選択する、洗練する
現在私が属している早稲田大学には約3000を超えるサークルが存在していると言われる。毎年4月に行われる入学式、その日キャンパスは無数の学生たちとそれを軽く上回る量の新歓チラシで覆われる。
新歓チラシとは通称ビラと呼ばれ各サークルの特色や魅力を伝える貴重な広告塔のひとつだ。多くの学生が新入生の獲得を目指しあちらこちらで配布に奔走する。新宿歌舞伎町のキャッチなど比にならないほどの先輩の圧力、なにより無限に出てくる色とりどりのビラの数々。かくいう私も2年前この地獄の新歓ビラ配りの餌食になったうちの1人だ。
おそらく今年も入学式から帰った新入生のバッグにははち切れんばかりのチラシが詰まっていることだろう。多くの学生が所属するマンモス大学だからこその一大イベントと言っても過言ではない。
しかし、面白いことにそれ程までに沢山の選択肢があるサークル選びも1年も経たないうちに殆どの学生が1つのコミニティに身を固めている。またサークルには入らない、いわゆる無党派もザラにいる。しかもうまい具合にどのサークルにも毎年一定数の学生が残り、4月になると再びビラ配りに駆け出していくのだ。まさに選択をする立場から気がつけば組織自体が洗練されていくという過程が絶えず繰り返されている。
サークルに入るきっかけは人によって様々である。けれどその数あるサークルの中で一つのコミュニティに残り続ける理由のほとんどは「ひと」である。かけがえのない仲間や一生の友達と思える人に出会えたら、それはサークルでもゼミでもまたそれ以外だろうと自分の居場所になりえるからだ。
選択肢はこの世の中に沢山潜んでいる。こと日本においては一歩引いて周りを見てみればどれほどのチャンスや出会いが転がっているのか。けれど人間関係であっても環境であっても仕事であっても洗練していくという作業を怠ってはいけない。
私も現在大学2年生、高校の何倍も授業の選択肢は増えている。けれど一体何に打ち込み、どう将来に繋げていくのかは模索の日々である。選択から洗練へ。次のステップとなる春はもうすぐそこに来ている。