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2024年に予測される7つのテックトレンド(2024/02/09、ニュースリリース)

※キンドリルからニュースリリースが来ました!

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2024年に予測される7つのテックトレンド
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生成AIが引き続き新たなチャンスを切り開く一方で、他のITトレンドが業界やビジネスの意思決定を再構成

2023年は生成AIが大きく飛躍する年になりました。そして、すべての予測において、生成AIが今後数カ月にわたり、さらに多くの方法でビジネス成長を促す兆しが見えています。

IDC社が発行した予測 < https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS51310423 > によると、企業の生成AIソリューションへの支出は、2023年が160億ドルだったのに対し、2027年には1430億ドルにのぼると見られています。世界最大級の企業に関しては、中心となるIT支出の40%をAI関連の取り組みに割り当てることが予測されています。

キンドリルのアプリケーション、データ&AI < https://www.kyndryl.com/jp/ja/services/data > のグローバルプラクティスリーダーであるニコラス・セッカキ(Nicolas Sekkaki)は次のように述べています。「世界中の大企業はこれからも、生成AI < https://www.kyndryl.com/us/en/services/data/generative-ai > を含むAIツール、およびソリューションを、より広い範囲のモダナイゼーション計画に取り入れる機会を探っていくでしょう。生成AIの潜在能力はリスクをはるかに凌いでいるというのが、業界一致の意見です。ただし、経営幹部はリスクを注視していますし、テスト作業や革新が進むにつれて、プライバシーの確保、知的財産の保護、データ漏えいの阻止、コストの有効活用について、対話やコンサルティングの機会が増えていくでしょう」

その一方で、スマートクラウド戦略、気候変動に対するテクノロジー利用、セキュリティやレジリエンシーの強化など、他のトレンドも今後1年のテック業界の状況や、意思決定について影響を与えるでしょう。

ここからは、キンドリルのグローバルプラクティスリーダーからの独自の視点として、主要トレンド、そして企業が2024年を乗り切るためにどのような道のりを歩むべきかを共有します。


■トレンド #1: 新しい働き方が企業文化やテクノロジー、ワークプレースの変革を促進

重要である理由:企業が、部分的なハイブリッド勤務に基づいたエコノミーに備え始めたのは数年前です。それ以来、デジタルアジリティに対する需要は加速する一方です。キンドリルのデジタルワークプレース < https://www.kyndryl.com/jp/ja/services/digital-workplace > のグローバルプラクティスリーダーであるイバン・ドプレ(Ivan Dopplé)は、次のように述べています。「デジタルワークプレーステクノロジーへの投資を継続し、効率性、セキュリティ、処理能力を向上させることに加えて、世界中の企業は、エクスペリエンスにも重きを置くことになるでしょう。人材不足の中でも潜在能力を最大限に発揮できるように、企業はシステムやツールに今すぐ投資すべきです」

確かに、リモートでも対面でも、両方ある場合でも、有能な働き手は協力的な企業文化を持つワークプレースを求めています。それは、大半の人にとっては、自分に共感してくれて、多様性を尊重し、キャリアの主導権を自分が持てるようにしてくれる(それを推奨する)企業で働くことを意味します。AIやクラウドのような技術がこれらのトレンドを後押ししていますが、企業としては、これらの技術を社員中心の戦略に統合し、優秀な人材を引き付けて維持する必要があります。明確な目標と適切な価値観があれば、企業はチームを構築し、帰属意識を強化し、日常業務を遂行する際に起こる摩擦を解消するための技術を導入できるでしょう。


行うべきこと:

✓ 社員に対して、ビジネスプロセスや摩擦や障壁、全体的な仕事の満足度に関する調査を行い、指針となるフィードバックを得る

✓ 企業文化を見直し、インクルーシブな環境と生産性を促進するような目的と価値観を設定する

✓ 会社のビジネスを理解し、投資を保護するためのスケーラブルで業界最高のAI対応ソリューションによって協力してくれる、パートナー企業と協働する


■トレンド #2: AI導入の重要な要素としてデータガバナンスが浮上

重要である理由:誰もが高みを目指したいと思っていますが、何事も強い基礎がなければ実現することはできません。企業と生成AIにおいて、基盤はデータを意味します。データ管理の社内スキルを持たない企業には、ビジネスプロセス、業界に最適な最高品質のアプリケーションと、データガバナンスについての専門の知識があり、信頼できるパートナー企業が必要です。そのような基礎があってこそ、AIを導入したIT資産から本質的なビジネスの価値を生み出せるようになるのです。アプリケーション、データ&AI < https://www.kyndryl.com/jp/ja/services/data > のグローバルプラクティスリーダーであるニコラス・セッカキ(Nicolas Sekkaki)は次のように述べています。「AIを実行するためには、適切に整理されたデータの準備が必要です。全速力で走る電車に乗っていると考えてみてください。そのスピードの維持に線路は欠かせません」

行うべきこと:

✓ 適切な質問によって、御社が望むビジネス成果を定義する

✓ 包括的なデータ戦略やガバナンスとともに、データプラットフォームを構築する

✓ AIによって未来に投資する

“AIを実行するためには、適切に整理されたデータの準備が必要です。全速力で走る電車に乗っていると考えてみてください。そのスピードの維持に線路は欠かせません”

ニコラス・セッカキ
アプリケーション、データ&AI グローバルプラクティスリーダー


■トレンド #3: よりスマートなクラウド戦略によって、企業はコスト上昇に対応

重要である理由:システムの可視性、サイバーセキュリティ、接続されたIT環境全体にわたりAIを展開する能力という点において、クラウドには明らかなメリットがあるにも関わらず、パブリッククラウドの導入ペースは若干鈍化しています。キンドリルのクラウドサービス < https://www.kyndryl.com/jp/ja/services/cloud > のグローバルプラクティスリーダーであるハリッシュ・グラマ(Harish Grama)は、次のように述べています。「昨年は減速しましたが、クラウドの成長は確実に続くでしょう。ビジネスリーダーは、今後生成AIの実装方法を検討し、効率を重視してワークロードとアーキテクチャを慎重に検討することになります。クラウドで価値を高めるには戦略的な取り組みが必要だという現実が見えてきました」

また、スキルのギャップも存在します。ハイブリッドクラウド環境は、操作訓練を受けたオペレーターが定年退職を迎えても、多くの基幹インフラ業界にとって重要であり続けるメインフレームを管理することを可能にします。そのため、クラウド環境から離れるのではなく、最大のメリットと費用対効果を得るべくクラウド環境を設計し、管理することが最善策となります。

行うべきこと:

✓ パブリッククラウドおよびハイブリッドクラウドの環境によってコストを抑制し、スキルのギャップを管理しつつ、必要なビジネス成果をもたらすような将来像を計画する

✓ 急速に変化するIT環境に対して後手に回らず、先手を打てるような長期的なクラウド戦略を策定するための支援を受ける

✓導入前であっても、生成AIのトレンドと実体験について把握しておく

編集部注:ハリッシュ・グラマは2023年に12月に他界しました。キンドリルは、彼の思慮深いリーダーとしての功績を讃えて、本記事では2024年のクラウド業界に関する彼の視点を共有しています。


■トレンド #4: メインフレームはハイブリット環境の一部として、関連性を維持

重要である理由:企業がワークロードやデータの全体をクラウドに移行するという予測は、少し言い過ぎであることが分かりました。本来の進むべき道は、ハイブリッドアプローチであることは明らかです。 そして、メインフレームは健在です。メインフレームは最新であり、世界中が日々頼りにしている産業の「失敗は許されない」という要求に対応できる、唯一のプラットフォームであり続けています。キンドリルのグローバルプラクティスリーダーでコアエンタープライズとzCloud < https://www.kyndryl.com/jp/ja/services/core-enterprise-zcloud > のペトラ・グーデ(Petra Goude)は、次のように述べています。「以前は、誰もがメインフレームをクラウドに移行しようとしていましたが、今では、プラットフォームを適切に活用する方法や、維持すべきワークロードと移行すべきものを判別することが大切です。しかし、歴史は繰り返されることはご存知でしょうか。誰もがすべてをクラウドに移行しなかった理由は2つあります。実行される移行容量が大きいことと、コストがかかるためです」

確かに、メインフレームはAIやIoTに必用な膨大なデータ容量を管理できます。しかし、メインフレームは経験豊富なオペレーターの手によってのみ、驚くべき力を発揮します。だからこそ、最高のメインフレームスキル を備えた人材と協力することは、この比類のないプラットフォームのスーパーパワーを頼りにしている企業や政府にとって、今後も不可欠なのです。

行うべきこと:

✓ 適切なワークロードに対して適切なプラットフォームを採用することで、メインフレームのモダナイゼーションについてハイブリッドなアプローチを採用している95%の企業の仲間入りをする

✓ メインフレームのモダナイゼーションによって、年間9~11%の収益性向上というビジネスバリューを実現する

✓ メインフレームの適応性と成長性を信頼する。ほぼすべてのビジネス環境で価値を提供できるように、メインフレームそのものを見直す。ただし、プラットフォームの将来性を高めるのに必要な専門家のスキルを確保する


95% :メインフレームから一部のアプリケーションを移行した組織の割合。ワークロードの平均37%を占めている

メインフレームのモダナイゼーションによって、企業は平均9~11%収益性が向上


■トレンド #5: AI活用によるデバイスの急増に伴い重要性を増すデータ保護とレイテンシー短縮

重要である理由:5Gは携帯電話にとって重要なものですが、その主な価値は、工場内のロボットから自動運転車に至るまで、ネットワークに接続される大量のデバイスを低遅延かつ高速で確実、安全に接続できる能力にあります。自動運転車が「混乱」したり、時速約112キロで動かなくなったりすることなど誰も望んでいません。それは生産ラインにも当てはまります。メーカーは要求に応じて、即座に指示を修正または変更できるようにする必要があります。また、機密データや専有データなどのシステム全体のセキュリティ強度は、最も脆弱な部分に引き下げられてしまうため、システム全体の安全性を確保する必要があります。不正行為を行おうとする者が倉庫から企業秘密を盗んだり、盗難車からのアクセスを悪用して自動車生産ラインに侵入したりするのを防ぐためには、ネットワークのモダナイゼーションが必要となります。

キンドリルのネットワーク&エッジ < https://www.kyndryl.com/jp/ja/services/network > のグローバルプラクティスリーダーであるポール・サビル(Paul Savill)は次のように述べています。「現在、ネットワークに組み込まれたセキュリティ、モデルを支援するAI分析など、ソフトウェアに関する新技術が成熟し、絶頂期に向けて準備が整った段階を迎えています。AIはオペレーションを変革し、経営全般の意思決定やコスト構造の最適化方法も変えます。そのため企業は、これらの新しいテクノロジーを導入する準備としてネットワークに変更を加える時期に来ていると見ています」

行うべきこと:

✓ データセンターやネットワーク機器を含む現在のネットワークを評価し、障害に対する弱点やベンダーサポートの対象期間内かどうかを確認する

✓ データを保護しながらリアルタイムの意思決定を可能にする、最新のネットワークを運用するためのコスト削減の見込みを判断する

✓業界やビジネスの専門家と提携して、最新のクラウドネットワーキングテクノロジーを導入する


■トレンド #6: さらに増加し、巧妙になっているサイバー攻撃

重要である理由:悪意ある人間がサイバー攻撃を仕掛けて業務を停止させ、組織の優先課題を乗っ取り、評判や信頼が失墜してしまう。それが自社で起きる可能性に多くの皆さんが気づいているものの、どこか他人事のように考えている人たちも多いです。サイバー攻撃は、さまざまな業界や政府機関で一般的に起こっています。セキュリティとレジリエンスを最適化するためにシステムを最新化するには、つぎはぎや上書きレベルでは間に合わないのです。キンドリルのセキュリティ&レジリエンシー < https://www.kyndryl.com/jp/ja/services/cyber-resilience > のグローバルプラクティスリーダーであるクリス・ラブジョイ(Kris Lovejoy)は、次のように述べています。 「コロナ禍を経て、世界中の大多数の企業が、既存の老朽化したインフラストラクチャーから脱却し、存続上の理由から新しい働き方を可能にする最新デジタル機能を導入しました。しかし、その際にセキュリティ管理を省略したりスキップしたりすることがよくありました。その結果、とても古いインフラストラクチャーと、新しいものの安全ではないインフラストラクチャーが混在することになり、手を打つことが難しくなっています。この状況を改善するには予算が必要になるでしょう。しかし、レジリエンスを向上させるには、企業は環境の複雑さと老朽化を評価して、対処する必要があります」

行うべきこと:

✓攻撃者(悪意あるAIを使う可能性もある)には、弱点を(継続的に)悪用する力があるため、高度なセキュリティとレジリエンシーを備えたITシステムを実現するには、強力で最新の基盤が必要であることを理解する

✓ 少しハードルを下げ、サイバーセキュリティのトレーニング や雇用へのアクセスを拡大する。多様な視点を持つ人材が、サイバー攻撃に対する最良の武器となる

“AIは業務方法を変えようとしていますが、それは管理者の通常の意思決定やコスト構造を最適化する方法も変えることになります”

ポール・サビル
ネットワーク&エッジ・コンピューティング グローバルプラクティスリーダー


■トレンド #7: サステナブルなテクノロジーが最優先

重要である理由:環境、社会、ガナバンスが厳しい状況を迎えている中、調査によって次の事実が明らかになっています。それは、消費者は自分が支持するブランドに関心を持ち、専門家は自分の価値観と一致する企業と働きたいと考えており、投資家はこのようなリスクの管理方法で企業を評価しているということです。キンドリルのGSO(Global Sustainability Officer)兼ESCオフィサーであるフェイス・テイラー(Faith Taylor)は次のように述べています。「企業は気候変動に適応する必要があり、その一方で急速な技術変化のペースにも対応しなければなりません。テクノロジーを最大限に活用するために、ITやサステナビリティのリーダーは、現在のビジネス慣行の中に環境ソリューションを統合できるような、スケーラブルなプロジェクトを開発しなければなりません。気候変動は世界的な問題であり、私たちが変化をもたらすには広範囲にわたるパートナーシップと協力が必要です」

企業が環境目標を達成するには、サステナビリティへの取り組みにおいて自社がどの段階にいるのかを把握しなければなりません。2024年、企業は進捗状況について透明性を持たせる方法で測定し、より多くの情報に基づいたサステナビリティに関する意思決定を行うために、データ主導の仕組みを向上させるための投資を続けるでしょう。企業は今後、サステナビリティが中心になる文化を構築するためのガイダンスを必要とすることになり、二酸化炭素排出量を実質的に削減し始めるでしょう。

行うべきこと:

✓ビジネスにおける二酸化炭素排出量の削減に取り組み、同じ取り組みを行う他の企業やサプライヤーと連携する

✓環境のサステナビリティの目標を、ビジネスや従業員の目標にも結び付ける

✓必要であれば小さい取り組みから始める。できることから始めて、行動を増やしていく

ミッションクリティカルなITインフラストラクチャーが2024年どのように進化するのかについてのインサイトは、現在のトレンドに関する当社 レポート < https://www.kyndryl.com/content/dam/kyndrylprogram/cs_ar_as/predictions-2024.pdf > (英文)をご覧ください。

以上

原文
https://www.kyndryl.com/us/en/about-us/news/2023/12/biggest-tech-trends-2024

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