私らしさ
23909
斜め上から躊躇なく刺さってくる9月の午後の日差しは、夏のバカ野郎どもの残骸のような鈍い熱で、少しでも油断したらすぐに日焼けしてしまう厄介なやつだが、とにかく夏が終わらないでほしいという情けない未練がましさが、この厄介な日差しに愛おしさを感じている。そんな自分を俯瞰でみてしまうと自分が不憫に思えてしまって、結局は感傷的な気分になってしまう。
夏の中に秋が混じっていた半月前とは違って、秋の中に夏がしぶとく残っている為に、この季節は特有の残念感を出してしまうのかもしれない。この季節のせいで自分はしみったれた事ばかり考えてしまうのだと言い聞かせて、なんとか正気を保っている。
AIには書けないような文章を書こうとした訳ではないが、きっと秋に夏がしぶとく残っているせいで、こんな訳のわからない文章を書いているのにもかかわらず、これを洒脱だと思ってしまった自分が恥ずかしいけれど、そんな自分を健気だと思う事にして、そうすることで吾亦紅(ワレモコウ)の花くらいは気分が軽くなった気になってきたので、良しとしよう。
「吾亦紅」がどんな植物か認識したその日のうちに、早速「吾亦紅」という言葉を使ってしまうのも、夏のバカ野郎どもの残骸より始末が悪いのだが、そういう所は本当に私らしい。
いや、そういう所が本当の“私らしさ”なのかもしれない。
カズハナ律#8
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