“家に帰りたくない”は、最高の褒め言葉。
私たち夫婦は4年前にラブラドールのメスを自宅で看取った。14歳の大往生。それ以来、他人の犬を預かっている。これが結構面白い。犬の寿命を平均12年とすると、人間の生涯で飼うことができる犬はせいぜい5匹。私たちはその40倍の種類の犬をこの4年間でお世話した。
スマホを使って頻繁にオーナーさんに愛犬の写真、ビデオを送る。その際に必ずコメントをつける。そうするとオーナーさんも面白いコメントをつけて返してくる。日本人ではなかなかお目にかからない面白いコメントも多々ある。英語の勉強になるだけでなく、ユーモアの勉強にもなる。
写真の犬は常連さんのReign(レイン)。大雨の日に下水に流されていた子犬(生後2ヶ月くらい)のレインをオーナーさんがレスキュー。オーナーさん達はすでに1匹犬を飼われていたけれど、そのまま彼女を引き取られたそうだ。
これまでに何度も我が家に宿泊。オーナーさんの家は日本でいうマンションで裏庭がないので、我が家に来ると走り回る。他の犬ともよく遊ぶ。ほとんど昼寝なしに。
昨日、お迎えの際に、レインの様子がおかしい。オーナーのBMWを見ても喜ばない。車に乗り込もうとしない。私は初めて後ろ髪を引かれる思いでその場を去った。その数分後オーナーさんから以下のメッセージが来た。
I had to pick her up to get her in the car. She didn’t want to leave. She loves you guys so much. Thanks again!
私は彼女を抱えて車に乗せなければならなかった。彼女は帰りたくなかった。本当にあなたたち2人を愛しているようです。ありがとう。
このメッセージ本当に嬉しかった。犬はもちろん人間の言葉が話せない。もちろんお世辞なんて言えない。
だから“家に帰りたくない”は、我々にとっては最高の褒め言葉だ。
私は日本では獣医師、妻は幼稚園教諭の免許を持っていた。2人ともお世辞が言えない生き物を対象にして仕事をしていた。思わぬところで我々の経験が役立った。
私が学んだ教訓:お世辞抜きで褒められると本当に嬉しい。
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