マガジンのカバー画像

職業、事業作家。(毎週月曜日更新予定)

25
スタートアップスタジオquantum(クオンタム)のクリエイティブ担当役員であり、事業作家である川下和彦が、日々新規事業開発に取り組むなかで考えていることをまとめたマガジンです。
運営しているクリエイター

#スタートアップスタジオ

ブレストより沈潜(ちんせん)。

スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。 新規事業開発を成功へと導くために「未来の物語」を書く事業作家として働く中で考えていることを、このnoteに書き留めています。 前回まで、新規事業開発において「未来の物語」を書く上では広告の創造技法を応用することができるが、広告制作と新規事業開発においては求められる「未来を想像する力」の種類が異なる、ということについて書いてきました。 広告制作においては、短期間なインパクトを生み出す「発想」が重要です

広告は発想、事業は妄想。

スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。 「事業作家」として、日々、未来の物語を書く中で得た気付きをこのnoteにまとめています。 前回までは、広告制作の技法を応用すれば、新規事業開発を飛躍させられる一方、両者には大きな違いがあることを紹介しました。 今回は、広告制作と新規事業開発の間にある、もう1つの大きな違いについて書きたいと思います。 広告業界では、よく「発想」という言葉が使われます。長年広告会社に勤務してきたわたしも、これまでこの

商人の目、技師の目。

スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。 新規事業開発を成功させるには、「未来の物語」を書けるか否かが鍵を握ります。 なぜ未来の物語が必要なのか。そして、未来の物語を書くためにわたしたちが実践する「ABC手法(Ad to Biz Creative手法)」とは何か。ここまでに紹介してきました。 「ABC手法(Ad to Biz Creative手法)」とは、シンプルに言えば広告の創造技法を新規事業開発に応用するというものです。しかし、広告制作

新規事業はABC。

スタートアップスタジオquantumのクリエイティブ担当役員、川下です。 前回は、未来の物語を書くことで新規事業開発を成功に導く「事業作家」という仕事について紹介しました。 今回は、その事業作家はどのようにして未来の物語を書き、具体イメージにしていくのかについて書きたいと思います。 一言で未来の物語を書くといっても、それは一朝一夕にできることではありません。実を言うと、わたしも新規事業開発に取り組む過程でこの技術を身につけたのではなく、別の領域で長年繰り返し実践してきた経

職業、事業作家。

はじめまして。 川下和彦(かわしたかずひこ)と申します。 職業は、「事業作家」です。 事業作家? 聞き慣れない職業ですよね。 それもそのはず。 事業作家は、ググっても出てこない、わたしがつくった言葉です。 わたしは現在、株式会社quantumというスタートアップスタジオ≒新規事業開発組織のクリエイティブ担当役員として、まだ世の中に存在しない製品やサービスを生み出す仕事に取り組んでいます。 日々そうした業務に携わるなかで、市場導入までに暗礁に乗り上げてしまうプロジェク