致知2021年9月号 対談記事 「坂村真民と相田みつをの言葉力」を読んで
天賦の才と不断の努力により、多くの作品を生み出し、今はもうこの世にいなくても、その本人の存在を知らなくても、作品が、言葉が力をもち、読む人・見る人に影響を与え続けている。ふと、生み出した作者と作品と、いったいどちらが凄いのかと考えてみた。答えはよくわからない。
短い言葉で、人を惹きつける世界観を表現する力は私にはない。詩という作品を生み出すことはできない。自分に出来ることは一生懸命に生きるということのみである。そして、もう一つ会社の経営をしている。会社とは単なる「箱」であり、「形」でしかないので、そこに集う人が大事であるのは言うまでもない。でも「形」に「力」がなければ、人は集まらないから、会社もまた作品となりうるものだと思う。二人の先達と違うところは、言葉ではないこと、自分一人だけの「作品」ではないこと、永遠と磨き続ける単一の「作品」であることだろうか。
でも、会社に参画してくれた仲間達とともに、世の中に価値貢献しながら、会社という作品をつくり、そこに関わる人々が幸せになる世界をつくっていくことは、とてもやりがいのあることであり、とても嬉しい。
仲間を集め、気持ちを盛り上げ、社会に貢献するという役割を果たす。そのために、私も言葉の力を借りて「作品」を自分なりに仕上げるように生きていきたい。