1844年弘化元年から梅と共に生きる酒蔵の話「仕込み水」
埼玉県のほぼ中心にある越生町には関東三大梅林のひとつ越生梅林(おごせばいりん)があり、優美な梅の木々に囲まれていて訪れる者を癒す場所としてハイキング客が絶えず訪れる人気観光スポットです。
その越生梅林園の直ぐ側で、地酒造りに営む
弘化元年創業の老舗 酒蔵
佐藤酒造店の蔵の最大の特徴は、水。です。
埼玉県と言えば、すこし都会なイメージがある?
人もおられますが。
佐藤酒造店の越生町は自然豊かな場所です。
裏山も、原生林の生い茂る自然に溢れた場所です。
たまにお猿さんが出てきたりします。
野生ですよ!笑
わかります?猿?
野生の猿が下りてくると言う…佐藤酒造店…
(写真は佐藤酒造店Twitterより)
しかし美しい場所ですね!
池袋から、ほんの1時間ちょっと、電車で乗りつけば
こんな素晴らしい場所に出会えます。
蔵の裏手には、日本観光百選に選ばれている黒山三滝を源とする越辺川の清流が流れており、仕込み水はその清麗な伏流水を使用しています。
この黒山三滝は日本百景のひとつに指定されていますが
「天狗滝(てんぐだき)」 「男滝(おだき)」「女滝(めだき)」の3つの滝のことを言い
新日本観光地百選〈瀑布(滝)の部〉では9位をとったほどの大変美しい滝です。
そんな越生町にある、黒山三滝と龍穏寺は木々や川などに囲まれ縁結び、開運招福などの御利益が授かるといわれるパワースポットとして人気の場所です。
(写真は佐藤酒造店Twitterより)
この美しい三滝は、室町時代から山岳修行者の修行場とされていて
現在も毎年7月の第1日曜の滝開きには、天狗や山伏 巫女の姿の一行が山道を歩き清めの儀式が行われています。
とても由緒正しい祈りの場なので、その御利益もきっと凄いと思います。
天狗滝で開運招福のパワー
縁結びの男滝と女滝と言われています。
どちらにせよ。黒山三滝に癒される事は
間違いありません。
そして酒呑みならば、気付いてほしい「お酒の香り」
その黒山三滝の原生林の匂いや黒山三滝の側に流れる清冽な水の香り…
「黒山三滝の香りが
佐藤酒造店のお酒の香り」
である事に気付くはずです。
業界的には「蔵癖」とも言う方もおりますが
「源流にほど近い佐藤酒造店ならではの特徴」です。
単なる綺麗で美味しいお酒はこの世に沢山ありますが
ほとんどの蔵元は、佐藤酒造店ほど水に恵まれていません。
佐藤酒造店のお酒は「癒し」効果が高いのは
やはり「自然の保つ力」だと思います。
600年以上前から聖地でありパワースポット
の黒山三滝の直ぐ側だからの「水」は
「美しい味」の「美味しい」です。
ということで、今回は黒山三滝の話ですが。
実は(筆者の)私は、ロードバイク乗り(今は膝負傷で休止)前は、一日200km近く自転車移動しているほどロードバイク好きで自転車も7台所有するほどです。
実は酒蔵巡りには、電車と自転車の相性は良く。
田舎町は、電車で降りて交通手段が無いので
自転車を携行するのが、1番効率が良かったりします。
基本的に酒蔵は、駅前には無いですからね。笑。
黒山三滝をちょこっとだけ、ロードバイク乗りの視点で書かせて頂くと
黒山三滝は
越生(おごせ)町、越生梅林前の県道61号線を南下していくと、T字路になります。
左に行くと林道 笹郷線なのですが、右に行くと黒山三滝という場所に行きます。
実は黒山三滝は、自転車乗りには有名なスポット。距離は短いのですが、平均勾配6%程度の勾配を楽しめます。
道はあまり広くない+路面状況も良いわけではないので、ヒルクライムというよりは、ゆっくり森林浴を味わうような感じで上るとよい感じです。
おおよそ1km弱を上ると、自転車で行ける場所は一旦終了(売店まで行けますが、道が悪いためやや危険)。
黒山三滝の男滝(おだき)と女滝(めだき)に到着します。
滝へ行く途中の道沿いには、越辺(おっぺ)川源流部の三滝川が流れています。
源流部だけあって、山奥の小川といった雰囲気。
この雰囲気は、秩父源流と似ていますね。
私は、ロープを使って上がれるかなり崖の上まで登った事がありますが。とても険しい。
修行場です。
かなり昔のままの山々と言うイメージ。
この黒山三滝の歴史では、今から600年以上前に関東修験道の拠点としたそうで、ああそれで!と納得。
携帯電話のアンテナが、山奥は入らないので、ドキドキしましたよ。笑。
この付近にある鉱泉が発見されたのは明治期で、その後 観光地として整備された歴史的には浅い観光地です。それが、この自然の営みを作っています。
黒山三滝散策は、やはり春以降。暖かい。暑い時期。気持ち良い森のなかを散策でき、水場が近いので涼しい場所と言うイメージで、行くのが、良いと思います。まだまだ3月は寒い時期です。ゴールデンウィーク前くらいからが、楽しいと思います。
単なる「山奥の森」ではなくて、やはり「水流がとても綺麗で水に恵まれた場所」で、「越辺川の上流に流れ込み、直ぐ近くの佐藤酒造店の真裏の越辺川まで繋がる」イメージが湧きます。
醸造蔵に沢蟹サワガニが、出てくるくらい清冽な越辺川です。(佐藤酒造店Twitterより)
もちろん、蔵人は昼休みに、醸造蔵の裏の越辺川で
釣りをしたり出来るんですよ。(佐藤酒造店Twitterより)
自然に亀がいたりします。(佐藤酒造店Twitterより)
あ。そうそう…黒山三滝近くの道中は散策路となっていますが、滑りやすい場所も、かなりあるのでSPD-SLそのままは、やや危険ですし、クリートもごりごり減っていきます。
できればクリートカバーや、シューズをSPDにする、またはいっそ持ち運び用運動靴を用意するのが良いと思います。(ロードバイク乗りにしか、わからない話で、すいません)
佐藤酒造店の井戸は、実は掘り直しており、実に綺麗。外ではなく醸造蔵の中にあります。
約5mもの深さがある井戸で覗き込むと下まで非常に透き通っていることが、わかります。
通常、井戸を掃除すると、若干の汚れが出てきますが、こちらの井戸は、全く汚れが付かないほど、水が清冽しています。
蔵元の地下は岩盤地層のため、下から湧き出るのではなく、横から水が湧き出てきます。
この天然水は軟水。
非常に清酒造りに適した水。
雑味も香りもなく、ピュアで透き通った天然水。
のイメージです。
飲むと口当たりがやわらかく、体に染み込みとても気持ちの良い水です。
この水こそが、蔵の特徴である
やわらかくてすっきりとした後味の良いお酒を産み出しています。
黒山三滝の恵みが存分に現れていると思います。
ちなみに「湧水」「井戸水」好きでは、越生は
「日照水」で有名です。
日照水については、こちらから
「たかが水 されど水 日照水 埼玉県越生町」と言うタイトルで書かれているこの記事に
1本は水道水で浄水器を通したもの、もう1本は日照水です。
お茶パックはもちろん「伊藤園」ですヽ(^。^)ノ。
見た目はほぼ同じですが、味は全く違います。
日照水のほうが断然美味しいです。
伊藤園の麦茶は沸騰したお湯にパックを入れて10分後に取り出すと作り方に書いています。水道水では、麦茶の味が薄く感じるので、私は麦茶が冷めて冷水筒に入れ変えるまで、お茶パックを入れたままにするのですが、
日照水だと味が濃く感じますので、お茶パックを入れて10分後に取り出したほうがよさそうです。
めちゃ美味しい麦茶が出来ますヽ(^。^)ノ。
珈琲は特別美味しいです。
同じ豆?と思う程すっきりとした味になります。
多分、一番違いが出ると思います。
アイスコーヒーを飲みたくて、冷凍庫の水道水の氷を使いましたが、それでも全然美味しいです。
コーヒーに雑味が無いからなのでしょうか(*^^*)。
出しも美味しいくなるので、昆布だし、煮干しだしをとります。煮干しだしで作ったみそ汁の美味しい事は言葉になりません!(^^)!。
ご飯も炊きましたが、美味しいかな程度でした。もちろん美味しくなくなることはありませんが、水分をそのまま味わう物に違いが大きく出て美味しくなるようです。
水は奥が深いです。
と書かれています。
佐藤酒造店の特徴が出てますね。
「スッキリ」さと「味の深さや濃さ」
やはり「越生の水」の影響力はかなりあります。
「水好き」の方々にも好評な越生の水。
それで育った梅の木。
それで洗米から仕込みまで全てをこなす佐藤酒造店のお酒。
綺麗ですよねー。この仕込み水があって。
美酒造りの最新鋭の技術があって
若い女性杜氏の命懸けの酒造りがあって
美味しいには「理由がある」と思います。
ちなみに写真は佐藤酒造店Twitterより
しぼりたて原酒なので、黄金の色をしています。
無濾過ですね。コレを濾過すると透明になります。
蔵だけの自生する梅の木の無農薬の梅だけを100%使用して、自家醸造の佐藤麻里子 杜氏の醸した日本酒だけで、浸漬した梅酒。
佐藤麻里子 杜氏は言います。
「蔵人で全て維持管理する梅の木だから、安心なんです」
そのもぎたての梅を即、浸漬します。
全てを支える「仕込み水」
その恩恵を全て「ギュッ」と濃縮した
「佐藤酒造店 名物」
「越生梅林 梅酒 うめさけ」
美しい味。美味しい梅酒です。
蔵になる。全ての梅を沢山沢山、入れられるのは
「無償でなる梅の木」「佐藤酒造店の宝」の
梅の木の恩恵があるから。
通常は、梅は買うもの。コストが高くなってしまいます。
だから、佐藤酒造店の梅酒うめさけは、美味しい。
梅は昔、青いダイヤと言われるくらい高級だったんです。こんなに沢山入れては…普通は無理。
やはり自生する梅の木だからできるサービスです。
味がしっかりする美味しい梅酒なんですよー
(ゴクリ)
最後に、Twitterで杜氏が撮られた
佐藤酒造での鳥のさえずり。
朗報です!
佐藤酒造店のお酒が
オンラインで買えるように、なりました。
公式HPのサイトです。是非一度お立ち寄り下さい。
たった3人しかいない蔵人で
家族経営で全員で7人しかいない
とても小さな小さな蔵の佐藤酒造店。
行って頂ければわかりますが
「酒造りに本気」です。笑顔。
最新の洗米機に放冷機、
異なる温度と湿度を設定できる二部屋式の麹室。
サーマルタンクがずらりと並ぶ仕込み場も、
酒母場も搾り場もすべて完全空調です。
火入れの工程にも最新の機械が入り、
美酒を造る環境が整って、
さらにグングン、美酒造りに本気で挑む。
香りは強すぎず、適度に漂うぐらい。味わいはふくらみがあるものの、料理の邪魔をせず、むしろ寄り添うようなタイプ。最後のキレは良く、余韻が長くならずに、次の盃が欲しくなるようなお酒を目指します。女性に好かれる商品にしていきたいので、ラベルなども大きく変えていこうと決めました
と 佐藤麻里子 杜氏。
佐藤麻里子 杜氏の命懸けの挑戦は、更に真摯に。
佐藤酒造店 少ない人数で大きな団結
で創る「目の届く量しか造らない」「僅かな日本酒」
日々、自然と共存し自然と相対して、挑戦の日々です。それは小さな蔵の大きな挑戦です。
「またシミになっちゃうよ!笑」
梅の実を獲る 佐藤麻里子 杜氏が、真っ黒に日焼けしながら造る梅酒は「全部が、自分の目が届くにこだわる」越生梅林 杜氏 佐藤麻里子 渾身のこだわり梅酒うめさけ です。
3月の梅の咲く季節で「30歳になる佐藤麻里子 杜氏。」
どうぞ 応援よろしくお願い致します。
いよいよ今週と来週で
越生梅林の梅も満開に、近づきます。
いよいよ春です。