拝啓、花織ことは様
お元気でしょうか?
貴女が戦いを終え、京都に帰られてからもう15年になります。
ご存知かもしれませんが、貴女とよく似たタレントさんはとても素敵に歳を重ねられて、俳優業のみならず仕事の枠を広げてファンを楽しませてくれています。
戦いの中では、殿よりもむしろ歳の近い千明とのコンビが注目されていた感がありますが、自分はいつでも殿をまっすぐに見つめる貴女の瞳を「とても素敵だな」と思い続けていました。
それが幼いながらも殿への愛を表すものだったら素敵だよなあ、などと考え、可愛らしいロマンスを期待したりもしていたのです。
まあ物語はそんな展開などする余裕もなく、後半に行くに従って等しく皆が殿の過酷な運命の渦に巻き込まれていったのですが‥
それでも戦いを終えた後のあの爽やかでちょっと寂しい別離の場面でも、貴女の瞳は殿をまっすぐに捉えていましたね。
あの時自分は殿が「ことは!」と呼びとめて何かしらの展開があるのではないか、と淡い期待を抱いたものでしたが、そんな事もないまま、爽やかに皆それぞれの場所に散って行ったのでした。
それから15年、最近になって貴女がどうやって歳を重ねたのだろう?と考えるようになりました。
15年の節目に、貴女や他のメンバーの姿を見たいと思うようになったのです。
できれば、自分の勝手な期待としてですが、殿の隣で静かに微笑む貴女の姿を見られたら、きっと「ああ、ことはのまっすぐな瞳は殿への愛情と信頼の証だったのだ。」と納得できる気がします。
大人になった貴女の素敵な笑顔を、今一度他メンバーと共に見てみたい、というのは叶わぬ夢でしょうか?
どこかでそんな貴女にお会いできたら、時を経た侍戦隊の姿が見られたらと、淡い期待を込めた、15年目のラブレターでした。
敬具