美しきハニカム
開拓中の人里離れた山奥のキャンプ場に設置された大型トレーラーハウスの軒下に全高80cm、最大幅40cm、 全周囲1メートルの活性中の巨大スズメバチの巣が出来上がっていた。
最上部左右に2匹の見張り役の番兵がいて直下で慄いている僕ら人間を見下ろしている。
そもそも缶ビール片手にそこにいる人間が間違っている。間違っていた。
時折、 偵察部隊が戻ったり出発したりしている。偵察隊はこのオヤジ3名はバカそうだからひとまず無視しておこう、と話しているのが聞こえた。
その巣の構造、色彩に暫し見惚れる。
美しさだけではなくすべての方向からの強固な物理的圧力に耐え柔軟性と堅牢性を持ち合わせた正六角形の組み合わせによるいわゆるハニカム構造というやつだ。
自然界とは人間の想像力ではとても追いつかなく美しく、そして深く冷酷でもある。
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