フットゴルフワールドカップ2018回顧録⑦~総括~
※本投稿は、facebookの投稿を再編集したものです(写真の選手は、今大会個人3位入賞の、元サッカーアルゼンチン代表のロベルト・アジャラ)
~fifg footgolf world cup 2018 in marrakesh~
個人 298位
団体 ベスト16(チームランキング10位)
今年一年、この舞台に立ち、結果を残すことを目標に頑張ってきました。30kgを1回しか持ち上げられなかったレッグプレスは、100kg×100回×3セットが基本メニューになりました。1時間以上かかった7.5kmのマラソンコースは、40分で走れるようになりました。退院時、ベッドの縁に30秒座ることから始めたリハビリ(私の闘病についてはこちらをご参照ください)のことを考えれば、良くここまで身体を戻せたなと思うし、まだまだやればできるということを身をもって体感した一年でもありました。努力の甲斐もあって、モロッコでは、がんになって15年経った中で一番良いキックができたし、そこから見える景色は、今までとは全く違うものでした。
でも、だからこそ見えたものもたくさんありました。世界への挑戦は、自分が想像していたよりずっと厳しく、そして険しいものでした。パットのたびに足が震えました。キックのたびに呼吸は乱れ、心拍数が上昇しました。あんなに辛いフットゴルフは、初めてでした。
上を目指せば目指すほど、その高みに気づく。当たり前のことですが、今までは闇雲に、目指すべき目標もわからず、ただただガムシャラに突っ走っていただけだったんだと、大事なワールドカップの舞台に立って初めて気づかされることになりました。こんなにも自分の無力さを痛感する大会になるとは思ってもみませんでした。
それでも、得たものもたくさんありました。思っていたよりも世界の頂点は遠くなかったし、日本の成長は世界のそれよりも早いことを実感できました。日本の技術は、日本の魂は、着実に世界に通用していました。
唯一、結果を残す為に足りなかったのは、経験だと思います。大舞台、海外遠征、複数日競技、ムービングサンデー、追われるプレッシャー、団体戦、外国人からの執拗な英語攻撃(笑)などなど。これらは、この先フットゴルフを続けていくならば必ず乗り越えなければいけない壁です。一つ一つ丁寧に克服していくしかありませんが、でも、経験すれば、必ず克服できるとも思っています。
15年前、がんになって医者から「治ったら健常者として生活はできるけど、サッカーや運動を今まで通りにやるのは厳しい」と言われたとき、いっそのこと障がい者にして欲しい、パラリンピックに出れる身体にして欲しいと思ったこともあります。それほどまでに、才能もない、努力もできない、自分のような人間ですら、スポーツの舞台から遠ざかることはとても簡単には受け入れられるものではなかったのです。でも、フットゴルフという競技が生まれ、ワールドカップという舞台ができたことで、健常者と障害者の狭間に取り残された自分のような人間が、再び競技スポーツの世界に戻り、世界を目指せるようになりました。そして、フットゴルフを通じて改めて、スポーツの素晴らしさに気づくようになりました。
ありがとう、フットゴルフ。
夢のような二週間、本当に楽しかった。またあの舞台に立ちたい、と心の底から思います。ワールドカップが終わったらゆっくり今後について考えようと思っていましたが、今なら自信を持って言えます。
カップに入ったボールを拾おうとしゃがむたび、貧血で立ちくらみがします。ラウンド前には最低二日はトレーニングをしないと18ホール回りきれないほど体力は落ちています。それでも、この素晴らしいスポーツを、少しでも広め、その楽しさを分かち合いたい。そして、日本を世界一のフットゴルフ大国にしたい。
だから僕は、これからも「一生フットゴルフします!」
最後になりますが、今回代表に選んで頂いた協会の皆様、ご支援頂いたスポンサーの皆様や関係者の皆様、そして一緒にモロッコに行き、世界と闘ってくれた選手の皆様、休みの間ご迷惑をお掛けした仕事関係の皆様、本当にありがとうございました。
ちなみに・・・
個人戦に優勝したのは、アルゼンチンのマティアス・ペローネ選手でした。
地元アルゼンチンではお笑い芸人として生活をしていた、記録より記憶に残る名選手。プロフットゴルファーとして世界を転戦し、世界中のフットゴルファーからリスペクトされている彼が優勝したのはフットゴルフ界にとっては本当に良かったと思うし、今回の優勝は、彼にしかできない快挙だったのではないかと思います。いつかマティに勝つことを夢見て、これからもトレーニングに励みたいと思います。本当におめでとうございます。
~フットゴルフワールドカップ2018inモロッコに関する記事はこちら~