金曜日、気分的連載ものがたり? 「ムササビ森、に日がのぼる」 だいいっかい?
金曜日の夜は、口から出まかせ、出たとこ勝負の冒険小説?です。
対象年齢6さいから150さい。
では、はじまりはじまり?
ことしもまたイノシシのハッサンのくすんくすんがはじまった。ハッサンはなつのおわりごろになるとそうなる。ハッサンの あきかふんしょうはかなりひどい。その日は、いんげん森の きんきゅうかいぎの日だった。じょじょにこの森でくらす じゅうみんがあつまってくる。
ぼくはヤマイヌ、うまれたときからトモとよばれている。りゆうはよくわからない。
ハッサンのくすんくすんをぼくが笑っていると木のかげからヤマネコのレンがやってきた。レンはさいきん、ねっしんにおしゃれをする。しっぽにピンクいろのツバキの花をむすびつけていたりする。ぼくはそれがあまりにあわないとおもっていた。レンによけいなことをいうと ひっかかれるから ちゅういがひつようだ。
つづいてやってきたのは へびのいちにょろ。いちにょろはめんどくさそうに えだから ぶらりとぶらさがっていた。「きんきゅうかいぎってなんだ?おれはいそがしいんだかんな」と、いちにょろがいう。すると こかげから みみずくの ばさりが あるいてやってきた。
「え!ばさりはとりでしょ?なんであるいてやってくるの?とんでくるべきではないの?」
レンがそういった。
ばさりは、はねをのばしながら「さいきんふとってきた。だからなるべくあるくことにしてる」といった。
こみちから あらわれたのは あらいぐまのゴシゴシ。「きんきゅうかいぎってなんだ?」ゴシゴシは、せなかをごしごしかきながらそういういい ことばをつづけた。
「なんだよ いきなり おれはあらいものがたくさんあっていそがしいんだかんな」とふまんそうにいった。ハッサンがおおきな きりかぶの上にたって はなしはじめた。
「みんなよくきけ きのうあたりからにおいがする」「なんだよ うんちのにおいか?」いちにょろがめんどくさそうにいう。
「まじめにきけ、そのにおいとは、あらしのにおいだ。しかもふつうのあらしではなさそうだ。きょだいあらしのにおいがする。しかもそのあらしはこの森にむかっているみたいなんだ」
「なんでそんなことがわかるんだ?」ぼくはそういった。
「かぜの中にうみのにおいがする。そうだ、しおのにおいだ。いつもはこんなことはない。おそらくきょだいあらしが うみの水をまきあげているからだ」ハッサンは、しんみょうなかおをして そういった。
「ねえ、とも、うみってなに?」
レンがぼくにそうきく。
「ぼくもよくしらない。なんだかとてもおおきないけ のことらしい。しかも しおあじつきみずが ばしゃばしゃはねてるらしい」
ぼくは、だれかにきいたはなしを てきとうに こたえた。
「ふーん そのしおあじおみずを
かぜがすいこんでいるってことね」レンはなっとくしたみたいだった。
「きょだいあらしがきたら 木のうろ の中にはいってじっとしていればいいんだろ?」ゴシゴシがまためんどくさそうにそうきく。
「それはむりだな、古い木はみんな たおされる、小さな木もみんな ふきとばされる」
ハッサンはすこし くらくなってきた空を見ながらそういった。
「川の 石あなの中にはいっていればだいじょうぶ、おれはそうするよ」いちにょろはそういった。
「だめだな」ハッサンがそういいことばをつづけた。
「山で おおあめがふるから 川はあふれるぐらいに水がながれる。みんな ながされるんだよ」
ぼくのすこしうしろのこかげにいつのまにか きていてはなしを
きいていたキツネのキツツがいた。
いつかにつづきます