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アリス コンサート2024 ALICE FOREVER〜アリガトウ〜

悲しみが消えない。
今でも胸が苦しく締め付けられて、鼻の奥がツーンとしてくる。

「なんでお前は逝ったんだ!」
「みんな、助けてくれー!」
ベーヤンの涙の叫びがリフレインする。

いつも飄々と歌っていた「あなたがいるだけで」を、歌詞を変え、メロディラインも変えて、初めてチンペイ個人に向けて「寂しいよ、もう一度逢いたいよ」と感情を吐露したキンちゃんを想う。

この日、確かにチンペイは居た。
恐らく、この場に居た全ての人に別れを告げる為に。
だから、どんな形であれ3人の最後のライブになるこの武道館と10月の大阪城ホール。
ここをもって、アリスは完結する。
かつてチンペイ自身が言っていた。
「この3人の1人でも欠けたらもうアリスじゃない」
そう考えると、去年の10月8日でアリスは終わっていたのだ。
アリスが活動停止を決断して後楽園球場のラストに向かっていた頃、これもまたチンペイが言っていた。
「一つ一つの曲を、雛人形を箱にしまっていくように、丁寧に丁寧に歌い終えていく」
今回の武道館と大阪城ホールの2本のライブは、遺されたベーヤン、キンちゃん、集ったファン全てがその想いと共に自分の心の箱の中に思い出の数だけ、アリスへの想いと感謝を仕舞うための場なのだ。

悲しい。
胸が苦しい。
でも、それでもチンペイへの「ありがとう」の気持ちが、青臭い思い出と共に湧き出て来る。
初めて「冬の稲妻」を聴いた時の衝撃。
チケットを買う為に徹夜で並んだ冬の夜の事。
活動停止を「解散でしょ」と鼻先で笑われた日の悔し涙。
時を経て還暦の彼らからのメッセージ「Going Home」の感動。
当時某局で番組制作をしていた自分は、アリス復活の特集を組ませてもらい、唯一無二の接点を持ったのだった。
そう、苦しい時、辛い時、嬉しい時、どんな時にもあなたの、あなた達の歌があった。

勇気を、ありがとう。
笑顔を、ありがとう。

これからは、貴方の想い出をなぞりながら、ベーヤンとキンちゃんを応援し続けようと思う。

ありがとう、谷村新司。
ありがとう、アリス。

生まれ変わっても必ず貴方達のファンになる。
それが自分がただ一つ、貴方達へできる誓いだ。

さよならは言わない。

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