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医療データ利活用の雄、MDVの決算報告が面白かったからまとめてみた
これはなに?
医療データビジネスにおける日本の雄、MDV (Medical Data Vision) の2019年のIR情報が面白かったので、自分のメモ書きとして残します。
こちらから決算の説明資料が見られます。
ビジネスモデル
医療機関向けの医療システムを開発・提供し、溜まったデータを分析し製薬会社などに販売する両輪のビジネスモデルを築いています。
出典:2019年12月期決算説明資料
サービス
医療機関向け医療システム
EVE : DPC分析ベンチマークシステム
・導入数 : 802病院
・イニシャルコスト : 400万円
・ランニングコスト:5万円 / 月
Medical Code : 病院向け経営支援システム
・導入数:281病院
・イニシャルコスト : 820万円
・ランニングコスト:10万円 / 月
CADA-BOX:診療情報共有及び医療費専用後払いサービス
・導入数:7病院
・イニシャルコスト : 2000万円
・ランニングコスト:50万円 / 月
製薬会社向けサービス
MDV analyzer:診療データベースのWEB分析システム
・導入数:およそ19企業(売上より試算)
・ランニングコスト:2000万円 / 年
アドホック調査:企業の要望に応じたレポートを提供
・調査費用:350~400万 / 案
・年間調査案件数:500~600件(売上より試算)
売上
2019年は40.3億円、前期比較は12.5%と堅調に成長しています。
データ利活用の伸びが著しいです。
出典:2019年12月期決算説明資料
次に、サービス別の売上構成を見てみます。
出典:2019年12月期決算説明資料
感想
アドホック調査が20.6億円と売上全体の51%を支えているようです。
MDV analyzerは製薬企業自らが分析もできるサービスも提供していますが、より細かなニーズに答えられるデータと分析力、そして自社の導入病院が増えるほどデータが溜まっていく完璧なサイクルを持っていることが、MDVのMoat*だと思います。
これからは、リアルタイムデータに力を入れることが読み取れます。(更なるMoat…!)
2019年12月時点では等潤や恵寿など7病院の導入ですが、準備中の病院が4病院あり、これから拡大していきそうです。動向を注視したいと思います。
一案件350-400万円で年間売上が20.6億円と考えると、単純計算では年間500-600案件を受けていることになります。
薬剤のシェア確認のために毎月レポートを提供するなど、一案件ごとの単純な割り算では求められませんが、こんなに需要があるのかと驚きました。どんな案件が多いのか気になるところです。
詳しい方がいらっしゃいましたら、データの使い道を手ほどきしてください。
メモ書きはこちらにて失礼いたします。
データ利活用ではJMDCも面白かったのでリンクだけ貼っておきます(笑)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4483/tdnet/1777877/00.pdf
*Moatは競合優位性や企業の強みのことですが、DCMベンチャーズの原さんの記事がとても分かりやすいので、ご参照ください。