100の参考サイトより、1つのコンセプト
こんにちは、CMAのKazuです
今回はWebサイト制作の際に利用する「参考サイトを見るタイミング」について考えてみたいと思います
参考サイトを見るタイミング
デザインのアイデアを探すために参考サイトを見ることがあると思います
皆さんはどのタイミングで参考サイトを見たりしていますか?
恐らく以下のどれかのタイミングで、参考サイトを見ていると思います(当てはまらない方もいるかもしれませんが)
Webサイト制作の相談・問い合わせがあった後
キックオフミーティングの前後
デザインヒアリングの前後
企画書・提案書を作成する時
ワイヤーフレーム作成の時
トップページのデザインをする時
実は、参考サイトを見るタイミングによって、デザインの質は大きく変わってきます
例えば、ヒアリングの前にクライアントの業種から判断して参考サイトをいくつかピックアップし、イメージを膨らませて会議に臨む方もいるかもしれません
あるいは、事前にいくつかのパターンを用意して、「この中からどれが近いですか?」とクライアントに質問することもあるでしょう
しかし、クライアント全員がデザインに詳しいわけではありません
デザイナーの提案に対して、明確な意見を出しづらく、最終的にデザイナーが判断してしまうケースも少なくありません
具体的な要件や要望のヒアリングができてない状態であれば、クライアントの既存サイトを分析し、業務内容や競合状況を把握した上で、デザインについては、ゼロベースで新しいアイデアを出し合い、議論を進めることが重要です
コンセプトをしっかり定義する
では、どのタイミングで参考サイトを見るのが良いのでしょうか?
制作会社やデザイナーによって制作の流れが違いますし、コンペなどでは順番が入れ替わるので一概には言えませんが、私の場合「コンセプトを決めた後」に参考サイトを見ることにしています
コンセプトを固める前に参考サイトを見てしまうと、無意識に見た参考サイトのデザインに影響され、本来目指すべき方向性から逸れてしまうことも懸念されます
もちろん、参考サイトは、ボタンの動きや見せ方など、デザインのアイデアを得る上で非常に参考になります
単に見た目が良い部分だけを模倣しても、オリジナリティのあるWebサイトは作れません
コンセプトがしっかりしたWebサイトは、色使い、文章、写真、レイアウト、動き、技術など、全ての要素が調和し、独特の世界観を表現しています
AppleのWebサイトを例にとっても、同じように真似ることは難しいです
なぜなら、AppleのWebサイトには、Appleというブランドが持つ独自の哲学や価値観がデザインに込められているからです
参考サイトを見る際は、そのサイトのコンセプトや目的をしっかりと意識し、自分なりに深く掘り下げることが重要です
では、どのように進めて参考サイトを見れば良いのでしょうか?
クライアントの要望・目的を深く掘り下げ、仮説を立てる
立てた仮説を検証し精度を高め、具体的なコンセプトを固める
コンセプトに基づいたワイヤーフレームを作成する
ワイヤーフレームをブラッシュアップするために、参考サイトを活用する
このようなプロセスを経ることで、クライアントのニーズに合った、より良いWebサイトを制作できる可能性が高まります
考えてみよう
免許取り立ての20歳になる男性の若者が、車の購入を検討していると仮定します
捻出できる予算は100万です
皆さんだったらどういった車をオススメしますか?
予算が100万ということは、新車は難しいので中古になるだろう
まだ免許を取得して間もないから、運転は上手くないかも知れない
だから大きな車はないだろう
よし、コンパクトカーをオススメしよう!
本当にそうでしょうか?
本人から話を詳しく聞く前に決めつけてしまってないでしょうか?
なぜ、車が欲しいのか?
なぜ、18歳ではなく20歳で免許を取ったのか?
なぜ、予算は100万なのか?
本当のところは何もわかってないのです
Webサイトの考え方も同じです
まずはクライアントの要望に耳を傾け、真意はどこにあるのかを探し、仮説を立てて検証し自身で考えることが大事だと思います
参考サイトはブラッシュアップのヒントとして
参考サイトは、デザインのヒントが満載で、見ていると楽しいですが、様々な要素に目が行きがちです
見た目の良いところだけを模倣するのではなく、自社のブランドやサービスに合ったオリジナルのデザインを創り出すことが何よりも大切です
まずは、自ら考え、仮説を立ててみましょう
参考サイトは、その仮説を具現化する上でのインスピレーションとして活用すると効果的です
「100の参考サイトを見るよりも、1つのコンセプトを深く掘り下げる」ことこそが、より良いデザインを生み出す秘訣ではないでしょうか
最後に
これまでコンセプトが大事であることをお話してきましたが、それに囚われすぎるあまりデザインが硬直化し、チープな印象を与えてしまうことがあります
他のメンバーの意見を聞きながら、コンセプトを柔軟に解釈し、多様な視点を取り入れながらより良いデザインを目指しましょう