カウンター越しの関係
バーのカウンターに座るのが好きだ。
大体は一人で行って、座る。
初めての店なら、お客さんの数は少ない方が良い。2〜3人くらいがちょうどいい。
馴染みの店でもやっぱり、2〜3人くらいがちょうどいい。あ、これはマスターも含めた人数だ。結局、会話が弾む人数というのは、いつも、3〜4人だと思うのだ。
時々は、マスターとサシでというのも良い。
酔っ払って烏龍茶だけを飲みに行ったこともあったが、結局バーに行くと言うのは、会話をしたい、話を聞いてもらいたい、というのが真髄なのだと思うのだ。
バーに行けばいつも、スッキリした気持ちで家路につくことができる。その日嫌なことがあっても、まいっか!のスイッチを押すのに力を貸してくれるような場所なのだ。
その心地よさはなんだろう?と考えたらピンと来た。確実に超えられない一線がそこにあるからではないか?
カウンター。
バーに来るお客さん同士は、
多くは、親しくなっても適度な緊張感を持っている。自己紹介くらいはしても、滅多なことでは連絡先を交換しない。するとして、かなりの回数そこで顔を合わせてから、のはずだ。
じゃあまたここで、と約束はせず、
いつかの再会を楽しみに別れる。
人との距離感は、
これが最適なのではないか?
お互いのタイミングが合ったとき、
思い出したとき、
その時だけ近付いてみる。
カウンターを越えると欲が出る。
相手の予定を確保したくなったり、
求めすぎたり、空回ったり、
何かで相手を縛りたくなる。
なるべくなら、
お互い心地よくありたい。