WEBとは(文系新入社員向けIT用語説明)

前置き

私の説明は、文系新入社員向けに、漏れなくダブりなく説明することでは”ありません”。7割の精度で素早く用語を理解することを目指しています。
そのため、敢えて間違った説明をしていきます。理由は単純。IT独自の用語が多すぎるし、時代とともに意味が変わるし、どんどん増えていくため、専門家を目指すのでなければ、ざっとした本質的な理解で十分です。特に新入社員は。

3秒理解:WEBを一言で言えば

世界中の人に見える立て看板です。

誰にでも自由にいつでも見える飲食店のカンバンみたいなものと思ってください。

文字情報、画像、ファイルを、誰でも24時間x365日自由に閲覧・入手できるように看板(WEBページ)を用意し、ネット上で見られるように看板(WEBサービス)を立ていることを指します。

WEBにはこのように複数の意味と複数のIT技術(用語)で構成されているので理解が間違っていたり、ごく一部だったりする厄介な用語の一つです。
私たちは道を歩いていたら自然に看板が入ったり、フリーペーパーが目に入ったりしますが、ネットの世界では代わりにどんな看板があるのか代わりに調べて教えていくれる検索エンジンが必要になる。この検索エンジンで有名なのがgoogleです。

無料でダウンロード出来るWEBページはフリーペーパーみたいなものだと思ってください。


背景: WEBが出来た背景


上記リンクの記事に「なんで似たOSが沢山あるのか?」というところでも触れていますが、OSが世の中に沢山あり、情報をどのような形式(フォーマット)で記録するかが、OSやアプリによってまちまちでした。そのため自分が書いた論文や資料を多くの人に読んでもらいたいと思っても、OSやアプリが違うとネットを介して渡しも読めない。ファイルが開けないという事が事態が発生していました。せっかくコンピュータとインターネットが徐々に普及してきたのに。

そこで1990年代初頭、欧州原子核研究機構 (CERN)がOSやアプリが違っても文字(テキスト)情報や画像、添付ファイルをやりとりする手順(プロトコル)をHyper Text Transport Protocol(HTTP)として規格化し、このHTTPに基づいて、文字情報・画像・添付ファイルを表示するためのアプリとしてブラウザが開発されました。
皆さんが普段使っているchrome,safari,edgeなどがブラウザです。

概要: WEBを構成する基本技術(用語)説明

WEBを構成する技術が多すぎるので、最低限に絞ります。皆さんが普段googleに検索している際に裏側では何をしているのかで説明したいと思います。

最低限の条件

  1. ネットに接続している事(インターネットに繋がっている事)

  2. chromeなどのブラウザアプリがあること

  3. HTTPを使ってファイルを「送ってくれる」WEB(サービス)がネットの上で動いている事(通常googleやyahooみたいなもの)

ブラウザで”URL”と呼ばれる「手順(http)、ネット上の宛先(住所)、宛名(ファイル名)」を記述する事で、指定された宛先・宛名に情報を取りに行きます。

形式は
[手順(プロトコル)]://[人間がわかる住所名(ドメイン名)]/宛名(ファイル名)
具体的には、「http://google.co.jp/index.html」になります。

通常ファイルを名を指定していない場合は自動的にindex.htmlが指定されたと解釈されるので、皆さんに馴染みある「http://google.co.jp」だったりプロトコルも省略されて「google.co.jp」だったりします。

ITの世界ではこの省略というか暗黙知が非常に多いです。
実はフルでgoogleのWEBサービスへのURLを記述すると、
「http://www.google.co.jp:80/index.html」になりますが、これはまた別途説明します。

住所名(ドメイン名)は人間がわかりやすい名前にしているので、通信機器がどこに伝えたらいいのか分かる住所(IPアドレス)に変換しないと、通信機器が正しく動作出来ません。そのため、ドメイン名をIPアドレスに変換をしてくれるのが、ドメインネームサービス(DNS)です。
もしDNSがなくても、ドメイン名の代わりにIPアドレスを入力するとことでアクセスは可能です「http://142.250.76.131」(googleのIPアドレス)

ブラウザからアクセスされるWEBのことをWEBサーバー、WEBサービス、WEBサイトと呼ばれていますが、現時点では同じ意味です。惑わされないように。

WEBサービスがすることは基本一つ。
ブラウザから要求された宛名(ファイル名)に対応するファイルを渡すことだけです。
はい、ほんとうにこれだけです。

綺麗な画像が表示されたり、動いたりするのは全て、HTMLファイル(index.htmlなど)と呼ばれる文字や画像をどう表示するのかの指示書に従ってブラウザが表示しているだけです。強いて特徴を上げるとしたら、もともと論文を共有するために作られたので、引用した論文へを参照しやすいようにリンクを実装したことろが当時は画期的で今でも我々が便利に感じている点です。下のも一般的なリンクです。

また文字や画像をどこに表示するのかを決めるレイアウト情報や、文字や画像をどう表示するのかスタイル情報を、HTMLファイルとは別途指示書としてまとめたものがCSSファイルと呼ばれるものです。基本CSSファイルで記述する指示内容は全てHTMLファイルでかけますが、現在はスマホ・タブレット・パソコンなど様々な画面の大きさや向きでWEBを見る事が多くなったので、見る端末に応じてスタイルを変えられるようにCSSファイルを使うのが一般的です。

用語のまとめ

  • HTTP・・・文字(テキスト)情報や画像、添付ファイルをやりとりする手順(プロトコル)

  • URL・・・ブラウザとWEBサービス間でやり取りするための情報(やり取り手順(プロトコル)、宛先(ドメインネーム)、宛名(ファイル名))をまとめたもの

  • HTMLファイル・・・文字情報や画像情報とブラウザにどう表示するのか記述された指示書

  • CSSファイル・・・レイアウトとスタイルに特化した文字装飾の指示書

  • WEBサービス・・・HTTPプロトコルに基づいて要求されたファイルを送るためだけのサービス

  • IPアドレス・・・ネット上で通信機器が理解できる住所(142.250.76.131)

  • ドメイン ・・・WEBサーバの住所を人間がわかりやすく命名したもの

  • DNS ・・・ 人間にわかりやすい住所名(ドメインネーム)を通信機器が理解出来る住所(IPアドレス)に変換していれるサービス

失敗: WEBの肥満と強盗、そして分身と窓口

皆さんご存知の通り、ネット利用者が爆発的に増えWEBが多く利用されるにつれ、色々な問題が発生することになりました。一つ目はネット上に泥棒(ハッカーとかクラッカーと呼ばれる)が現れ、皆さんの個人情報を盗み一番の実害としてはネットショッピングしている時にカード情報を盗む泥棒が現れました。泥棒には種類が居て、代表的になのが、盗聴して情報を得ようとする手口と、ぼったくりバーのように健全なフリして情報を盗み出す手口があります。(フィッシングサイトとも呼ばれる)

この問題に対応すべく盗聴泥棒対策として、スパイ映画さながらにブラウザとWEBサービスのやり取りを暗号化する手順をHTTPSとして規格化されました。有名所のWEBサービスは基本HTTPSを使って通信するように作られています。

では、ぼったくりバー的な手口を見分けるための対策としては、宮内庁御用達制度のように、ちゃんと公的に認められた証明書をWEBサーバーに掲げ、私たちは安全と謳うやり方です。
現在のブラウザでは公的に認めてもらえたWEBサイトにしかアクセス出来ないように制限を加える事が出来ます。
では実際に公的に証明書を発行してもらうためには、認可を受けた証明書発行会社が、実際に会社・個人がどこに存在し、問題ない人物なのか調べた上で毎年証明手数料を徴収する事で証明書を発行しています。

2つ目の問題は肥満です。
皮下脂肪と内臓脂肪があるようにWEBサーバーの肥満も2種類があります。皆さんも人気サイトのアクセス数をみた事があるかと思いますが、特に有名なのがamebaTVがW杯で1000万人同時視聴をネットでしていたことが話題になりました。
考えてみてください、WEBサーバーが1人だとしたら1000万人同時に遅延なく送るって現実的でしょうか?
この1000万人からの要望を食わされる状態を私が皮下脂肪の肥満と勝手に命名しました。要望を手分けして食べる(処理する)方法として分身の術が生み出されました(これは事実です)。一番簡単な分身の術はDNSでIPアドレスを変換する候補をたくさん列挙することでバランスよくアクセスが分散されます。

nslookup -type=A yahoo.co.jpとDNSに問い合わせた結果

では残る内臓脂肪は?というと、googleのような検索キーワードをブラウザから送られ、キーワードに基づいて情報を調べる(検索)するには、情報を覚えておくための暗記(メモリ)とキーワードに一致しているか判断する脳(CPU)を酷使します。前述したようにWEBサービスは基本はファイルを送るだけでしたが、要望に応じて動的にHTMLファイルを生成する機能が追加されました。そのため大量の依頼が来ると処理が出来ずにパニックになってWEBサービスが故障するような事が起こっていました。その問題をかいけつするために、やはりWEBサービスは基本機能に特化し、一旦窓口のようにブラウザからの要望は受付るものの、その裏ではWEBサービスがやらないHTMLを動的に生成する部分をアプリケーションサービスと呼ばれる部下達に任せて処理してもらっています。まるで銀行の窓口のように。

このようにWEBサービスはでは、サービス自身を分身したり、部下を大量にこき使う事で、1000万同時アクセスのような非現実的な処理をこなす事ができているのです。

行動: ググり方が社会人の人生を分ける

まずは一般的な使い方を既にまとまっている動画があるので共有します。

そんなことは既にやっている方は、googleにchatGPTもどきの機能を追加してみてください。上段ではやってはいけない検索方法もSGEでは有効です。

このように技術がどんどん進化していくため、正解だった事が間違いになる事がざらにあるのがネットの世界です。

社会人では、今まで知らなかった事を早急に調査し、調査結果に基づいて仕事をしたり、資料を作るなんてザラにあります。
そのためググって正解のWEBページにいかに短時間で到達できるかは、社会人としての必須スキルです。是非ググり方を今後極めるのか、
はたまたchatGPTのエンジンが組み込まれた検索エンジン「Bing」を極めて行ってください。

最近は理系出身者よりも言葉を適切に扱える文系出身者が成果を出せる技術革新がどんどん出てきています。
皆さんの時代が来ていますので、是非活用してください。



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