「某S帯ライバー」に熱狂し、枠の崩壊でなんかちょっと正気に返っちゃった「平日17時からキッズ」の気分的総括。
「昔のほうがよかった」「最近の若いもんは」
というのは老害の常套句です。と同時に、過去を美化する錯覚でもあります。
だって今のほうが、医学も教育も良いもん。
ただひとつだけ明らかに「日本は昔のほうがよかった」ということがあって、それは「子供の主役感」だと思っています。
かつて、日本の子供たちは消費の王者でした。
人口が年間30万人ずつ減り続けている今の日本からは想像もつかないですが、17時から20時まではずっとアニメをやっており、街にはおもちゃ屋があふれ、駄菓子屋が交流所として機能し、CMは子供向けおもちゃやゲームの宣伝にあふれておりました。
子供の人口割合が高い時代。それに比例して体罰やいじめなどは当時のほうが多かったと言えるかもしれません。インターネットもなく、SNSもない時代だけに可視化されてない問題は今よりも多かったでしょう。
ただ、少なくとも消費活動において子供は大きなマーケットでした。
あの当時は社会の4割(いまは約1.5割)を占めた80年代ごろの子供たちも、今はアラサー・アラフォーです。
就職氷河期でもがき、苦しみ、年齢を重ねてきた歴戦の勇です。出世した人も、しなかった人も、等しく人生の甘さや辛さを味わい、その結果としてのいまを受け入れて日々を過ごしております。
その上で、Pococha(ポコチャ)は、
社長も課長も派遣もクリエイターもサラリーマンも無職もひとしく、仕事終わりの17時以降は「あの当時のたまり場にいた子供」に戻り、Pocochaで和気あいあいと騒げるんです。
職場や友人や家庭で推しさんについて話せるわけもなく、Pocochaがコミュニティのありかとなっていたのです。
かくして、ここ数年、Pocochaはおっさん達のたまり場になっていました。私が通っていた、とあるS帯ライバー枠もその一つでした。
しかし、その情勢は、マイナスを踏みまくってイライラし始めた彼女(某S帯ライバー)のこのプロフィールで一気に様相を変え、リスナーに波紋が広がりました。
そのライバーが誰かは秘匿しますが、これについては気持ちは理解できます。
Pocochaライバーは時間ダイヤ(≒時給)を稼ぎながら生活の糧を得ています。時間ダイヤを高く保つためには、投げ銭が不可欠な要素となっており、無課金自慢されれば、それは「役に立たない資源」であると名刺を渡されたに等しい。
そして私以外の人もそれは納得してる。
みんなできる範囲で投げ銭をしました。
だって視聴者、おっさんおばさんだから。
そりゃあ一部は無課金主義もいますが、いい意味でも悪い意味でもお子様はいないコミュニティなので、そのあたり物分かりはいいです。
好きなライバーであればあるほど、その言葉は重い。
問題はそこから先です。
「アイテム投げないやつは話しかけるな」
「アイテム投げないやつはここに来るな」
「借金してでも投げてくれるリスナーがいるのに、そのアイテム量はライバーをバカにしてる」
「ファミリーの負担を下げる協力する気がないやつはいらん」
これもわかるけど、そこまでリスナーをセレクションするんなら、「アイテム投げてるリスナーさんに、ますます負担が集中するけど、いい?」というところまで覚悟しているか疑問で。
「アイテム投げないやつは私が相手する時間がムダやからこんでいいけど、ファミリーの負担は下げて欲しい」って、お前それいいとこどりしか考えてないんじゃないの?と正直思いました。
そのライバーが配信中に「S帯枠に来るなら、ロイチャしてから来い」と言っちゃったのもよくなかったです。
お前、「私はアイテム煽りはしない主義」ってドヤってたやん……。
ってか、ライバーとリスナーは、敵と味方ではないのです。味方がほとんどなんです。
そこを初手で「アイテム入れないやつはブロック」「〆配信こないファミリーはブロック」をちらつかせ、課金しない人も微課金な人も、仕事が忙しい人も事情があるひとも、まるっと敵認定されて、「ああ…俺たちのあの熱狂は君にとってはただの養分でしかなかったのねぇ…」と冷や水をぶっかけられた気分なのです。
ライバーの正解ムーブとしては「いつもみなさんのおかげでS帯にいさせていただいてます」と前置きしたうえで「みんな無理はしない範囲でメーター管理してくださったら嬉しいです。みんなのことを信じているよ!ムリそうならランク下げるから!」だけでよかったんちゃうんか…。
某S帯ライバーさん。あれだけファミリーのこと本当の家族みたいって喜んでて、そのファミリーに対して「金の切れ目が縁の切れ目」と言わんばかりの対応はひどくないかい。都合のいい時だけ利用して、金がなくなったら邪魔者扱い。私はファミリーに入ってないし、たまにしか行かない勢だったからあれだけど、課金してるファミリーメンバーさんが気の毒だったよ。
これまであなたを支えようと数万コイン〜数十万コイン使ってたリスナーたちの心理としては「ライバーの考えは尊重したいし、ブロックされるのはダルいし、なんかすねたし、冷めたし、もういいや」といったところではないでしょうかね。
「いいおっさんたちが、たかがライブ配信ですねるとか、馬鹿じゃないのwww」と思う人もいるでしょう。
はい。そうなんです。
「いいおっさんの俺たちが、カモ扱いされてまで熱中する必要があるのか?」と正気に返ってしまったんです。
これは賛否両論あると思うんですが、配信で、課金、無課金問わず人に集まってもらえるのって、実はめちゃくちゃありがたいことなんですよ。
もっというと、居てくれる。その事がありがたい。
だって世の中は楽しいものであふれているんです。
ゲームも、YouTubeも、お笑いも映画もたくさんある。24時間の奪い合いの、過当競争。
Pocochaライブを見なくても時間はいくらでも潰せる。そんな中で、かつて80年代に子供だった人たちがライブ配信に熱狂し、投げ銭してくれる。
これはものすごい財産だったわけで、投げる量が気に入らないからと言って、ブロックして追放するのは本当にもったいなかったなと思うんですよね…。
そんな簡単に集まるもんでもないっすよ。ガチで。
ただ、配信にいるだけでカツアゲ気味にアイテムせびりされたり、ブロックするぞと脅しを受けるのもしんどいので、もう枠に行くことはないと思います。
そして、何より私たちリスナーが信頼されてないんだなあみたいな寂しさとか、そういうのひっくるめて、めんどう臭くなっちゃった。
ということで、某Sライバーの枠は壊滅する運びとなりました。
※彼女はこれからリスタートされるそうですが(下図参照)
コアファンの少なくない数はアンチになったり冷めたりし、残ったファンも集中するアイテム負担に恐怖を感じるでしょう。そしてランクが下がり、時給が減ります。
もちろん、枠の運営方針を決める権利はライバーにあり、リスナーがその決定に口を挟むのもまた、誠意ある態度とは言えないでしょう。
「だからもうなんかいいや、あのライバーは」がいちコアファンとしての心情だったりします。
枠の立て直しがうまくいくかは誰もわからないです。
ただひとつだけいえるのは、あのS帯ライバーの「君に会いたいよ。オフ会に来て欲しい」「彼女いないんなら私にしなよ!」ってリップサービスを聞くだけで、幸せな気持ちになれた私はもういなくなってしまったなぁ、といったところです。
以上です。じゃ、またねー