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【就職活動をする前に】 スペシャリストになろう!
どの企業に入っても、仕事をしていく中で必ずついてくるのがスキル(業務知識)、そしてキャリア(職務経験)です。
働く中で、みなさんがどのようなスキル、キャリアを身につけるかで人材としての価値が決まります。
この記事ではジェネラリスト(汎用型人材)とスペシャリスト(専門型人材)についてお話ししたいと思います。
1.企業の育成方針
学生の皆さんから見たら不思議なことですが、日本の多くの企業が新卒採用の時は学歴を重視しますが、キャリア採用の時はスキル、キャリアを重視して、実は学歴をほとんど気にしません。「おいおい、何それ」と思うかもしれませんが、実際そうなのです。
つまり、企業が求めるスキル、キャリアを持っていれば、新卒では入社できなかった企業にキャリア採用で転職することも可能になるということです。
「リベンジ転職」という言われ方もしていますね。
近年では、「スキル、キャリアは自分で築き上げていくもの」という認識が一般的になってきていますが、会社によって人材の作り方の基本方針は大きく二つあります。
それは、「ジェネラリスト」人材の育成方針と「スペシャリスト」人材の育成方針の二つです。これは個人では抗えない企業の重要な基本方針の一つです。順番に説明します。
(1)ジェネラリスト(汎用型人材)
一つの職種だけでなく、様々な職種(営業、人事、生産管理等)を3~5年スパンでジョブローテーションを行い、経験させて、どんな職種もそれなりに業務従事することができる「ジェネラリスト」人材の育成を目指します。
(2)スペシャリスト(専門型人材)
一つの職種に特化して、同一職種で知識・経験をずっと積んでもらい、特定の職種における専門性を高めることで、その道のプロとなってもらうべく「スペシャリスト」人材の育成を目指します。
会社によって方針が異なるので、就職活動の中で超重要な確認事項と言えます。ぜひ事前に確認しましょう。
では、なぜ会社によって人材育成の方針が違うのか?そして、どっちが良いのか?
個人的な意見ですが、私としては断然「スペシャリスト(専門型人材)」として育成された方が良いと思います。理由は下記の通り4つあります。
2.スペシャリストが良い理由
理由1:転職市場はスペシャリストを求める
今の学生の皆さんで、1社で一生の会社員人生を終える方がどれだけいらっしゃるでしょう?転職市場はどんどん規模が大きくなっており、多くの方が転職を経験することが当たり前となっていくと思います。
転職を考えた時、各社のキャリア採用の求人情報をご覧になれば分かると思いますが、第二新卒の求人でない限り、特定のスキル・キャリアを持つ方、つまりスペシャリストを企業は求めています。
残念ながら転職市場において、ニーズがあるのは、いろんな職種を経験していて、何でもできますというジェネラリスト(汎用型人材)ではなく、一つの職種を極めたスペシャリスト(専門型人材)なのです。
理由2:社内スキルと社外スキルは別モノ
企業で仕事をしていると社内でしか活かせないスキルと社外でも活かせるスキルの両方が自然と身に付いてきます。
ジェネラリストとして社内の別部署・異職種へのジョブローテーション(異動)を繰り返すと、社内で使えるスキルがひたすら身に付くだけという悪循環に陥る可能性が高いのに対して、スペシャリストは同一職種において何が社外に通用するスキルなのか、時間をかけて腰を据えて考え、行動することができます。
転職で評価されるのは当然ながら社外でも活かせるスキルなので、それを意識してスキルを磨いて、キャリアを積んでいく必要があり、この点においてもスペシャリストの方が有利なのです。
理由3:「ジェネラリスト」は会社都合の人材
上記2点、ジェネラリストのダメ出しをしてしまいましたが、ではなぜ企業はジェネラリストを育成するのか?その理由は2つです。
一つ目は、いろんな職種を経験させて、様々な視点、広い視野で会社を眺められる経営人材を育てたいからです。
ただ、他の先進国企業は選ばれし優秀層にこれを行ないますが、ジェネラリスト志向の日本の企業は全社員にこれをやってしまいます。なぜかは二つ目の理由にあります。
二つ目は、ある部署で欠員が出たり、増員が必要になったりした時、手っ取り早く社内で経験者を選定し、その部署へ異動・転勤させて対応するという人員調整が容易だからです。だから、その会社にとって使い勝手の良い人材を作り出したいのです。
自分が一つ目に該当しているのであれば、まんざらでも無いかもしれませんが、二つ目に該当したら、ちょっと腹立つ時もあるかもしれません笑
個人のメリットとしては「会社の言うことを従順に聞いたので評価(昇給・昇進)してください」と言えるくらいですね。それは今や昭和のお話。。。
理由4:会社員以外の選択肢
スペシャリスト(専門型人材)としてのスキル・キャリアが身に付いてくれば、その専門性を活かして、副業をしたり、ゆくゆくは独立・起業も視野に入れられる可能性が出てきます。
ここ数十年、一向に上がらない日本の労働者賃金、崩壊しつつある終身雇用を考えると、会社に依存することなく、自らの力で稼ぐ力は一層重要になってくると思います。「芸(スキル・キャリア)は身を助く」ですね。
今までの内容を聞いていると、「今どきジェネラリストを育てている会社なんて、あるの?」と思われるかもしれませんが、皆さんが知っている多くの超大手の日本企業を中心に普通に今でも行なわれていることです。
せっかく入社するのなら、社外に通用するスペシャリスト(専門家)としてのスキル、キャリアを身につけられる育成方針の企業を強くおすすめします。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。それではまた!