FNS歌謡祭でタイトル未定が示した「新しいライブアイドル」のあり方
昨晩放送された『2024 FNS歌謡祭』に、ひとつのライブアイドルグループが歴史的な出場を果たした。
それが、「タイトル未定」である。
タイトル未定とは?
タイトル未定は、北海道を拠点に活動する3人組のアイドルグループである。
ややこしいが「タイトル未定」というのがグループ名そのものであり、そこには「何者かになろうとしなくていい。 何者でもない今を大切に。」というコンセプトが込められている。
そんなコンセプトの通り、人間としての感情の機微やもどかしさ、それでもなお前を向こうとする力強さなど、人の心を大きく動かすような歌詞が特徴だ。
3人とも表現力・歌唱力が高いことも相まって、ライブでのメッセージングパワーはアイドルの中でも群を抜いて高く、個人的には「今最も道徳の授業で取り上げたいアイドル」である。
タイトル未定については以前にも以下のnoteで取り上げているので、もしグループのことをあまり知らないという方はぜひそちらもご一読いただきたい。
伝統的な音楽番組『FNS歌謡祭』
一方のFNS歌謡祭といえば、今年で50周年を迎えたフジテレビの誇る人気音楽番組である。
毎年この時期、年の瀬を感じつつもまだクリスマスに街が浮かれている最中に放送され、大御所歌手から新進気鋭のアーティストまで、日本を代表するアーティスト達が集い3時間を超える生放送で歌を届ける。
アーティスト同士のコラボも盛んで、FNS歌謡祭でしか見れない「このアーティストがこの歌を歌ってくれるなんて!」という感動にも溢れた個人的にも好きな番組である。
今となっては数少ない、「Mステ」にも劣らない伝統的な音楽番組と言えるだろう。
自分のFNS歌謡祭の一番の思い出は、2015年に「奇跡のアイドルコラボメドレー」と称されて放送された「48系列・スターダスト・ハロプロ」の(当時)三大アイドル事務所所属の各グループによる豪華すぎるコラボ企画だ。
”モノノフ”(ももクロファンのこと)でありながら他のアイドルにも興味を持ち始めていた当時の自分にとっては非常に面白い企画で、録画を何度も繰り返し見た記憶がある。
このような事務所の垣根を超えたコラボという「不可能をも可能にしてしまう」のがFNS歌謡祭なのである。マスメディアの凋落が叫ばれて久しいが、それでもフジテレビのゴールデンのパワーは計り知れない。
近年では深夜帯の音楽番組に出演するライブアイドルも増えてきているが、FNS歌謡祭は一介のライブアイドルには到底手の届かない格式高い番組だと言えるだろう。
「オール北海道」で勝ち取ったFNS出演
そんなFNS歌謡祭だが、今年はアイドルにとって非常に夢のある企画が行われた。
「TIF×FNS歌謡祭コラボ企画」と称し、『TIF2024』出演アイドルの中からノミネートされた20組が予選・準決勝・決勝審査を戦い、勝ち抜いた1組が『FNS歌謡祭』に出演できるというものである。
TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)はお台場地域で開催される世界最大のアイドルフェスであり、その主催はフジテレビである。
そんな大人の都合にも助けられ、普通であれば想像もすることが出来ないような多くの人に見てもらえる機会を得るチャンスが、ライブアイドル達に降ってきたのだ。
出場した全20組のアイドルは下記の通りである。
ライブアイドルに詳しい人からすれば、かなり裾野の広いラインナップであることが分かるだろう。
武道館でライブができるようなトップ層はほぼおらず、キャパ数百人以下のライブハウスでの活動が主であるようなアイドルばかりだ。
そんな彼女たちにとって、全国地上波のゴールデンでパフォーマンスできる機会がどれだけ魅力的に映ったかは想像に難くない。
FNS歌謡祭に出演する1組を決める審査は、予選のSHOWROOM配信審査から始まった。
予選を勝ち抜いた10組が準決勝で再び配信審査を戦い、最終的に上位5組が決勝のリアルライブ審査で競うという形式であった。
(こういった賞レースにおける配信審査はいわゆる「課金レース」と揶揄され、アイドルとファンが疲弊する一方でその利益はプラットフォーマーに吸い取られるだけだ、という根強い批判はもっともであるし、筆者自身も好きではないが、FNS歌謡祭出演はリターンが非常に大きい企画でもあるし、そもそも本題から逸れるので本記事では触れないこととする。)
そんな配信審査をくぐり抜けて決勝に駒を進めたのは、「ラフ×ラフ」「SUPER☆GiRLS」「YUM!-TUK!」「カラフルスクリーム」そして「タイトル未定」の5組だった。
ここまでの結果は、動員規模やSNS人気なども鑑みてある程度は順当な結果であったと言えるだろう。
もちろん、惜しくも決勝に届かなかったグループの中にも素晴らしいアイドルがたくさんいることは付け加えておく。
肝心の決勝は、各グループが渾身の一曲を披露するリアルライブにおける「見届け人投票」と「配信投票」、そして事前にYouTubeに投稿された各グループの動画の再生数を競う「アピール動画投票」の3つで争われた。
配点は上記の通りである。
まずこれを見ると分かる通り、順位1つの間の点数差が最も大きいのは「アピール動画投票」の210ポイント、続いて「配信投票」の200ポイントであり、「見届人投票」は100ポイントの差しかない。
また、リアルライブは会場のキャパシティの問題もありかなりの高倍率となっていたため、会場で「見届け人投票」を行える人はそもそも限られていた。
つまり、大局は「アピール動画投票」と「配信投票」で稼げるかで決まるといっても過言ではない審査であった。
そんな前提がある中、リアルライブの前にまず「アピール動画投票」の期間が始まった。
ここで上位に入ることはほとんど優勝するための必要条件であったため、各グループ陣営による壮絶なレースが繰り広げられた。
特に、YouTubeでの広告費投下による再生回数増が明文化されてはいなかったもののルール内ということが発覚し、それに端を発したゴタゴタや札束の殴り合いは見ていてあまり気持ちのよいものではなかった。企画側は大いに反省するべきであろう。
しかしタイトル未定のプロデューサー松井氏をはじめとする各グループの運営陣が丁寧な声明を出すなどの誠実な対応もあり、ファンも理解の上での公平な争いではあったことは書き記しておく。
結果、アピール動画の再生回数が最も多かったのは「ラフ×ラフ」であった。
ラフ×ラフは有名テレビプロデューサーの佐久間宣行氏が手掛けるグループであり、そういった強力なバックアップも受けつつ「アピール動画投票」では他を突き放しての1位となった。
ただ、この戦いの中で明らかに士気を高めていったのは「タイトル未定」陣営であったように感じる。
そのグループのファン、アイドルファンといった垣根を超えて、地元北海道全体の応援を受けるようになっていたのだ。
タイトル未定は北海道を活動拠点とする中で、地元の各所との友好な関係を地道に築きあげてきていた。
北海道は、旧ジャニーズのような超人気アイドルですら動員に苦しむなど「アイドル不毛の地」とも呼ばれることもあり、女性アイドル業界においても拠点とすることが難しいとされてきた。
例えば48系列のグループを考えても、東京(AKB)大阪(NMB)名古屋(SKE)に加え、福岡(HKT)新潟(NGT)中国四国(STU)と各地に支店があるにもかかわらず、北海道には存在しない。
そんなアイドルの根付きにくい北海道にもかかわらず、タイトル未定は北海道を大切にし続けてきた。
お金を落としてくれるファンの数でいえば、もしかすると東京の方が多かったかもしれない。正直、東京でのライブをもっとたくさん行えば、それだけグループとしての売上も増やすことはできただろう。
しかしそれでも、「さっぽろ雪まつり」などの北海道で行われる一般のイベントに精力的に出演したり、北海道内でツアーや主催フェスを開催したりと、「北海道で活動すること」を貫き通してきたのである。
その結果が少しずつ実り、最近では北海道の地元有力企業との連携も強まってきていた。
例えば、HBCという北海道のラジオ局では「タイトル未定の金曜の予定は未定!」という冠番組が2023年から放送されている。北海道テレビの「おにぎりあたためますか」という人気バラエティ番組では、メンバーの阿部葉菜がナレーションを努めている。
こういった地元メディアへの出演回数は着実に増えており、「北海道の顔」へと少しずつ近づいてきているところだ。
また、Jリーグ「北海道コンサドーレ札幌」のクラブパートナーにも就任し、試合の前にスタジアムでパフォーマンスしたりJ1残留をかけた大事な遠征にツアーを組んで同行したりと、結びつきを密にしている。
こういった北海道を大切にする姿勢と、各所と積み重ねてきたこれまでの関係性を結集させ、FNS歌謡祭出演に向けて「オール北海道」を合言葉に一致団結していったのである。
「アピール動画投票」では2位に甘んじることとなったが、もはやタイトル未定の勢いを止めることは誰にも出来なかった。
決勝審査のリアルライブでは圧巻の、しかしタイトル未定にとってはある意味実力通りのパフォーマンスを披露し、北海道を中心とした大勢の配信視聴者によって「配信投票」における圧倒的な1位を獲得。そして「見届け人投票」でもラフ×ラフを上回り2位に入ったことで、見事総合1位を獲得し、FNS歌謡祭出演を決めた。
あのTIFメインステージ争奪戦の時と同じく、タイトル未定はそのストーリーと言葉を力に変え、最高の舞台に再び立つことになったのだ。
「ライブアイドル」と「地上アイドル」のはざまで
タイトル未定がFNS歌謡祭で披露した楽曲『鼓動』には、本当にいろいろな気持ちが乗せられていた。
ファンの想いも、タイトル未定に関わるスタッフの想いも、そしてメンバー達の筆舌に尽くしがたいくらいの想いも。
その心は確かに言葉となって、唄となって、お茶の間に届いた。
コロナ禍を経て、分断が激しくなりながらもそれでもライブの力を各々が磨き続けている2020年代のライブアイドルシーンにおける、一つの象徴的な場面だったようにも感じる。
では、これからのタイトル未定はどこまで広がっていくのだろうか。
ライブアイドル界の希望として、既存のアイドルファンの範疇を超え、より多くの人に夢と希望を与えるグループになっていくことはできるのだろうか。
その鍵を握るのは、「ライブアイドル」という活動形態のアップデートにある、と私は考えている。
アイドルは、メディア出演が活動の中心に置かれるようないわゆる「地上アイドル」と、そうではなくライブ出演が活動の中心になるような「ライブアイドル」の二項対立で語られることが多い。
ライブアイドルは、より一般的な言葉で言うならば「地下アイドル」と称される。「地下にあるような小さなライブハウスで活動している」というところから「地下」と呼ばれ、その対比として「地上アイドル」という言葉が作られている。
地下アイドルの中にもたくさんの素晴らしいアイドルがいることを知っているから、私自身は「地下アイドル」という呼び方にあまりネガティブな意味を見出していないが、全員がそうとも限らないためできるだけ「ライブアイドル」という呼称を用いるようにしてきた。
しかしここからはより正確に、地下アイドルという呼び方も用いる。厳密には、ライブアイドルと地下アイドルは異なるものとも言えるからだ。
上記のnoteでも言及されている通り、「地下アイドル」とは「地上アイドル」と上下関係にあり、動員規模などの観点で定量的に下であると言える。
(繰り返しの注になるが、良し悪しの上下があるとは思っていない。)
一方で、「ライブアイドル」とは最も重要な活動がライブであるようなアイドルであり、メディア出演の多い「地上アイドル」とは活動の主戦場が違うだけなのではないか。
このように考えると、本来ライブアイドルと地上アイドルの間には動員などの観点で上下関係は無いはずである。
しかし実際には、メディア活動の乏しいライブアイドルが十分な動員や国民的認知を得るといった事例はほぼなく、実質的にライブアイドルと地下アイドルはイコールになってしまっているのだ。
結果として、アイドル界は単に「地上」と「地下」に二分され、それらの間が分断されていると言われるような状況にある。
近年ではFRUITS ZIPPERに代表されるようにTikTokを活用して売れるケースも出てきてはいるが、地下アイドルのオタクであればそのような事例は極めて限定的で再現性が無いものであることは身に沁みて明らかだろう。
では「タイトル未定」はどうして「ライブアイドル」でありながら「地上アイドル」に手が届きそうな位置まで来ることが出来たのか。
他の「良い」と言われるライブアイドルとは何が違ったのか。
もちろんタイトル未定というグループにこれまで語ってきたような、いやここでは語り尽くせないような多層的な魅力があることが最も重要な要素ではある。その点については、各ファンがそれぞれ言語化してくれているものを参照されたい。
しかし同時に、今のライブアイドル全体が抱える構造的な課題を解決しつつあったのではないかと考えている。
それは、「北海道拠点であるからこその見れるライブの少なさ」だ。
皆さんは一般的なライブアイドルがどのくらいの数のライブに出演しているかご存知だろうか?
例えば私が最もよくライブに行っているアイドル「花いろは」であれば、現時点で予定されている2024年12月のライブ数は22本であり、そのほとんどは東京または関東近郊で開催されている。
この数値は決して異常ではなく、多くのライブアイドルが最低でも十数本、中には1日2回しを含めて月30本以上のライブがあるところもあるだろう。
これだけライブ数が多いのは、もちろんライブ活動を大切にしているからという側面もあるが、それ以上に「地下アイドルのビジネスモデルがたくさんのライブ出演を前提に成り立っているから」だと考えている。
地下アイドルの主な収益源は「特典会におけるチェキ」である。
このチェキという”商品”は、チェキを撮影するだけでなくその後にアイドルとファンが話せる一定のトーク時間とセットになって販売されている。
何枚も何枚もチェキを”積む”ファンは、このトーク時間のためにお金を支払っているのだ。
この「チェキ+トーク」という商品はだいたい相場で言うと1枚+トーク1分あたり1000~2000円で販売されていることが多いが、とにかく重要なのは「時間あたりに稼げる額が決まっている」という点だ。
つまり、例えばチェキ1枚1500円のグループで1回のライブの特典会時間が1時間であれば、1人のアイドルの売上はどんなに多くても9万円(=60分*1500円/分)ということになる。単価を上げることはできるが、競合が多数いる中ではせいぜい3000円が限度だろう。
この売上を増やすには、もはやライブの数を増やすしかないのである。
しかし、(私を含めて)月に10回20回とライブ現場に足を運ぶオタクは明らかに世間一般の感覚から外れたいわば”異常者”なのだ。
ライブをそんなにたくさんやられても普通の人はついていけないし、行けなかったライブが続くことでグループから気持ちが離れてしまうといった事態にもつながる。
逆に現場にコミットし続ける異常なオタクだとしても、何回も似たような対バンを見ていたら正直多少の飽きが来てしまうことは避けられないだろう。
アイドル側も、ライブが続いていることで十分にレッスンや休養の時間が取れず、コンディション不良のままライブに出るようなケースもよく目に付くのが実情である。
ライブ数が多すぎることで、ライブの価値を大切にしたいはずのライブアイドルは自らライブ一回あたりの価値を下げてしまっているのである。
一方のタイトル未定はどうだろうか。
確かにイベントの数だけで言えば、極端に少ないというわけではない。
この12月はFNSに備えるという意味もありやや少なかったが、夏フェス真っ盛りの8月には15本のイベント出演があった(公式カレンダー参照)。
しかし、それらのイベントの半分以上が北海道で開催されているため、東京でのイベント出演はたったの5本しかないのだ。
つまり、地理的制約があったおかげで、多数を占める東京のオタクにとってタイトル未定はまるで地上アイドルのようにライブを見る回数が限られたグループになっていたのだ。
結果として、タイトル未定のライブを見る時にはいつも新鮮な感動が得られていた。少なくとも私は、タイトル未定のライブを見て心の底から笑えなかった試しが無いほどに。
また同時に、地理的制約が程よい距離感で応援することを許容してくれる免罪符になっていたため、行けないライブが続いても気持ちを切らさずに応援を続けることもできた。
タイトル未定は、ライブアイドルでありながらも地上アイドル的な応援の仕方を可能にしたことで、結果としてより多くのファンを獲得し、維持することに成功していたのだ。
その溢れんばかりの魅力があってこそではあるが、コアなオタクだけでなく、ふんわりとタイトル未定というグループに好意を持っているファンが非常に多くいる状態が作られていたと言える。
そしてそれこそが、タイトル未定自身が今後より強化していくべきポイントであり、ライブアイドルが売れるために目指すべき道なのではないか、と考えている。
「地上ライブアイドル」
これまでのライブアイドルは、「ライブをたくさんやること」が当たり前であった。
そしてもちろんそれ自体が間違っているわけでは全くない。自分もライブが大好きだし、ライブでしか得られないものがあるし、その機会をできるだけ増やしてくれることは嬉しいことでもある。それをコアの価値に置くようなグループも大歓迎だ。
しかし、ライブアイドルは「ライブ活動が最も価値を持つようなグループ」であって、必ずしも「ライブをたくさんやるグループ」である必要はないのだ。
ライブの価値を高めるためにあえてライブの数を絞り、その時間をレッスンやその他の活動にあてるという考え方だってあっていい。
本当に大きなグループになりたいのであれば、どこかのタイミングでその方向に舵を切ることが必要なのではないか。
少なくとも、今のライブアイドルのライブ数は過剰だと個人的には思う。
平気で毎週のように平日の昼間から対バンが何本も組まれている現状は、ライブを大切にするという考えにはあまりそぐわない。
「ライブで知ってもらいたい」と言いながら、同じようなメンツすなわち同じような客層の対バンを繰り返すのは(活動初期を除き)ナンセンスだ。
ただ難しいのは、そのバランスである。
ライブを減らせばそれだけ目先の売上も減ってしまうのは明らかである。
だから多くのライブアイドルがライブ数を減らせずにいる。
そこをどうバランスを取りながら勇気を持ってライブ数を絞りつつ売上を落とさぬよう仕事の幅を広げていけるかが、運営の力の見せ所であり、グループの真価が問われるところだろう。
その方法論に定石は無いが、少なくとも「TikTokでバズり待ち」をしながら過剰なライブを続けているだけでは、そうそうたどり着けるものではない。
タイトル未定は、「目下の利益を捨ててでも北海道を大切にし続ける戦略」と「メンバー・運営ともにストーリーを分かりやすく共通言語化する能力に長けていたこと」が、「パフォーマンススキル」や「楽曲の良さ」といった地力を活かすことに繋がったのだ。
まとめると、アイドルには以下のようなタイプがあると言える。
メディア活動を中心に据え、低頻度で大規模なコンサートを開く「メディアアイドル」(その上澄みがいわゆる「地上アイドル」)
より広く売れることを目指し、ライブの数を敢えて絞るなどしてライブの1本の価値を高めつつ、一部メディア活動もまじえたライブ以外の方法でリーチと売上を伸ばす「地上ライブアイドル」
MAXで武道館程度の集客を目指し、あるいは一定の動員を維持しながら、ライブの質を高めて適度なライブ数で長く活動することを目指す「ライブアイドル」
とにかくライブ/特典会の総量を増やし、それぞれのファンとのコミュニケーションの密度を高めることによって人生を支えあう「地下アイドル」(地下アイドルでも武道館程度の動員にはたどり着きうる)
この全てにそれぞれの役割・価値があり、私はその全てをアイドル文化として尊重している。
しかし、こと「売れる」ことを考えるのであれば、メディアアイドル以外が目指すべき道は「地上ライブアイドル」のようなポジションなのではないか。
そしてタイトル未定は、まさにそのポジションにたどり着きつつある稀有な存在なのだ。
あとがき
先日、タイトル未定は新たに2人の新メンバーを加えて5人の新体制になることが発表された。
その新体制初のライブは2025年1月25日に札幌で行われるので、ぜひ可能な方は足を運んでほしい。
この記事では十分に語ることの出来なかったタイトル未定そのものの魅力が体感できるだろう。
なんといっても、タイトル未定はライブを一番大切にする「ライブアイドル」なのだから。
しかしタイトル未定は、必ずしもその1回のライブを逃したからといってあなたを置いていくようなグループではない。
あなたのペースで見たい時にライブを見ればよいのだ。
どんなライブでも、いつだって今が特別だから。
ライブで会えなくとも、心を言葉にしてくれるから。
この世界にアイドルがいる今日という今日が、何よりも素晴らしい今日だ。