021_20230125_宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する
前置き
相方が読んでることを知ってるん作品です、というか「相方が言うてたから読んだ」やつを説明します
ちょっと事情がありまして…とある動画で少し喋ってるのですけど、それが近日公開ということで
のちに公開される動画で「へー、知らんかったすわー」みたいな白々しいリアクションしてるのみて訝っていただければ
掟破りの「追い越しで生放送が編集中動画を抜く」というね、嫌がらせのようなことをやっていましてですね…
ということで、今日はネタバレ全開で行きます
作品情報
「すずの木くろ」さんによるライトノベルを原作とし、「今井ムジイ」さんによる作画でコミカライズされています。
小説は、2010年8月から「小説家になろう」というサイトにて開始、2014年7月より「モンスター文庫(双葉社)」より紙の小説が刊行されており、現在15巻続刊で、160万部を売り上げています
今回読んだ「漫画版」と呼ばれるのは、漫画サイトの「ComicWalker」で連載中
Amazonにて、1巻Kindle版は644円・紙は715円で変えます
既刊12巻で続刊中
漫画にスピンオフがあり「宝くじで40億当たったんだけど異世界に移住する〜マリーのイステリア商業開発記〜」というのが、今度は小説版の「双葉社」の「がうがうモンスター」というサイトと、スマホアプリの「まんががうがう」で連載中
導入
いつもなら説明長いんですが、今日はめっちゃ簡単です。
まず、主人公の青年(25歳)は、宝くじで40億円アテます
この間1コマです
現世の「お金クレクレ亡者」たちがうざくなり、田舎に先祖の屋敷があるって聞いて行くと、屋敷の中に鍵が付いた部屋を見つけるんですが、触れた瞬間に鍵が砕けて落ちます
この間5ページ
その部屋が通路みたいになってて、その先に光が見えるので行ってみます
するとスマホが圏外になる「中世ヨーロッパの田舎風の村」に着きます
娘さんが「父のためのクスリを売ってくれるんですか?」と涙ぐんでます
手荷物に持ってたリポDやら胃薬やら渡します
翌日何故か、娘さんの父は全快します
娘さんは感激しますが「村の全員に分けてください」という
帰って、24時間スーパーから桃缶だったりりぽD だったり塩だったり梅干しだったりを大量に買い込みます
近所にあったリアカーでそれらを大量に村に持ち込みます
皆にまきます
少女は感謝の言葉とともに、つぶやきます「ありがとうございます、グレイシオール様」と
ここで一話と数ページ
この後、この村に住み込んだり、現代の農機具持ってきたり、組み立て式水車持ってきたり、領主様にであったりしますが、主人公はこの世界をどうする気なんでしょうねえ…
みたいな話です
観想
ざっくり言うと「主人公が軍人じゃなくて、世界にゲートの存在をバラす気もない、一方通行の「GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」」みたいなもん
ま、自分は神の視点でいろいろ問題解決しながらハーレムってのは、ありふれてる上、既視感凄いですが
これほど「タイトルの設定が生きない作品展開」も珍しい
いや、重要なファクターなんだが「1コマ目で出てくる」のに「読んでたら忘れる」設定
「異世界で頑張らなければならない動機」と「異世界で頑張れる環境」を用意したかったから、この「40億持ってる」っていう部隊装置が必要だったのかなって思います
まず、この作品って「現世で死んで異世界に転生する」でもなければ「異世界に転移する」でもない
「帰れない」でもなければ、強烈な「帰りたい!」って気持ちもなく、カジュアルに「帰れる」んですよ
普通であれば「現世に帰れる」「現世に再び転移できる」ということを希望や使命として、そのためにいろいろ問題とたたかってくことが多い
が、この作品「カジュアルに行き来できてしまう」んですよ
てことは「異世界が嫌になる」か「現世に優先すべき用事が出来る」と、ストーリーが終わってしまう
まあ、ストーリーが進むと「なっがいこと現世に居る」って展開が今後あるかもしれませんけど
そのため、制約はあれど
「現世で社会的に責任のないモラトリアム」
「持ってけるものに制限は無い」
「現世側ではなんでも手に入れることが出来る」
という「主人公の立場」を舞台装置として作る必要があった
主人公が「有利すぎる」から「制約の設計」がびみょーーーにしてある
「ゲートは狭い」から持ってけるものは有限
「異世界側からは、人を連れて行くことは出来ない」
その「作品の展開を作り出す」ために「制約はずし」と「新たな制約」と「動機」を用意する必要があった
ま、長いこと読んでも、動機は「良い人」「責任感」と「巻き込まれたから」「興味」ぐらいしか今のところ無い
ヘビーな事を強いられる割には、動機は弱いなって今も思ってますけどw
で「転生」「転移」とかしてないから「神様からチートもらう」みたいなことが出来ない
で「どういう要素をチート的にするか」の設計を頑張った…のではないかなぁと
普通は「能力かパラメータを強めにしといてくれる」か「現世ですでに何かのプロフェッショナル」か、ってことが多いと思うけれど
そういう意味では、個人のパーソナリティーとしては何もない
一つは「現世と異世界の食べ物の栄養価がミラクルに違う」にしたみたいです
異世界人には「現世人の食べ物は、人智を超える栄養価」である
クスリ与えたらたちどころに病気は治り、普通の食事を与えれば超人と化す
現世人には「異世界の食べ物は、全く栄養が無い」ので、餓死してしまう
とはいえ「食物の形状は変わらない」し「異世界人が触るとダメ」とかはないので、持ち込んで調理とか出来る
もう一つのチートは「現世からの物品を持ち込める」ところ
自身は知識は一般社会人程度なので、「現世で学んだり教わったりしながら」とか「本自体を持ってくる」とか「設計図を作ってもらって」だとか、なんかなんか「背伸び」する必要はあるけど
ゲート的なものが小さいので、軽トラ一台分と数で稼がないといけないが、知識と物品は持ち込み放題である
燃料とかもフツーに持ち込めるし、物理法則に違いはないので、石灰やセメントなども現地生産出来る
ただ、主人公が「世界の秩序と文明の維持が大切」って考える基本的には良い人・良識人なので、逆に持ち込みや高度文明の濫造はセーブするほう
そういう、主人公の「制約と自由」を設定上で整理することにより、本編の作劇に集中できるようになってて、読むほうもストーリー側に集中できる
とはいえ、やってることはハーレムモノとラブコメとマイクラとシヴィライゼーションとシムシティと「俺またなんかやっちゃいました」の繰り返しですけどね
あんまり「世界の謎」を解こうとか、グイっと奇跡の力を使って問題解決、とかしないです
面白いなって思ったのは、主人公が「私は神だ」「お前だったのか」を地で行くところ
よく在る展開としては「以前、この世界に来た伝説の神様にそっくり」みたいな話が在ったとしたら「私はその神ではない!」みたいな交渉をして、人として現地の人と仲良くなってく、みたいなのが多い
もうめんどいし殺されそうやから「私が神です。持ち物これです、実績これです、ね?神でしょ?信じてもらえました?」ってやるとこ
で、最も親しい人々には「人間」ってバレてて、ちょっと近しい人には「神」ってことにしてて、その他大勢には「人間」ってみせてる、という三十構造になってる
作品中、ずーーっとブレずに「少女漫画のヒロイン」の文法を貫いてるキャラが居て、好感持てる
初対面に主人公に助けてもらうことでガチ恋勢になって、ずっと一途でぞっこんで、主人公の近くに居るために超人的な努力で成長して、実際に片腕になるべく押しかける
これって「クラスのナニハヤくんに少しでも追いつくために、貞子こと私もがんばらなきゃ!」の君に届くんだか届かないんだかわかんないすけど、あの王道少女漫画シナリオの「スケールおかしい版」なんですよね
そういうのは作品に「前向き感」くれるし、そのキャラはこの作品に珍しい「情念の人」だったりする
というとこがあって、娯楽作かつ人死にがあんまでないかつ前向きで在り続けるから、読んでる方も前向きな気持ちで安心して先へ先へよみすすめられるなーと
自分は凄い好きな部類の作品
まとめ
異世界ものでも「世界救う使命」もなければ「過酷な運命に抗う」必要もない、草食で前向きな娯楽作を読みたければおすすめ
おそらく「サクサク読める」の部類のマンガだろうと思う、ストーリーを読み進めるための整理が聞いてる
話が少しスローテンポかもしれないので、劇的展開とヒーロー譚を読みたい人には向いてないかも
最後までお読みくださり、ありがとうございます!
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