医療現場のIT活用を区分けしてみた
さて、私は「メディカルITディレクターになるために必要なこと」の記事の中で、「メディカルITディレクターとして、医療現場の課題をITで解決する」と書いているが、「そもそも医療現場に必要なIT活用って何なんだろう」ってことを、一度整理しようと思う。
<この記事の目次>
1. 医療現場が抱える課題、患者の不満
2. 医療のIT活用の区分け
3. まとめ
◆
1. 医療現場が抱える課題、患者の不満
IT活用を考える前に、そもそも「解決したい医療現場の課題」についてだが、医療従事者は色々な医療現場の課題を感じているだろう。
普段は特に意識をしていなくても、きっと話しをして引き出していけば、色々な課題に加えて「ITでこんなのってできないのかな?」っていうアイデアが出てくるだろう。
スマホを始め、IT技術が身近になっているので、おそらく多くのアイデアが出てくるのではないかと思う。
まだまだ紙文化の病院も多いだろうし、ペーパーレス・情報のデジタル化にはじまり、チャットツールの導入(まだまだFax,電話コミュニケーションが主体だったりするだろうし)、カレンダー・資料の共有などなど。
はたまた、AI・VR・IoTの活用など。
軽く話しをするだけで、たくさん出てくるだろう。
私も医療の現場は多少はわかっているつもりであるし、想像しただけでも多くの課題・アイデアが浮かんでくる。
一方、医療を受ける患者側の目線でいっても、「病院の待ち時間が長い」「薬の管理を楽にしたい(何がなんだかわからなくなる。私もそう。)」「こんな時は何科に行けばいいかわからない」「医師にもっと気楽に相談したい」などなど、課題(というより不満の方が適切か?)がたくさん出てくるだろう。きっとあげればきりがないだろう。
IT技術がどんどん進化し、やれる事は膨大に広がっている(実用化・運用面の問題を除けばの話し)ので、課題は山積みだ。
◆
2. 医療のIT活用の区分け
(具体的な課題の洗い出し、抽出は置いといて・・・)
では、この課題を解決するための「IT活用」について考えたい。
IT活用について、色々な方法があるだろうから、カテゴリに分けてみた。
※もちろん、要素が重複する点も多々あるが、とりあえず以下四つ。
A) 医療現場を効率的にするもの(医療従事者の負担軽減)
B) 医療の質を上げるもの(新しい治療方法、そのサポートなど)
C) 患者の満足度を上げるもの(不満解消)
D) 医師の悩み・不安を解消・共有するもの(まー、医師のコミュニティサイトだ)
簡単に補足。
Aの「効率化」について。
この需要はかなりあると思う。
医療従事者は多忙だ。しかもその大きな要因の一つに「医療現場のムダの多さ」が挙げられるだろう。
まだまだ紙文化が主流の病院が(たぶん)多く、データ化ができていないために、「情報の蓄積・共有ができていない」「情報の活用もできない」「情報の検索性が低い。二度手間発生。」などなどあるだろう。
これらを解消する既存のツール例としては、電子カルテ、共有カレンダー、チャットツール、資料のクラウド化などか。
Bの「医療の質の向上」について。
従来はできなかった事や難しかった事が、ITなどの技術により可能になっている。VR技術による神経・筋肉の可視化や疑似手術などがそれにあたる。
質というより幅の増加だが、ヒポクラ(ヒフミル君・メミルちゃん)のような診断補助ツールもある。
Cの「患者の満足度」について。
これは、患者目線で医療の価値を高められているもの。とはいえ、同時に医師にとっても有益なことが多いと考えられる。
オンライン予約アプリ、遠隔診療、薬検索サイト(処方、副作用、飲み合わせなど)など。満足度を上げるというより、不満の解消か(似ているようでちょっと違う)。
Dの「医師のコミュニティサイト」について。
M3,メドピアのようなコミュニティサービスやオンラインサロンができ、閉鎖的な医療の現場も以前に比べれば、オープンになったのかなと思っている(オンラインサロンについては、またnoteに書こうと思う)。
こういった場を活用し、他の医師のやり方・考え方を学び、技術・知識の向上を図る。他病院の取り組みや事例を自身の所属病院に取り入れたり、環境の改善の効果もあるのだろう。
◆
3.まとめ
さて、このように四つにとりあえず今回は分けてみた。
ただ、他にも、
「医師・患者の横軸→」と、「効率化・質の向上の縦軸↓」で、2×2の4マスに分けて整理しても良いなとも思う。
それにさらに、ハード面(新しいデバイス)・ソフト面(アプリケーション)の軸を加えても良い。ちょっとややこしくなるが。
まー、要はIT活用は色々な方法があるので、一定の考える軸を作ったり、カテゴライズして考えないと、私は頭が整理できないだろうなと思ったので、今回まとめてみた。(絵や図に書かないと物事を整理するのが苦手なの)。
区分けと補足・事例だけで終わってしまったが、
ここまでのnoteで
「医療業界とITイノベーションについて・IT化の弊害」
「医療業界のIT化に向けて、私が目指す道」
「医療業界の特殊性」
について、一定の整理ができたかな。
次はもうちょっと具体的な話しを書こうかなと思っているが、「医療とITに関する素敵なオンラインサロン」の話しも書きたいので、両方を絡めて、より具体的な医療とITについて書いていこう。
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