1844年弘化元年から梅と共に生きる酒蔵の話 「佐藤 杜氏」❹
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週刊ポスト
全員20代の蔵人たちと
若い感性で醸していきたい。
佐藤 麻里子 1991年生まれ
大妻女子大学卒業
2015年より佐藤酒造店 杜氏。
趣味は写真を撮ることとドライブで愛車で食べ歩き
2014年に蔵を全面改装
「蔵が新しいのでここでお酒を造っているの?」
と驚かれることもあります。
実家である酒蔵も7代目を継ぐのは弟となりますが私も大学卒業後に杜氏として酒蔵へ入り
杜氏2年目の2016年度には代表銘柄「越生梅林」の新シリーズを立ち上げました。
既存のお酒は後味しっかりの男酒で、日本酒初心者には持ち味がやや重たく感じてしまう。そこで女性や日本酒になじみのない方でも飲みやすい、
後味がすっきりしたタイプに挑戦しました。
モダンな梅柄のラベルを冠し色別に酒米を変えて個性を出しています。
手にしたピンクは美山錦と埼玉の食用米彩のきずなを使っています。
海鮮にもスィーツにも合う、シーンを問わずに生活に寄り添うお酒です。
杜氏の私を含めて蔵人は全員20代です。歴史を重ねてきた伝統のお酒の素晴らしさも守りつつ
若い感性で新しいお酒も醸していきたい。
埼玉県初の女性杜氏、20代の若手杜氏として注目されて光栄ですが、将来はお酒で注目される杜氏を目指します。
「越生梅林」純米吟醸原酒
キュートな前掛けをつけたボトルは
蔵元売店限定商品
敷地内に梅林を有し、夏場は自家製の
梅などを使ったリキュールを醸造する。
通常は中央にタンクの口があるが、麻里子さんの作業がしやすいよう手前に寄せてある。
「女性が働きやすい設備なので、いずれは女性蔵人だけのお酒も醸してみたい」(麻里子さん)
佐藤酒造店では9月中旬から新酒の仕込みに入る
蔵人の手と目が行き届く、小仕込みを蔵の信条としている。
白壁が美しい真新しい蔵
佐藤酒造店
住所 埼玉県入間郡越生町大字津久根14ー1
1844年創業
蔵の裏手に流れる越辺川の清流の伏流水を使用して、手作りで丁寧に醸す