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共感と同情を切り分ける

同情という言葉に拒否反応を示す人は多い。
昔のドラマの名言「同情するなら金をくれ!」に始まり、同情にいいイメージはない。
一方で、「共感」という言葉は前向きな言葉として使われる。(九州では「今日感テレビ」という番組もあったはず😋)
SNS時代は共感の時代でもあり、自分の気持ちを代弁してくれたり、分かりやすい言葉で表現する人や言葉に「共感」が集まる。

本来、どちらも良い悪いはないのですが、
「同情」と「共感」を切り分けてチームビルディングのヒントにする。
今日はそんな記事です。

例えば課長に頼まれて作った資料...
「ダメだしされて何度も修正。修正しているうちに最初に提出した時とほぼ変わらない感じに戻り、ようやくOKが出た。なら最初のでOK出しておけばよくない?あのダメ出しなんだったの?この資料作るのに5時間かかってるんだけど。月曜日は遅くまで残業してヨガお休みしたんだけど。最初にダメだしされた時に結構きついこと言われたんだけど。」

というAさんの”愚痴”があったとします。(長っ!...でも概して”愚痴”ほど長いのです。)これに対して「ありえない」「マジふざけてる」「やってられないよね」「つらかったね」っていうのが同情。

一方で「不毛な作業に時間を取られたって思うことってすごくやるせないよね」とか「予定外の残業で好きな習い事休む時って一週間のモチベーション保てないよね」とか「仕事できついこと言われた日って思いだしては凹んで辛いよね」とか「前にもこんなことあったなって思いながらする仕事ほど、やる気でないものもないよね」とか「納得いく指示ではない時のモヤモヤ感ってしんどいよね」っていうのが共感。

とある事象や感情に対して思いっきりその物事に心を突っ込んで、”自分の”感情を表現することが「同情」、相手の感情を自分の経験に照らし合わせて俯瞰して理解するのが「共感」かなと思っています。

同情も共感も人間が仕事をする上ではとても大切です。どちらも「理解してくれている」という状態だからです。理解してくれている人がいるというのはメンタルの安定を保ち、モチベーションを維持してくれます。

ただお分かりの通り、同情と違って、共感できる切り口は経験値などに比例し数多く見出すことができます。だからこそ、リーダーは他の人よりも多数の共感ポイントを見つけることができるはずです。そして「共感」は、安心のその先の、”更なるやる気”を引き出したり、”成長のチャンス”を手渡すきっかけになる。そして、どの共感が一番その人にヒットしたのか。それを知ることで手渡せるものが明確になります。

先ほどの例でみてみましょう。

「不毛な作業に時間を取られたって思うことってすごくやるせないよね」
→「でもこの作業、決して不毛じゃないよ。同じところに戻ったようで、その間にたくさん考えたり試行錯誤したことは、必ず活きる時が来るよ」と伝えて未来の成長実感への動線を引くことができる

「予定外の残業で好きな習い事休む時って一週間のモチベーション保てないよね」
→(月曜日はヨガの日か。頭に入れておこう)とリーダーが配慮できるようになる

「仕事できついこと言われた日って思いだしては凹んで辛いよね」
→「課長は決してあなたという人間を否定したりきつく非難しているわけじゃないからそこは理解してね。」と伝えることがで次回のダメージを減らしてあげられる

「前にもこんなことあったなって思いながらする仕事ほど、やる気でないものもないよね」
→「今回のメモしておくと次に役立つことがあるかもしれないよ」というビジネスライフハックを手渡すことができる

「納得いく指示ではない時のモヤモヤ感ってしんどいよね」
→「納得いかない状態で作業を頑張れた秘訣を教えてもらえる?」という質問でその人の乗り越え方や考え方を知ることができる。

こんな形で「共感」は、心理的安全性を手渡したり、成長を促進したり、相互理解に繋げるためのキーになってくれます。
ぜひ、「同情」と「共感」を切り分け、「共感」をうまく使う。
チームビルディングのヒントにしてみてください☺

余談ですが...
悲惨なニュース、不安を煽るニュースに思いっきり自分の心を突っ込んで、怒ってみたり、悲しんでみたり、不安に思ったり...同情は一見優しさのようで、もしかしたら自分の感情を動かしたに過ぎないことが多いのかもしれません。

一方でどんなニュースであれ、これは大変だろうな、これは辛かっただろうな、じゃあ自分の日常に照らし合わせて見るとどうか...と俯瞰して理解することは、自分の影響の範囲に上手に平和や愛を伝道していくことに繋がるのだろうと思います。
”共感”をうまく使うことは自分の身を振り返るためにも有効なスキルかも、しれません、ね☺

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