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第154回労働政策審議会安全衛生分科会議事録

第154回労働政策審議会安全衛生分科会議事録

労働基準局安全衛生部計画課

日時

令和5年5月16日(火)16:00~18:00

場所

対面及びオンラインにより開催
(AP虎ノ門)
(東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル11階)

出席者

会場

公益代表委員
・髙田礼子(分科会長)
・中嶋義文
・宮内博幸

労働者代表委員
・中村恭士
・山脇義光

使用者代表委員
・鈴木重也
・出口和則
・増田将史

(五十音順、敬称略)

事務局
・美濃芳郎(安全衛生部長)
・松下和生(計画課長)
・釜石英雄(安全課長)
・安井省侍郎(化学物質対策課長) 
・佐藤誠(主任中央産業安全専門官)
・丹藤昌治(主任中央じん肺診査医)

オンライン

公益代表委員
・砂金伸治
・熊崎美枝子
・新屋敷恵美子
・原俊之

労働者代表委員
・佐藤和幸
・奈良統一
・門﨑正樹

使用者代表委員
・天沼陽介
・及川勝
・大下英和
・矢内美雪

(五十音順、敬称略)

議題

(1)分科会長の選出及び分科会長代理等の指名について
(2)じん肺法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(労働者死傷病報告等の電子申請の原則義務化等関係)

議事

議事内容
○計画課長 それでは定刻になりましたので、「第154回労働政策審議会安全衛生分科会」を開催いたします。本日は、4月27日に委員の改選がございました。委員の改選後の第1回目の安全衛生分科会になりますので、分科会長の選任まで、私、安全衛生部計画課長の松下が事務局で進行させていただきます。
 本日の分科会の出席状況についてですが、労働者代表委員の袈裟丸委員と佐々木委員の2名が欠席されております。本日の分科会におきましては、対面及びオンラインの併用により開催することとしております。御承知おきいただければと思います。またカメラ撮影等につきましては、ここまでとさせていただきますので御協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、まずオンラインで御参加いただいております委員の先生方に対しまして、オンラインによりますZoomの操作方法について御説明をさせていただきます。ハウリング防止のため、御発言されないときにはマイクをオフ、ミュートにしていただきたくお願いを申し上げます。また御発言される場合におきましては、御発言がある旨をチャットに書き込み、指名されましたらマイクをオンに設定していただいた上、氏名をおっしゃってから御発言をよろしくお願い申し上げます。このほか進行中、通信トラブルなどの不具合がございましたらチャットに書き込んでいただくか、また難しければ事務局にメール等々で御連絡をよろしくお願い申し上げます。
 それでは、続きまして今般新たに分科会の委員に就任された方々について御報告をさせていただきます。お手元の資料1-1を御覧いただきたいと思います。資料1-1ですが、安全衛生分科会の委員名簿でございます。今期この公労使それぞれ7名ずつ委員の方々がいらっしゃいますが、この公労使の名簿にありますメンバーで分科会を進めさせていただきたいと思っております。今期から新しく就任された委員の方々について、名簿順に御紹介させていただきます。まず、公益代表委員に新たに九州大学法学研究院准教授の新屋敷恵美子委員が就任されております。新屋敷委員、一言お願いできますでしょうか。
○新屋敷委員 ありがとうございます。九州大学の新屋敷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○計画課長 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。続きまして、公益代表委員に新たに就任されました社会福祉法人三井記念病院精神科部長の中嶋義文委員でございます。中嶋委員、一言よろしくお願いいたします。
○中嶋委員 三井記念病院の臨床医、精神科医、産業医でございます。今後とも、よろしくお願いいたします。
○計画課長 よろしくお願いいたします。続きまして、同じく公益代表委員でございます。新たに産業医科大学産業保健学部作業環境計測制御学講座教授の宮内博幸委員でございます。宮内委員、一言よろしくお願いいたします。
○宮内委員 皆さん、こんにちは。産業医科大学の宮内と申します。労働安全衛生や作業環境管理学などを大学で教えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○計画課長 よろしくお願いいたします。続きまして、労働者代表委員に新たに就任されました全国建設労働組合総連合書記次長の奈良統一委員でございます。奈良委員、よろしくお願いいたします。
○奈良委員 全建総連の奈良でございます。前任の勝野から委員を引き継いだ形になります。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○計画課長 よろしくお願いいたします。続きまして、使用者代表委員に新たに就任をされました日本・東京商工会議所産業政策第二部部長の大下英和委員でございます。大下委員、一言よろしくお願いいたします。
○大下委員 日本・商工会議所の大下と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
○計画課長 新たに就任された委員の方につきましては、5名ということで以上となります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、議題に入りたいと思います。議事次第を御覧いただき、議題(1)「分科会長の選出及び分科会長代理等の指名について」でございます。まず、分科会長の選出について御説明させていただきます。資料につきましては、資料の右上に番号がございます。資料1-2を御覧ください。労働政策審議会令第6条の第4項の規定に基づき、分科会長は分科会に所属する公益の委員のうち、親審議会であります労働政策審議会の委員から選出するということになっております。安全衛生分科会の公益代表委員のうち、労働政策審議会の委員となっているのは髙田委員1人ですので、分科会長といたしまして髙田委員に御就任をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、髙田委員に分科会長御就任をよろしくお願い申し上げます。
 以後の進行につきましては、髙田分科会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○髙田分科会長 ただいま御指名いただきました髙田です。座ったままで失礼いたします。今年度から、「第14次労働災害防止計画」が始まる年となり、この安全衛生分科会の審議も大変重要なものとなってくると考えております。この分科会におきまして、適切に進行してまいりたいと思いますので、委員の皆様の御協力のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは早速、議事進行を務めさせていただきます。まず、議題(1)の残り「分科会長代理等の指名について」となります。労働政策審議会令第6条第6項におきまして、分科会に属する公益を代表する委員又は臨時委員のうちから、分科会長が指名することとなっております。私より、熊﨑委員を分科会長代理に指名させていただきます。よろしくお願いいたします。
○熊﨑委員 承りました。よろしくお願いいたします。
○髙田分科会長 ありがとうございます。もう1件。当分科会に置かれておりますじん肺部会の委員についても、労働政策審議会令第7条第2項において分科会長が指名することになっております。資料1-1の名簿、裏面になりますがそちらのとおり、じん肺部会の委員を指名いたします。どうぞよろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、議題(1)についてはここまでとさせていただきます。
 続きまして、議題(2)「じん肺法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○安全課長 安全課長の釜石です。それでは、議題(2)「じん肺法施行規則等の一部を改正する省令案の概要について」御説明いたします。資料2-2の2ページ目を御覧ください。1.「労働者死傷病報告等の電子申請の原則義務化」についてでございます。労働災害が発生した際には、事業者は紙又は電子申請により労働者死傷病報告を労働基準監督署に提出することとなっており、この報告データを用いて労働災害統計を作成したり、災害を分析して政策の企画立案を行っているところです。紙の場合は、事業者がOCR帳票を持って監督署に出向く手間がある、入力誤り、帳票の読み取りにも誤りが一定程度あるというようなことから、報告者の負担軽減や報告内容の適正化、統計処理の効率化等をより一層推進するために、デジタル技術の活用により報告は原則として電子申請とすることを新たに規定するものでございます。
 なお※にありますように、電子申請する環境がないなど、電子申請によることが困難な場合は、当面紙媒体で報告できるように経過措置として規定することとしております。
 報告を円滑化するとともに、事業者の負担を軽減するための方策ですが、スマートフォン等からも電子申請が可能となるように、現在も運用されている「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス」のシステム改修を行い、e-Govと連携することで、スマートフォン等からでも電子申請が可能となるようにいたします。パソコン、スマートフォン等を所持していない事業者は、監督署にタブレットを備え付け、そこで入力いただくことにより電子申請ができるように体制を整備いたします。
 なお、労働者死傷病報告以外もじん肺健康管理実施状況報告等、ここに記載しています6つの報告につきましても、この機会を活用して電子申請に変更することとしているところでございます。また、死傷病報告と同様に、電子申請によることが困難な場合は、当面紙媒体で報告できるように経過措置として規定することとしております。
 3ページ目を御覧ください。2.「労働者死傷病報告の報告内容の改正について」でございます。詳細な業種別、職種別の集計ができるようにコード入力方式に変更いたします。また※にありますように、災害発生状況、災害発生要因等の的確な把握が容易となるように、記載欄を①~⑤の5つに分割して、報告者が漏れなく報告できるようにする報告内容の改正を行います。
 また、休業4日未満の災害につきましては、四半期に一度、まとめて報告することとされておりますが、電子申請の原則義務化に際して、一層の活用を図るために「労働保険番号」、「被災者の経験期間」、「国籍・在留資格」など、様式上、明確に記入欄が設けられていなかった事項につきましても、報告事項に加える等、所要の改正を行うこととしております。次の3「施行日等」です。公布は6月上旬を予定しており、施行は事業者の電子申請への対応やシステム改修のための準備を考慮し、令和7年1月1日を予定しております。
 4ページ目は、改正内容をまとめたものです。(1)改正内容の1つ目、電子申請の原則義務化。(2)改正内容の2つ目が報告内容の改正で、ア、イの事業の種類欄、職種の欄を分類コードで入力できるように修正する。ウの災害発生状況及び原因の欄は、現在は1つの欄になっているのを①~⑤の5つの欄に分割して、それぞれの項目に回答いただくように修正することとしております。
 最後の5ページ目は、「第14次労働災害防止計画」の本文を抜粋したものを参考で記載しております。この中で国等の取り組むこととして、今回の電子申請の原則義務化等を盛り込んでおり、こちらに基づき今回電子申請の義務化を進めていければと考えているところでございます。以上よろしくお願いいたします。
○髙田分科会長 御説明ありがとうございました。オンラインの委員の方々につきましては、本件について、質問、意見等がございます場合は、御発言がある旨をチャットに書き込みをお願いします。それでは、御発言ございます委員の方、よろしくお願いします。まず、出口委員、お手が挙がりましたのでお願いします。
○出口委員 出口です。よろしくお願いします。まず資料2-2の2ページ、労働者死傷病報告等の電子申請の原則義務化につきましては、特に異論はございません。
 確認と要望になります。監督署に健康診断結果報告を提出する義務があるのは、一般健康診断と特殊健康診断に含まれる13項目と記憶していますが、記載は5項目となっています。残りの8項目も、今後、電子申請の義務化となっていくのでしょうか。また、定期健康診断で報告義務があるのは、常時50人以上の労働者を使用している事業場です。今後、50人未満の事業場についても提出義務が課せられるのでしょうか。
 そして、3ページ目は、電子申請に伴う様式と提出時期について確認いたします。先ほども御説明がありましたように、様式は23号様式と24号様式があります。23号は、死亡又は休業4日以上、24号は、休業1日から3日の場合となっております。これらの様式は、提出時期が、23号様式は遅滞なく、24号様式は四半期ごととなっておりますが、電子申請となった場合に、提出時期はどのようにお考えでしょうか。また、様式では、24号様式は四半期ごとで複数の記載できるようになっておりました。今後、様式等が改定され、複数の記載ではなく、1件ごとの記載となるのでしょうか。確認いたします。
 後は、4ページに、労働者死傷病報告の報告事項があります。御説明では、労働保険番号を入力するとなっています。これらにつきましては、要望として、労働保険番号等を入力すると、登録されているデータが全て記載する項目に自動的に入力され、同じ内容を何度も打ち込む必要がないよう、システムを構築していただきたいと考えております。こちらは要望となります。


○髙田分科会長 ありがとうございます。質問項目が多かったので、一旦、ここで事務局から回答をお願いします。
○主任中央産業安全専門官 御質問いただきありがとうございます。私は、安全課の佐藤と申します。ただ今、御質問、御要望をいただきましたことについて、回答させていただきたいと思います。まず、初めに2ページ目の関係でいただきました御質問で、今回、電子申請の原則義務化をこのように予定しているところですが、これらの手続以外の手続についても電子申請化の予定があるかという御質問でよろしかったでしょうか。今のところ、電子申請化を検討しておりますのは今回諮問させていただいた手続のみでして、それ以外の手続については、今後必要があれば検討していくことになると思います。
 それから、報告の対象となるのが50人以上の事業場となっているものについて、今後、50人以上が引き下げられる予定があるかどうかという御質問につきましては、現在のところはそのような予定はありません。
 それから、提出の時期について、休業4日以上と4日未満で、4日未満については、四半期ごとに報告することとしているものを変更する予定があるかということですが、これについては特に変更の予定はなく、休業4日未満のものについては、四半期ごとの報告を求めることとしているところです。それから、休業4日未満の報告については、これまで様式でまとめて報告することとしているものが、今後は個別の報告となるのかという御質問については、今後は個別に報告していただく方向でお願いしようと考えているところです。
 最後に、要望として、労働保険番号の入力をすることで、入力できる項目を自動的に入力できるようにできないかという御要望については、今後検討していきたいと考えております。事務局からは以上です。
○髙田分科会長 出口委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。そうしましたら、鈴木委員、お手が挙がっていましたのでお願いします。
○鈴木委員 御指名ありがとうございます。労働者死傷病報告の電子申請の原則義務化と報告内容の改正については、エビデンスに基づく政策を立案していくにあたりベースになるものと理解をしておりますし、今回、入力支援の工夫等の措置も施されていることと合わせて、賛成をしたいと思います。その上で、関連して3点ほど意見を申し述べます。
 1点目は、手続の主体である事業者への必要十分な支援です。少し古いデータとなりますが、2019年の労働者死傷病報告の電子申請の割合は0.73%、定期健康診断結果報告書の電子申請率に至っては0.3%にすぎません。今回の義務化は、事業場の規模に関わらず実施されると理解していますので、特に中小零細企業では初めての電子申請の機会となるケースも想定されます。公布日から施行日まで長めに期間を取り、また、施行日以降も経過措置を設けるなど配慮を頂いていますが、早い段階から十分な周知・広報を行うことやスマートフォンからの手続を早期に可能とすることが不可欠だと考えています。加えて、経団連の会員企業からは、労働基準法に基づく手続である就業規則届や36協定届に倣い、労働安全衛生法の手続についても、本社一括での届出を可能とすることについて要望が寄せられていますので、今後、是非御検討いただきたいと思います。
 2点目は、行政手続の簡素化の推進です。例えば、労働者死傷病報告の中にある事業者や被災労働者に関する事項、災害発生状況・災害発生原因等は、労災保険の給付申請手続でも必要な情報です。行政機関において、死傷病報告を契機に把握した情報については、その後に行われる労災請求の手続で再度提出させる必要性は乏しいのではないかと思います。御案内のとおり、デジタル手続法では、ワンスオンリー原則というものが定められています。「一度提出した情報は、二度提出することを不要とする」、この原則に従い、行政手続の簡素化に是非取り組んでいただきたいと思います。
 3点目は、行政機関が保有するデータの公開推進です。現在でも、厚生労働省で労災の発生状況等を公表いただいておりますが、データの粒度が大きいため、事業者が活用・分析を行うには十分でないとの声も聞いているところです。例えば、職種別にどのような災害が、具体的にどのような原因で発生しているか。このようなことを簡単に検索・抽出できるようになれば、危険予知訓練に役立てたり、類似作業を行う前に確認して労働者の意識を高める、あるいは、安全・衛生委員会で対策を考える際のベンチマークにもなるなど、労働災害防止に大きな効果が見込まれると思うところです。個人が特定できる情報は掲載しないことを大前提に、是非とも、労働者死傷病報告に基づく詳細な災害情報のデータベースを作成・公開することを検討いただきたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 御意見いただきまして、ありがとうございます。そうしましたら、山脇委員、御発言をお願いします。
○山脇委員 労働者死傷病報告等に関して発言させていただきます。
 まず、労働者死傷病報告に関してです。報告内容の改正を含む今般の見直しによって、より詳細かつ迅速な災害分析が可能となることが見込まれますので、是非、進めていただきたいと思います。
 その上で、現状として、パソコンやスマートフォンに馴染みがない中小零細の事業者も一定程度存在しますので、こうした方々への配慮が必要と考えます。原則電子申請とすることによって、申請のハードルが上がることが想定されます。そうした中で、本来、報告されるべき死傷病報告がなされないようなことがあってはなりませんので、労働者側からも事業者に対する丁寧な周知と個別の支援をお願いしたいと思います。2ページには、労働基準監督署に設置しているタブレットにおいて、電子申請ができる体制を整備するとありますが、そのほかにもできる支援があるのではないかと考えます。何らか行政として考えているものがあれば伺いたいと思います。これは質問です。また、経過措置を設けるということですが、定着状況を丁寧に把握していく必要があると思いますし、将来的に廃止を検討する際には、本分科会において改めて審議をお願いします。
 関連して、先ほど鈴木委員から、本社一括届出の話がありましたが、これについては、現場から離れた本社が、状況把握や原因分析が十分にできるのかどうかも含めて、慎重に検討する必要があると思います。
 もう1点、資料2ページの下のほう、原則電子申請化するとした6項目について、改めて、これらを選定した理由について伺いたいと思います。以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。ここまでのところで、事務局から回答をお願いします。
○主任中央産業安全専門官 御質問いただきありがとうございました。まず、鈴木委員から御質問いただきましたことについて回答いたします。事業者への支援ということで、特に入力の支援の仕方については、私どもも今回、電子申請化するに当たりまして、先ほど山脇委員からの御発言にもありましたとおり、やはりハードルが上がることになってはならないと考えております。このため、いかに簡単に入力していただけるかという、入力支援の方策についても併せて検討していこうと考えております。先ほど課長からも御説明させていただいたスマフォやタブレットといった携帯端末からの入力ができるようにすることもありますが、そのほかにも、例えば過去に一度申請していただいている場合には、過去の申請のデータをそのまま活用して、重複する情報は入力しなくても良いこととするシステムを作ろうと考えているところです。また、当面はテキスト入力していただく項目も、今後、運用に伴い入力内容の類型化等ができれば、それをプルダウン式で選択入力できるようなシステムもできるのではないかと考えております。このように、今後はシステム開発事業者と相談しながら、より入力しやすいシステムを構築していく方向で検討したいと考えているところです。
 それから、本社一括届出の件については、こちらは取りあえず御意見として承らせていただければと考えているところです。
 続いて、手続の簡素化ということで、労災システムへのデータの共有化の御意見につきましては、こちらも御意見としては承らせていただいて、今後、必要に応じて検討していきたいと考えているところです。
 それから、今回、電子申請化することにより、詳細な情報を行政として保有することになりますので、このデータを、より事業者が活用しやすいような提供を考えていただけないかという御意見についても、御意見を踏まえて、今後検討していきたいと考えております。
 続いて、山脇委員から御指摘いただきました件について御回答します。まず、初めに入力支援の関係です。こちらは、先ほどの鈴木委員からの御意見に対する御回答と同じように、行政としましても、より入力しやすいシステムを、今後構築していきたいと考えているところでして、御意見を踏まえて、今後検討していきたいと思っております。それから、経過措置を廃止するときの取扱いについては、この分科会で御審議いただくことについても、御意見を踏まえて、廃止するときには分科会等で御相談をさせていただきたいと考えているところです。また、本社一括届出の件についても、より慎重に検討するべきという御意見は受け止めさせていただきたいと考えております。
 それから、今回、電子申請をすることとなった手続、その選定理由について御質問いただいたところです。こちらについては、基本的に申請の件数が10万件を超える申請があるものを対象として選んでいるところです。ただし、例えばじん肺の健康管理実施状況報告については、過去にOCR帳票の入力誤りによる集計ミスといった事案が発生したことを受けて、それを防ぐために電子申請化の対象としたものなど、違う理由で選定た手続もありますが、基本的には手続の件数が多いものを対象として選定しているところです。事務局からの説明は以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございました。鈴木委員、山脇委員、よろしいでしょうか。ほか、御意見、御質問ございますでしょうか。増田委員お願いいたします。
○増田委員 御説明ありがとうございました。2点ございます。資料2-2の2ページ目のところで、1つ目の○の※の所に、経過措置のお話があるのですけれども、これはいつ頃までという想定でしょうか、というところを確認させていただければと思います。その理由なのですが、次の○のところに、黒ポツ6つで示されているのですが、現行ここに規定の選任報告では、対応していない届出事項があります。産業医の解任です。後任の産業医が決まった場合に、前任者の産業医の名前を記入して提出することになっているのですが、専属産業医の選任要件が外れたとか、50人未満になって、嘱託の産業医の選任の要件が外れた等の場合に、解任届を出すという場面がございます。現行の書式では対応していませんので、追記をして産業医解任になりましたという届出をするということがございます。そういった手続に対応できなくなるということを考えましたので、紙媒体での報告の今後の経過措置がずっと続くのか、一定の年数で切られるのかというのを確認させていただければと思います。
 もう1点が4枚目の所で、労働者死傷病報告の報告事項という、入力画面のイメージが示されているのですが、ここにつきまして、「略図(発生時の状況を図示すること)」という欄がございます。ここの情報が、先ほど来お話に上がっている分析に際しては重要だと思っています。文字情報だけだとなかなか現場の状況が分からない、図があるとすぐ分かる。ただ、電子化するに当たりまして、今までは現場のことを分かっている人がペンでイラストをチャチャっと書いて提出するということができたのですが、タブレットになりますと、そういったことができるのかどうかが気になっていますので、そこの入力支援の状況がどうなっているのかを確認させていただけたらと思います。私からは以上2点、確認をお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○髙田分科会長 ありがとうございます。事務局から御回答をお願いいたします。
○主任中央産業安全専門官 御質問いただきありがとうございます。2点の質問に対して御回答させていただきます。まず、経過措置の終わりの時期についてです。こちらにつきましては、現時点で終わりの時期を明確に定めているものではありませんので、電子申請の実施率等、実施状況を見ながら経過措置が必要でないと思われる状況になったときに終わりにする予定です。したがいまして、現時点でいつまで経過措置を続けるかということを定めているわけではございません。
 2つ目の略図の入力の仕方についてです。こちらにつきましては、今スマートフォン、タブレットを使えば、写真の撮影も容易にできるとは思いますが、例えば写真機能を使って、写真データを貼り付けていただくということも可能でございますし、またスキャナー等で読み込んで添付していただくことも可能でございます。例えば、手書きで描いた図を写真で撮って添付していただくことも可能だと考えていますので、より簡素に入力できるような方法で御対応いただければ良いこととしたいと考えています。事務局からは以上です。
○髙田分科会長 ありがとうございます。増田委員、よろしいでしょうか。ほか、御質問はございますか。宮内委員、お願いいたします。
○宮内委員 質問というか確認だと思うのですけれども、こういった申請時のデジタル化というのは、非常に申請者の負担軽減になりますから、正にペーパーレス時代に相応しい方法でどんどん推進していただきたいと思います。今後、こういった報告書の中で、先ほどプルダウンで選べるようなシステムの予定があるというお話があったのですが、1個ではなくて複数選ぶことは可能なのでしょうか。例えば、実際の事故原因にはいろいろな要因があるので、代表手的なもの1個のみではなくて、関係している要因もその時の状況に応じて複数選べるものを作っていただけるのか、また、構想的にはそういうことが可能なのでしょうか。複合要因を考慮して解析することは今後、非常に重要だと思いますので、是非、お願いできればとと思いました。以上です。
○髙田分科会長 御意見ありがとうございます。事務局、お願いいたします。
○主任中央産業安全専門官 宮内委員、御意見を頂きありがとうございます。いただきましたプルダウンによる選択につきましても、1つのみの選択ではなくて、複数選択できるようにという御意見、受け止めさせていただき今後検討していきたいと思います。ありがとうございました。
○髙田分科会長 よろしいでしょうか。出口委員、お願いいたします。
○出口委員 確認いたします。この電子申請では、監督署にタブレットの設置、またパソコン、スマートフォンから申請できるとなっております。紙の様式では、労働者死傷病報告は、労働者を雇用している事業者が作成提出することになっておりますが、電子申請になった場合には、申請する方は、労働者、事業者であっても、セキュリティは掛からないのでしょうか。何か労働保険番号を正確に打たないと入力ができないとか、誰でもWeb上で接続して申請できるような状態になるのでしょうか。セキュリティはどのようにお考えでしょうか。
○髙田分科会長 御質問ありがとうございます。少々お待ちください。
○主任中央産業安全専門官 ありがとうございます。出口委員からの御質問に回答させていただきます。この電子申請の仕組みにつきましては、e-Govというシステムに接続することで、申請者が一応特定できるような形で申請いただくということになっています。したがいまして、特定された方が基本的には事業者の立場で御申請いただくというように想定しているところです。
○髙田分科会長 出口委員、よろしいでしょうか。
○出口委員 システム的なことが良く分からないのですが、それは事前に何か登録する、若しくは特別な媒体でしょうか。その場合、スマートフォン、タブレット等で他者が簡単に申請ができなくなる。申請者を限定できるのでしょうか。
○主任中央産業安全専門官 e-Govというシステムで申請者を特定することができますので、御意見としてはその、事業者のみ受け付けできるスクリーニングが掛かるような仕組みを作るべきではないかと、そういった御意見でよろしいでしょうか。
○出口委員 はい。
○主任中央産業安全専門官 承知いたしました。御意見を踏まえて検討してまいりたいと思います。
○髙田分科会長 よろしいでしょうか。セキュリティについて、きちんと対応いただきたいという御意見だと思います。よろしくお願いします。ほか、オンラインで御参加の委員からは何か御質問、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
○増田委員 1点だけ追加させてください。先ほど経過措置のお話、御回答いただきまして、経過措置終了の暁には、是非一度、現場で現行の報告書式で対応できないイレギュラーなものがありますので、それの見直しをしていただいて、対応できるように、書式等を改めていっていただければと思います。よろしくお願いします。
○髙田分科会長 御意見ありがとうございました。
○主任中央産業安全専門官 御意見を踏まえて検討していきたいと思います。ありがとうございました。
○髙田分科会長 ほかはよろしいでしょうか。会場の委員の先生、オンラインの委員の方も特に御質問、御意見はないということですので、そうしましたら、これでほぼ御意見、御質問は出尽くしたと思いますので、よろしいでしょうか。それでは、「じん肺法施行規則等の一部を改正する省令案要綱」につきまして、妥当と認めることとしてよろしいでしょうか。
(異議なし)
○髙田分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局で答申の手続をお願いいたします。これで全ての議題が本日は終了いたしました。本日も熱心に御議論いただきましてありがとうございました。それでは、本日の分科会はこれで終了いたします。本日はお忙しい中、ありがとうございました。


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