
それはつまり、アクエンアテンの体というのは、
監視の行き届いた王墓内の密室状態の石室から、
忽然とその姿を消してしまったということだったのです。
こうして、いよいよ、、、
本作『ファラオの密室』の肝である密室ミステリーの幕が、
紀元前1300年代の古代エジプトにて上がっていきます。
さらに、メリラアは、
先ほどのアクエンアテンの遺体消失事件に関する事実を述べた後に、
今回の儀式で執り行おうとしていたのは、
死者を冥界に送り届ける「葬送の儀」などではなくて、
本当は、、、
アクエンアテン王の魂を現世に呼び戻す、
「復活の儀」という儀式を行おうとしていたのだと明かします。
というのも、
第二章「石を運ぶ奴隷の少女」の要約の中で、
このアクエンアテン王の時代には宗教改革が起こった、
との歴史的史実を述べましたが、
本作の物語の中では、
この宗教改革を行なったせいで、
エジプトの民にとっての死後の楽園となる、
「イアルの野」を含む冥界が、
宗教改革後の神「アテン神」によって滅ぼされてしまう、、、
と考えられていたようなのです。
したがって、メリラアは、
アクエンアテン王に復活の儀を施して、
冥界でアテン神と対峙したアクエンアテン王が、
アテン神の脅威に気が付けば、
宗教改革を取りやめてくれるのではないか、、、
との計画を立てていたようなのですが、
その結果は先にも述べたように、
計画の失敗どころか、、、
先王の葬送の儀という大事業を失敗した代償として、
牢屋へとぶち込まれてしまう始末でした。
さらに、事態は、
どんどん悪い方向へと進んでいってしまいまして、
ムトエフがメリラアへの尋問を行っている最中には、
この先王の葬送の儀の失敗を重く見た、
プロローグで登場した現在の王・トゥトアンクアテンが、
なんと「神官団はエジプトの敵である」と表明し、
その結果、、、
王の勅命として、エジプト全土に、
神官団の捕縛、もしくは殺害を命じていきます。
もうエジプト全土は無法地帯の世紀末へと化してしまいます。
なので、
そのことの顛末を牢屋の外から聞いていたセティは、
胸中が驚愕に染まるのも束の間に、アシェリを連れて、
すぐさま街はずれにある神殿跡地へと向かいますが、
そんな緊急事態の最中におけるセティの胸中には、
先の驚愕の他に、隣を走るアシェリを名指しして、
先ほどジェドがセティに打ち明けたこの言葉、
ーーなんだよ、アシェリも暗殺の依頼を受けてたのか。
この言葉からくるアシェリへの猜疑心を拭い切れないままでした。
▶︎ 其の三
そうして、物語の場面は変わりまして、
話の中心は、避難を強いられることになったセティから、
二日酔いになりながらも目を覚ました、
セティの親友であるミイラ職人・タレクへと移っていきます。
この時の話の時間帯としては、
ちょうど先のセティたちが避難を強いられた場面から連続しているので、
タレクが二日酔いの頭をもたげながら目を覚した時には、、、
街中ではすでにトゥトアンクアテン王からの勅命で、
エジプト民による神官団らへの虐殺が始まっていました。
その現状を知ったタレクは、
セティの身にこの上ない危険が迫っていることを知り、
タレクは昨日ワインとの交換で、
偶然手に入れていた一匹の犬を連れていき、
その犬に以前セティが忘れていった服の臭いを嗅がせて、
セティを探させますが、、、
そんな付け焼き刃の作戦で上手くいくはずもなく、、、
側から見たら、
ただただ犬の散歩をさせている通行人、
にしか見えない様子に落ち着いてしまいます。
しかし、王墓の建設現場が近づいてきた時、
その犬の紐を引っ張る力が一段と強くなりまして、
もしかして、この先にセティがいるのでは…?と、
タレクは希望を抱きますが、
そこにいたのは、、、
なんと、布に包んだパンを大事そうに抱えて倒れていたカリでした。
そうなんです。
このタレクがワインと交換して手に入れた犬は、
実はカリが世話をしていたあの「スゥ」でして、
カリの主人であるアミは「スゥを殺した」と言っていましたが、
あれは実はハッタリで、
スゥはタレクの手に渡って、無事にお世話をされていたんです。
その事実を知ったカリは、
この世における唯一の味方であったスゥの無事を知り、
ホッと胸を撫で下ろす想いでして、
また一方で、カリの背中の傷を見たタレクは、
その傷の深さとなぜか見過ごせないカリの雰囲気にあてられ、
カリを呪い師(現代の医師)のところまで連れていき、治療を受けさせます。
こうして、タレクの計らいによって、
なんとか治療を受けることのできたカリでしたが、
アイシャに騙された一件もあったので、
最初はタレクに対して、敵対心丸出しのご様子でした。
しかし、タレクには、
犬のスゥの世話をしてもらっていたり、
奴隷である自分の傷の世話をしてもらったりと、
本当に至れり尽くせりの施しを受けてしまったので、
その分の借りは返さなくてはいけない、、、
と、カリは考えた末に、
カリはタレクが案じているセティの安否確認の手助けを行うことにします。
とは言っても、
一介の奴隷少女がなんの手助けになるんだ、
と思う方はいらっしゃるかも知れませんが、
タレクはこの時、
セティの安否を確認するのと同時に、
セティが巻き込まれた王墓崩落事故についても、
セティの欠けた心臓を探すキッカケにならないか、
という理由から事故解明に頭を働かせておりまして、
また、一方のカリは、
その王墓崩落事故の際の主要因となった砂岩を、
実は自分たちの運搬班が運び込んでいたことを、
事故直後の尋問がキッカケで把握するところとなっていたので、
この「王墓崩落事故の主要因である砂岩」という点において、
カリはタレクの手助けをすることができるのではないか、
ということだったのです。
なので、タレクはカリに、
どうして王墓建設では通常使用されない砂岩を運んでいたのか、
また、
なぜ玄室の奥にあんなに一直線に並べることができたのか、
などの王墓崩落事故の真相に迫る旨の質問をしていきますが、
カリとしては、
毎日船着場で受け取った石を砂岩だとは露も知らず、
橇に載せて建設現場に運んでいただけなので、
特にこれと言って思い当たる節はありませんでした。
しかし、タレクはそんなカリから、
ある気になる証言が出てきたのを聞き逃しませんでして、
それは、、、
「カリの班は、毎日いちばん早くに出発するが、到着はなぜかいつも最後尾」
というカリの証言でした。
というのも、
王墓を建設する際には、
その建設現場に積まれてある石を、
その積まれている順に上から使用していくので、
カリが所属していた砂岩を運んでいた班が、
最後尾に建設現場に到着するということは、
その砂岩は建設現場に積み上げられている石の、
一番上、もしくはその付近に置かれます。
それはつまり、その砂岩は、、、
いつでも使いたい時に使うことができるようになっている、
ということを意味していました。
なので、タレクとしては、
そのカリの班を先導している班長のパヌトムが、
意図的に遠回りなどをして、到着を遅らせているのではないのか、
というふうに、カリに告げますが、
一方のカリは、
あくまでも遠回りはしておらず、
いつも同じ道を歩いているし、
橇の進行速度も極端に遅くなっている気はしない、
という、真相究明にはまだまだ程遠い証言でした。
では、なぜカリの班は、
毎日一番朝早く船着場を出発するのに、
一番最後に建設現場に到着するのか、、、
この疑問に一向に良い案が思い付かず、
完全に煮詰まってしまったタレクは、
ひとまず、警察隊にこのカリの証言を聞いてもらうために、
警察隊の詰め所へと向かい、
そこにいたムトエフにカリの証言を聞いてもらおうとした、
その時です。
足元を這うコブラに噛まれそうになるカリを、
ムトエフがすんでのところで腕を引き、助けまして、
ニョロニョロと去っていくコブラを見ていたタレクの脳内に、
衝撃にも似た閃きが駆け抜けていきます。
その後、タレクはムトエフに頼んで、
カリの班の班長であるパトヌムを呼び出してもらい、
ついに、王墓崩落事故の原因を作った、
砂岩の運搬の謎の種明かしへと物語は駒を進め手いきますが、
残念ながら、今回の投稿ではここまで。
次回のパート3でお会いしましょう。
◆おわりに
いかがでしたかね!
今回のこのパート2の投稿では、
2024年1月23日に宝島社さんから発行されました、
白川尚史(しらかわ・なおふみ)先生の『ファラオの密室』の、
第二章「石を運ぶ奴隷の少女」と、
第三章「迫る狂信者の影」の完全要約をお届けしてきました!
このパート2の第二章、第三章ときて、
本作『ファラオの密室』における様々なミステリーが、
浮き彫りになってきましたが、
一向にセティが現世に甦るキッカケとなった、
欠けた心臓に関するミステリーが解ける気配がない、
というね。
本当に残り約二章で謎は解けるのだろうか、、、
と、心配になる方もいるかも知れませんが、
そこはご安心ください。
なんてったって『このミステリーがすごい!』大賞の大賞受賞作ですから。
あとは、私の力量次第です。それが問題なのよね。
そして、次回のパート3の投稿では、
本作『ファラオの密室』の第四章「砂漠の密室」と、
エピローグの内容の完全要約をお届けしますので、
そちらの投稿もお楽しみにしていただければと思います!
ぜひ一緒に、
第22回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞を受賞された、
古代エジプトが舞台でミイラが主人公の密室ミステリーを味わえる読書の旅を、
堪能していきましょう!
では、この投稿が面白いと感じた方は「スキ」!
また、次回の投稿も見逃さないように「フォロー」!
どちらもお忘れなきようこれからも応援してくれるととても嬉しいです!
それでは、また次回の投稿でお会いしましょう!またね!