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法人の本店移転の手続きについて

こんにちは。つなぐIP株式会社CEOの
朝倉 和彦です。

2019年4月1日に起業し、2年目となる
2020年4月3日に、本店所在地を目黒区に
移転しました。

今回、東京都内で本店所在地の移転をした
際の手続きや手順を備忘録兼ねて、簡単に
まとめました。

本店の移転を検討している方や、
法人の本店移転について興味のある方へ
参考になれば幸いです。


初めに簡単な僕の自己紹介です。

2019年4月1日につなぐIP株式会社を
設立し、知的財産アドバイザー事業、
起業アドバイザー、自社メディアの運営
などを行っています。


法人の本店移転の手続き

本店所在地移転

法人の本店所在地の移転する際は、
定款の変更が必要か不要か確認
する必要があります。

【定款の変更が必要】
・定款に具体的な所在地が記載された移転
  (○区○○●丁目▲番地■号)
・定款の所在地は区までの記載であるが、
 異なる市区町への移転
  (○区→△区への移転)
【定款の変更が不要】
・定款に「本店を東京都○○区に置く」と
 記載されていて、同一区での移転である。

定款の変更が必要であれば、株主総会
での決議が必要
となりますが、定款の
変更が必要ない場合は、株主総会は
不要です。

また、本店所在地は会社法上、定款の
絶対的記載事項とされていますが、
最小行政区画(市区町村)まで定め
ればよいとされています。

なお、本店所在地の移転の手続きについては後ほど説明しますが、登記費用として以下の金額がかかります

【登記費用】
 ・【管轄内】:3万円
 ・【管轄外】:6万円(3万円+3万円)

本店所在地の移転の手続きについては、
以下の通りとなります。

本店所在地の移転手続き】
①株主総会
②郵便局へ転居届
③法務局へ本店・支店移転登記

上記①~③について、以下説明します。

①株主総会

定款の変更が必要な場合、株主総会にて
決議する必要があり、議事録を作成します。
(定款の変更が不要な場合、株主総会は
 不要です。)

②郵便局へ転居届

郵便局へ旧所在地から新所在地への
転居届を行いましょう。

手続きは郵便局またはネットで可能です。

③法務局へ本店・支店移転登記

法務局へ本店・支店移転登記申請の手続き
を行います。

法務局への移転登記は、管轄内管轄外
かを確認しておく必要がありますので、
以下で管轄を確認をしましょう。
(東京法務局のリンクです。)

移転登記の管轄に関し、少しわかりづらい
ので、管轄内・管轄外の手続きを簡単に
ご説明します。


1.管轄内(同一区域)の移転手続

管轄内

管轄内(同一区域)とは、法務局が管轄する
同一の管轄内となり、わかりやすいのは
同じ区内での移転となります。
(例:◯区○○から◯区▲▲への移転)

異なる区への移転でも管轄内である場合
がありますので、管轄をしっかり確認
しておきましょう。

※他の市区町村への移転など、管轄外への
移転手続の場合は、こちらは読み飛ばして
2.管轄外(異なる区域)の移転手続の場合
に進んでください。

管轄内(同一区域)の移転の場合、移転登記
申請に必要な書類は以下の通りです。

【必要書類】
・本店移転登記申請書
・株主総会議事録
・株主の氏名又は名称,住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)
・【取締役会設置】 取締役会議事録
    or
 【取締役会非設置】過半数一致を証明する書類

上記書類を作成の上、管轄の法務局へ
登記申請します。

取締役会の設置/非設置で書類が変わるので、
注意しましょう。

なお、移転費用に関し、登録免許税として
3万円がかかります。

【登録免許税】
 3万円

ここまでの手続きが完了したら、移転後に
各役所へ手続きをします。
(2.管轄外(異なる区域)の移転手続の場合
は、読み飛ばしてください。)


2.管轄外(異なる区域)の移転手続

管轄外

管轄外(異なる区域)とは、法務局の管轄
が異なる管轄外
となり、わかりやすい
のは、異なる市区町村への移転です。
(例:◯区から▲区への移転)

ただ、異なる市区町村への移転でも
管轄内のケースがあるので、東京法務局
のサイトで管轄をしっかり確認を
しましょう。

ちなみに、今回僕が移転で行ったのは、
このケースです。

管轄外(異なる区域)の移転の場合、移転登記
申請に必要な書類は以下の通りです。

【必要書類】
・本店移転登記申請書
・株主総会議事録
・株主の氏名又は名称,住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)
・【取締役会設置】 取締役会議事録
    or
 【取締役会非設置】過半数一致を証明する書類

【追加書類】
・新しい所在地の本店移転登記申請書
・印鑑届書、印鑑カード交付申請書

管轄外(異なる区域)に本店移転する場合は、
旧管轄の法務局と新管轄の法務局へ登記申請
をする必要があります。

上記書類を作成の上、旧管轄の法務局へ
登記申請します。
(新管轄の法務局に提出へ行く必要はなく、
 旧管轄の法務局経由で申請書を提出する
 ことになります。)

併せて、新管轄の法務局へ印鑑届印鑑
カード交付申請書
を提出し、印鑑登録の
手続きをしましょう。

なお、移転費用に関し、管轄内と管轄外
どちらにも登録免許税として3万円が
かかるため、合計6万円がかかります。

【登録免許税】
 6万円(
3万円+3万円


法人の本店移転後の手続き

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法務局への本店移転登記手続が完了すると、
登記事項証明書が取得できるようになります。

登記の完了は2週間程度かかるようですが、
以下で東京都の登記の目安を確認できます。

http://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/static/kanryoyotei.htm

登記が完了したら、各役所へ以下の手続き
を行います。

【法人移転後の手順(東京都の場合)】
税務署へ異動届の手続き
都税事務所へ異動届の手続き
年金事務所へ適用事業所所在地・名称変更手続き
※雇用がある場合、ハローワークへの手続きも必要ですが、割愛しています。

以下、手続きに必要な書類をご紹介します。
(詳細は、各役所のサイト等でご確認願います。)

①税務署へ異動届の手続き

旧所在地の税務署へ異動届書類を
提出します。

【提出書類】
・異動届出書
・給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書

②都税事務所へ異動届の手続き

旧所在地の都税事務所へ異動届書類を
提出します。

【提出書類】
・異動届出書
・登記事項証明書コピー

③年金事務所へ適用事業所所在地・名称変更手続き

年金事務所へ適用事業所所在地・名称変更
の書類を提出します。

【提出書類】
・健康保険・厚生年金保険適用事業所名称/所在地変更(訂正)届
・登記事項証明書のコピー


まとめ

法人の本店移転には、定款の変更や各役所
への手続きなど、結構手間がかかります。
(他にもサイトや銀行など、様々な住所変更
もしなければいけません。)

法人の移転登記の手続きをするには、
司法書士や代行サービスへ依頼する方法も
ありますが、僕自身が1人でできたように、少し労力をかければ、
1人で手続きをすることも可能です。

数万円の費用をかけて依頼するどうかは、
費用対効果を考えて決めるといいと思い
ます。

今回、僕が手続をしたケースを基にご紹介
しましたが、本店の移転手続きの手順等
について、少しでも参考になりましたら
幸いです。

最後までお読みいただきありがとう
ございました!


起業予定の方には起業アドバイザー、
創業期のベンチャー・スタートアップの方へ
は知財アドバイザーなどのサービスや
セミナーなどを行っています。

気になることがありましたら、僕のSNSでも
結構ですので、お気軽にご連絡下さい。


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