マーケティング#01 PPM分析
PPM分析とは?
マーケティングにはさまざまなフレームワークが存在しますが、その中でも基礎中の基礎、PPM分析について説明していきます。
PPM分析とは、「市場占有率」と「市場成長率」の2軸で自社製品・サービスを評価し、経営資源の投資配分を判断するためのフレームワークです。
以下の4つの枠組みに分類されます。
・花形
・金のなる木
・問題児
・負け犬
わかりやすく図で見て見ましょう。
図で見るとイメージがつきやすいのではないでしょうか。
次に、一つひとつの枠組みについて見ていきましょう。
①花形
「市場成長率」・「市場占有率」ともに高い事業が、『花形』に分類されます。
『花形』に分類された製品・サービスは、将来的に安定した収益が見込める、その名の通り、「花形商品」を生み出すことが期待されるポジションです。
一方で、競争が激しく、勝ち残っていくために積極的な投資(生産効率の向上や競合他社に負けないプロモーション費用など)と、
念密な成長戦略を描く必要があります。
②金のなる木
「市場成長率」は低く、「市場占有率」が高い事業が、『金のなる木』に分類されます。
すでに安定的な収益が得られているため、積極的な投資は必要とされません。
『金のなる木』に分類された事業で得た収益を『花形』や『問題児』の成長のために充てましょう。
③問題児
「市場成長率」は高いが、「市場占有率」が低い事業は、『問題児』に分類されます。
分類された事業は、市場での成長が見込めるものなので、積極的に投資を行いましょう。
将来的に『花形』に移行することが期待できます。
しかし、『問題児』は「市場占有率」が低いため、安定的な収益は得られていません。
『花形』や『金のなる木』に分類された事業で得られた収益を、『問題児』の成長のために充てると良いでしょう。
事業例・・・AI・自動運転・ブロックチェーンなどの成長が見込める次世代技術
④負け犬
「市場成長率」、「市場占有率」ともに低い事業が、『負け犬』に分類されます。
分類された事業は、直近での収益増、将来的な成長が見込めません。
撤退を検討した方が良い事業と言えます。
これまでその事業に割いていた時間やコストを『問題児』、『花形』に分類された事業に投資することで、会社全体のプラスにつながります。
会社にとって、適切な成長戦略を選択することは、遠回りしない企業成長のために必要不可欠です。
自社の事業(製品やサービス)を4つの枠組みに分類することで、これまでの事業計画を俯瞰でき、効率的かつ有効的な事業投資が可能となります。
PPM分析のメリット
改めてPPM分析のメリットは以下の3つです。
自社事業を「市場成長率」、「市場占有率」の観点から4つの枠組みに分類することで、
・対象事業を継続か撤退か、などの経営判断ができる
・有限な資源の投資配分の優先順位を決められる
・競合他社との格差を可視化できる
PPM分析のデメリット
PPM分析は、万能ではありません。
「市場成長率」と「市場占有率」の2軸のみで分析しており、シナジー効果や生産面からの経験曲線(製品の累積生産量が増加していくと、単位当たりのコストが一定の割合で低下していくこと)を考慮していません。
そのため、PPM分析を行っただけでは、自社事業を分析し尽くしたとは言えません。
自社事業の現場の立ち位置を把握する際には有効的なフレームワークですが、さらに深く分析するには、他のフレームワークと組み合わせる必要があるでしょう。