【コラム】寝かしつけの黄金則は歩いて5分、寝たら8分(参照元:理化学研究所)
本作『子どもとの関係が変わる自分の親に読んでほしかった本』の、
第5章「心の健康を育む」にまつわる解説で、
睡眠トレーニングの是非に関する本作の知見は先に述べたとおりである。
繰り返しになるが、再度確認用として、
第5章の解説で述べた内容をここにまとめておくと、
まず、睡眠トレーニングによって子どもの夜泣きを封じることに、
子どもの成長に悪影響を与える等のデメリットは現状見つかっておらず、
むしろ、親の睡眠不足を解消させたり、
子どもが精神的な落ち着きをみせたりなど、
睡眠トレーニングによって子どもとその親が享受できる、
さまざまなメリットの方に世論では重点が置かれていた。
しかし一方で、
本作『子どもとの関係が変わる自分の親に読んでほしかった本』の、
第5章「心の健康を育む」で、筆者のフィリッパ・ペリー氏は、
先の睡眠トレーニングのメリットばかりを謳う世論に対して、
と、真っ向からその主張を覆す意見をぶつけており、
さらに、ペリー氏は筆跡を強めて、
この「睡眠トレーニング」に両手をあげて賛成している人々が、
目を向けないようにしているこの問題の核心として、
「睡眠トレーニング」を取り入れて、
子どもの夜泣きがなくなったところで、
子どもが夜一人で真っ暗な部屋の中に取り残されて、
寂しさ募る孤独感から親を呼んでいる事実に変わりはなく、
それはすなわち、「睡眠トレーニング」が、
子どもの孤独感を親が無視するトレーニング方法であることを意味している
と、筆致を鋭くして、指摘されていた。
もちろん、万年睡眠不足である親にとって、
子どもが夜ぐっすりと寝てくれることほど嬉しいことはなく、
そのトレーニングを子どもに施すことによって、
特に否定的なエビデンスが存在しないのであれば、
この睡眠トレーニングを取り入れたくなる親の気持ちは、
同じ親として、骨身に染み渡るほどよく理解できる。
けれど、その一方で、その睡眠トレーニングは、
自ら動けない子どもが、
目覚めたら視界が真っ暗闇という状況のなかで、
パパとママの気配が感じ取れずに、
必死になって泣き叫んで呼んでいるのにも関わらず、
その子どもの感情を無視する行為であって、
この事実を私たち親は忘れてはいけないことを、
ペリー氏は教えてくれている。
とはいえ、先にも述べたように、
親からしたら子どもに夜ぐっすりと寝てもらうことは、
この上なく喜ばしいことも自明の理であり、
頭ごなしにその親の感情を無視してしまうことは、
それはそれでまた別の問題を生みかねない。
したがって、このコラムでは、
そのような「子どもに寝てほしい……」と、
切実な想いを持つ親にそっと寄り添えるであろう、
2022年に理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター
親和性社会行動研究チームの大村菜美研究員、黒田公美チームリーダーら、
国際共同研究グループらが発見した、
「科学的根拠に基づく赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけのヒント」
を紹介していく。
ここまでの前置きが長くなってしまったので、
まずは結論から。
先の大村氏および黒田氏率いる国際共同研究グループらが発見した、
「科学的根拠に基づく赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけのヒント」
は、次のとおりである。
つまり、赤ちゃんが泣いているときに、
親が抱っこして、5分間連続で歩いてあげると、
その赤ちゃんは泣き止むだけでなく、
約半数の赤ちゃんはそのまま寝付くのだそう
しかも、話はそれだけにとどまらず、
眠り始めてから座って、
5〜8分間待ってからベッドに置くことで、
あの厄介な背中スイッチを起動させることなく、
そのまま眠ってくれるのだそう
さらに驚くべきことは、
これが科学雑誌『Current Biology』にも掲載された、
科学的にエビデンスの取れている寝かしつけ法であることだ
ぐずぐずになることが仕事の生後3ヶ月乳幼児を抱えている私は、
なかなかに心強い方法を発見してしまったものだと我ながら感心している。
子どもがなかなか寝付いてくれない親御さんからしたら、
本当に冗談抜きで、目から鱗の子育て情報のひとつであると感じた。
なお、本研究について、
より詳しい内容が知りたいという方は、
下記に本研究にまつわる理化学研究所のホームページ、
ならびに、本研究をダイジェストで解説している、
YouTubeの動画を掲載しておくので、そちらをご覧いただきたい。
とはいえ、このまま本コラムを終えてしまっては、
内容が薄弱すぎることは流石に誰の目にも明らかである。
したがって、ここからは、
この「寝かしつけの黄金則」とも表現でき得る先の方法を、
実際に実践してみた私の体験談を綴っていくことにする。
どんなことも百聞は一見にしかずである。
エアプ野郎なんぞに意味はないのである。
ただ、はじめに明かしておこう。
私は盛大に失敗した。
とはいえ、それには理由がある。
その顛末をこれから綴っていく。
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