ディスカバー遠出「大阪旅行」

そういえば6月に大阪のほうに遠征をしていたにもかかわらず、何も書いていなかったなあ、というので今更まとめてみた。
何せ大阪といえば安くて美味い食べ物が豊富で、酒飲みにとってのロンダルキア高原みたいなものである。できれば月一くらいで行きたいくらいだ。
今回は二泊三日。最初の目的は箕面で毎年やっているブルワリーの「箕面ビール感謝祭」だが、それにこだわらず行きたい所に行ってみようという計画でダラダラと。

・1日目

まずは新幹線に乗って新大阪へ。この前は「こだま」だったので東京-新大阪間が4時間近くかかったが今回は「のぞみ」で2時間ちょいで到着。文明は素晴らしい。

昼過ぎに到着して阪急電鉄と阪急バスを乗り継いで会場へ。今回は20周年ということもあって本社前の小さな公園ではなく大きな会場を借りた模様。

関西の友人たちと合流して、いい天気の下で飲むゆず風味のエールが美味い。

夕方までビールを堪能してから二次会へ。宿泊するホテルが難波駅近くなので、難波千日前の「天秤棒」という居酒屋へ。魚介が美味いらしい…モンゴウイカの刺身とか食べたのだがいい感じに酔っていて写真を忘れている始末。

散々飲んだあと、えらく安いうどん屋で全部入りを食べてホテルに戻り、風呂に入って寝た…ようだ。

なに大丈夫、今回は酔っても大丈夫なように現金はマネークリップでまとめ、小銭は旅行用にしつらえた中学生が使うようなアディダスのマジックテープの財布なので落としても現金だけで済む。支払いはまかせろー(バリバリ)

箕面ビール
てんびんぼう[食べログ]


・2日目

目覚めてシャワーを浴びて、ディスカバー近場の制服であるお揃いの黒いジャージに着替えたら朝から難波のセンター街のNTT Docomoへ。

店長が直前の沖縄旅行でスマホを水没させたので(海に入ったらしい)機種変更したいというので朝早く行ったのだがなにせ時間がかかった。

コインランドリーで洗濯物を洗って乾かして取りに行ってもまだやっていたので精神的にキング・クリムゾンを必要とした。携帯の機種変更は手短に終了できるよう行政指導するべきだと思う。

さて、朝飯は来る前から決めていたオムライスの「北極星」心斎橋本店へ。

ここは日本でのオムライス発祥の店、とされる場所で座敷で座布団に座って洋食を食べる、というこの明治大正感を味わうためにあえて本店に常に行っているのだ。なるべくなら開店と同時ダッシュで。

中のケチャップライスの具をきのこか鶏肉かを選んで注文。今回は鶏肉で。見よこの佇まい。味わって食べるべきなんだろうが、何せ美味いので貪るように食べてしまう。

さすがに美味い以外の言葉が出てこない。外国人観光客も多く、ランチタイムには行列になってしまうだけある。

さて、今日は夕方に関西でも有名な飲み屋街、天満で友人と待ち合わせをしているので、それまで大阪観光をしようとウロウロ。しかし一般的な観光客が行こうとするような所にはあまり興味がないのでまずは1杯ひっかけようと梅田に移動開始。ちょうどヨドバシ橋ができつつあるところだった。

梅田駅に出てダンジョン突入。ホワイティうめだの「串かつのヨネヤ」へ。
最初に来た時は地下街のダンジョンっぷりに迷いに迷い、いや未だに迷うことはあるが、それでも現代人の補助脳ともいうべきスマートフォン&Googleマップを駆使すればなんとかOK。

タカラの缶チューハイの元となった純ハイと串かつを何本か。二度漬け禁止の串かつを食べレモン風味の純ハイでさっぱりと洗い流す快感よ。

この店はテーブル席と立ち飲みスペースがあって最初の頃はテーブルだったが最近は立ち飲みでさっとひっかけるスタイルが気に入っている。

若干単価が高いので千ベロ、というわけにはいかないが大阪に来たら必ず寄る店だ。

梅田から天満まで2km程度のため、腹ごなしを兼ねてゆっくりと散歩。歩くのは苦ではない。あれが関西テレビの建物かー。観光は以上。

さて、天満についてアーケード街をウロウロ。天神橋筋商店街は全長2.6km、全国で最も長いアーケード街だそうだ。横にそれれば立ち飲みの「堀内酒店」、大衆居酒屋の「但馬屋」など行きたい店が多い。

南に移動して天満市場を見学。調味料や魚が安いが何せ旅行者なので買うわけにもいかず。その足ですぐ近くにある銭湯「楽天地温泉」へ。地下水を沸かしているので天然温泉ではないが、サウナは追加で200円。タイル張りのいかにもな昭和の関西型銭湯。

比較的蒸し暑かったので汗を流してさっぱり。飲む準備は万端だ。

今日は大阪の友人に、夜の天満を案内してもらう予定なのだが、まだまだ待ち合わせの時間までは間がある。
「昼間の間ならハイボールが150円のところがあるからそこどうです?」と言われていたが当の店は昼間から満席。かたや関東でもあるようなチェーン店はガラガラ、というところが大阪の酔客はよくわかってらっしゃる、という感じだ。

さて、どこにするべえか、とたどり着いたのが去年の大阪旅行でも行った「稲田酒店」。酒屋の隣にある、いわゆる”角打ち”なんだが関東のものと違って立ち飲みなのに乾き物ではなく、調理した肴も出してくれる。また日本酒なんかは冷蔵庫から半合注いでもらって300円~という安価な価格設定。

好きな銘柄の日本酒「蒲原」と店長が前々からもう一度食べたい、と言っていた「たまひも煮(鶏のキンカン)」にもありつけて満足。

中は狭くて混み合っているが常連とおぼしきオッチャンが冷蔵庫からスーパードライの大瓶を取り出し、自ら栓抜きで開栓してグラスに注ぎ、「おばちゃん、これな」と伝票につけてもらうその日本舞踊のような一連の流れの格好良さ。

混んできたので早めに出るか、とサラリーマン2人組にテーブルを譲ったら、我々が関東から来たことを知って「そんな、もっとゆっくりしていってや」と引き止めてくれるホスピタリティ、全てが心地良い空間だ。

下地はできたので友人と合流して、連れていってもらったのは住宅地の中の「西海酒販」へ。酒屋併設の立ち飲み屋、という所は同じだがほぼ全てのメニューが300円。スパークリングワインで乾杯した後は、日本酒を呑みつつこの店のオリジナルメニューである「スガスペ」「テラスペ」を注文。

スガスペはカレー粉のかかったソーセージエッグ、テラスペはベーコンとん平焼きといったところ。

どちらもこの店の常連さんが開発したものらしく、角打ちで設備が限られているので厚焼き玉子(メニューにある)用の玉子焼き器で調理してあるのが特徴。こういうシンプルな肴って美味いもんだなぁ。家でもやってみよう。

そろそろ腰を据えて飲みたい、ということで俺の希望で「天満酒蔵」へ。ここは安い大衆居酒屋の中でも一度行ってみたかった店だ。
天満酒蔵と言えば、大瓶ビールが350円というリーズナブルさ。肴も安いものが揃っている。

きずし、ぶりのあら煮、イワシの南蛮。提供が早く、あら煮が180円くらいなのでガンガン注文して飲み食いする。

酒飲みが死後に行く天国はこのように壁にメニューが貼ってあるに違いない。

そしてこれがこの店のオリジナルにして恐るべし酒蔵ハイボール340円。アサヒの樽ハイレモン(ウオッカサワー)にブラックニッカクリアが入れてある滅茶苦茶乱暴な飲み物だ。美味いが急速に酔いがまわってくる。

かくして2日目の夜は更けていく…はて、どうやってホテルに帰ったっけか?

オムライスの北極星
串かつヨネヤ
楽天地温泉
西海酒販[食べログ]
天満酒蔵[食べログ]


・3日目

今日は帰京の日だが新幹線は昼からなのでまずは朝飯を。
初日の夜に〆で食べたホテル近くのうどん屋、「なんばうどん」へもう一度訪れる。今日は大きな荷物を持っていることから旅行者ということがバレてしまい、昼間の間だけいる名物オヤジの口上を聞くことができた。
まあその語り口がまさに立板に水。「お兄ちゃん、大阪来たならまずは、かけ、きつね、カレーや」と好きなものを食べさせてくれないマシンガントーク、「ここは吉本の芸人から大阪の政財界の偉い人からJALのパイロットやアテンダントまでみんな食べにくるんやで」話半分に聞いとけ聞いとけ。
天ぷらを食べようと思っていたが、結局きつねうどんに変更。

これがまあなんと税込み210円。いやあ出汁が美味いなぁ。固定ファンも多いようだが納得の味だ…が、これやっていけるんだろうか? かけうどんは160円なんだぞ!?
またの来訪を約束して難波を離脱。

ホテルで目星をつけておいた心斎橋駅近くの「清水湯」へ。サウナとラドン温泉は追加で240円。大きな銭湯で3階建て。エスカレーターで2階に上がってフロントで受付をすませると脱衣所から一番上の風呂のフロアまでは螺旋階段という構造が珍しい。

湯船も3つの温度の浴槽、水風呂など充実。壁の斜めになった大きな窓から陽の光が入ってくる明るい銭湯で実に素晴らしい。さあ帰る準備はばっちりだ。

新幹線に乗る前に昼飯を済ませようと、新大阪駅に移動してから目星をつけておいた店があったのだが、これがなかなか見つからない。
新大阪駅でさんざん迷った挙句、「魚屋スタンド ふじ」をようやく発見。市営地下鉄の駅からだったら近かったという罠。

ここは「海鮮が安いだけの店」というのが売り文句。お造りランチは880円でボリューム満点。

店内(オープンスペースだが)が割と混んでいたので酒を飲まなかったが、実は朝から飲めるという素晴らしい店で、今度は刺身かアラ煮で呑みたいものだ。

あとはお土産を買ったりしていたら時間となったので新幹線に乗り、スジャータの「シンカンセンスゴクカタイアイス」をつついて3日間の旅行を終えたのだった。

さらば大阪、また来年来よう。

なんばうどん[食べログ]
清水湯
魚屋スタンド ふじ