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誰かが必ず見てくれている理由 〜アメリカライブツアー10日目(最終日)〜
2024年11月16日。
このツアー最後のライブの日。演奏が終わったらそのまま帰国のため、出かける準備と帰り支度を午前中から同時に進める。
2日前から共同生活を送っていたsalsaとも今日でお別れ。彼らは約1ヶ月かけて州をまたいだライブツアーに出かける。北はシアトルの方まで行く日もあるという。
自分たちのツアーに同行してくれたロバートも、この日からはsalsaのツアーマネージャーとして色々な街に行くので彼とも今日でお別れ。出発するまでの間、みんなで写真を撮った。salsaのみなさん、日本でもやりましょう。ロバート、本当にありがとう。
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最後は盛大に…。
14時半頃に出発。今日はサンアントニオから北へ約500km、4〜5時間かけてデントンという街に移動する。最後の日に同行してくれるのはもう一人のツアーマネージャーであるデービットだ。
渋滞もなくひたすら北上する。17時半頃にデービットが疲れたので休憩。休憩は大切だ。でもデービットさん、結構ちゃんと寝るみたい。あと300kmあるけど?あと3時間かかるけど時間的には大丈夫なんですよね…?
結論から言うと、会場に到着したのは20時頃。2番目に出演予定だったらしく、これっぽちも間に合ってなかった。最後の最後に盛大な遅刻。
ただ、こういうことはよくあるのか、それとも気にしないカルチャーなのか、「待ってたよ!よく来てくれたね!早速準備して後は頼むぜ!」くらいなトーンでお出迎えを受けた(と思う)。
今日の会場である「Rubber Gloves Rehearsal Studio」は敷地の中に屋外ステージ1つと建物の中にも2つのステージがあって、屋内でもライブが行われていた。自分たちが来ていなくても、お客さん的には時間をつぶせる状態ではあったみたいだ。ちなみに「リハーサルスタジオ」と銘打ってはいるけど、そういう部屋は見当たらなかった。
そしてjohannが演奏するのは屋外ステージの方で、この日はポストロック系のバンドが集まるイベント「Plus Fest」という企画だ。このツアーで2回共演した超絶2ピースインストバンド「Rob Ford Explorer」と「Floral」も一緒。2組とも遅刻しないでちゃんと来ていた。
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開き直ったらゾーンに入った。
だいぶ遅刻したのでバタバタしたし、しかも最後の最後でベースが不調で、ノイズが乗るようになってきた。そろっと弾けばなんとかなりそうだったので、あまり派手な動きはしないで乗り切ることにする。
※ベースが不調な理由は1日目の記事にあります↓
あとはアレコレ悩んだり環境のせいでテンパるのはやめた。始まったらその場の状況に合わせて演奏したり、その時気がついたノリを出していけばいいやと開き直ってライブ開始。
あまりアクティブには動けないけど、その分無駄な力を全く使う必要もなく、その曲が持つカラーや想いを把握した上でサウンドに乗せてはいるけど、フィジカルは効率よく動いている感覚があった。大げさに言うとゾーンに入ったかのように、何もかもがクリアだ。
「誰かがきっと見てくれているよ!」に至るプロセス。
こうなると時間感覚もバグるようで、気がついたらライブが終わっていた。40〜50分くらいやったけど、体感としては10分弱。でも、客足や歓声がタイムラプスのようにどんどん増えていったのだけは覚えている。
「最後開き直ってやっちゃったから大丈夫かなと?」心配だったけど、持ってきていたグッズもほぼ捌けたくらい評判は良かったみたいでホッとする。これでアメリカでの演奏は終わった。
悩んでも状況をコントロールできないなら、その時自分が持っている武器でベストを尽くせばいい。そこに「こうしたい、こうなりたい」という素直な想いを行動(この場合は演奏)に乗せて、誠実にアウトプットを重ねれば、誰かが声や手を上げてくれる可能性は少し上がる。そうやって状況を変えていくのは、演奏だけじゃなく、世間一般のお仕事や人間関係にも当てはまるのかもしれない。「誰かが必ず見てくれているよ!」なんてよくある慰めの言葉は信用していなかったけど、こういうことなのかもと思った。
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覚えたてのdefinetryを添えて。
その後はこのツアーで3度目の共演となる2バンドRob Ford ExplorerとFloralの超絶テクニックに見とれる。変拍子のオンパレードなんだけどノリやすいのはなんでだろう?質問する会話力はないので、日本に帰ってからの宿題だ。ちなみにFloralはSpotifyで数百万回再生を叩き出しているらしい。
イベントが終わってからは、出演者さんたちと話したり片付けをしたり。とりわけRob Ford Explorerのギターさんは先日と同じく褒め上手で相変わらず話しやすい。来年日本に行くかもと言っていたので、覚えたてのdefinetryを添えて再会を約束する。絶対また会いたいね。
※どんな褒めっぷりだったかはツアー7日目の記事にあります↓
0時半頃に会場を出て、初日にも行ったドンキホーテみたいなデカさなのにコンビニを自称する「バッキーズ」に寄ってダラダラ休憩&買い物。その後はダラス・フォートワース国際空港までデービットに送ってもらう。
3時頃に空港に着いて、あとは飛行機に乗るまでひたすらここで待つだけ。最後にデービットとみんなで写真を撮って、再会を約束してお別れした。
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旅の締めはスシローで。
日付が変わった11月17日の朝7時にチェックインして、審査も無事通過した後はゲートの向こう側で搭乗まで待機。マクドナルドがあったので朝マックをキメる。
こちらではセットという概念がないらしいので、日本でいうソーセージマフィンセットと同じラインナップを全部単品で購入。お会計は1000円以上。味は日本と一緒だった。
10時頃に離陸。行きと同様に機内食をすっぽかすくらい寝て、成田空港に着いたのはさらに日付が変わった11月18日の14時半。全員で感傷に浸るというよりは、労をねぎらいつつも割とサクッと解散。そりゃそうだ、疲れてるに決まってる。
大荷物で電車移動する元気もなかったので、キーボードの後輩と車で帰ろうということになり、急遽レンタカーを手配。コンパクトカーだったので荷物が入るか心配だったけど、テトリス感覚で収納に成功。
最寄りの高速に乗る前にスシローを発見。2人で結構な量を食べる。ここでやっと日本に帰ってきた実感がわいた。しょうゆとわさびとお茶は偉大だ。
日本の高速道路のサイズ感やスピード感に懐かしさを感じたり、途中で見えた東京の夜景やスカイツリーに安堵感を抱きつつ、途中で後輩を降ろして20時頃に帰宅。こうして初めてのアメリカツアーは無事終わった。
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最後に読んでくださった方へ
これでアメリカライブツアーの振り返りは終わりです。駄文・長文失礼しました。
つたない日本語と語彙力を振り絞った素人の記事に「スキ」をつけてくださった方々、ありがとうございました。
特殊な旅なので参考にならないでしょうし、今後のネタも見当がつきませんが、お目汚しにならない程度に更新できたらと思っています。
「帰国したらもっと色んな余韻を感じるのかな」と思っていたけど、帰宅したら自分の体が部屋にすぐフィットして、寝る前には完全に渡航前の日常の感覚に戻っていました。次の日から今に至るまでずっとです。達成感はもちろんあるんだけど、なんかもったいない気もしています。
こりゃ、もう一回行かなきゃダメかな。海外での演奏をサポートしてほしいアーティストさんやバンドさんがいらっしゃったら、ぜひご連絡ください。もちろん日本国内でも大歓迎です。
そして、サポートの依頼をくれてアメリカまで連れていってくれたjohannというバンドに感謝します。ありがとうございました。
<終わり>