写真と言葉
写真集を出版する際に出版社の社長がテキストはご自分で書いてください。と仰られた。
写真集には専門家の方が文章を寄せることがあるが、社長が言いたかったことは、写真には撮った人の言葉が必要であり、あって然るべきとの事なのだろう。それには同意する点で既に用意してあったものを加筆修正を加えていった。
そもそも何故写真に言葉が必要かと考えるに至ったかを少し遡って考えてみたのだが、自分の場合海外のコンペへ応募していた事が大きく起因している。
写真にキャプション欄が必ずあって、はじめはそれほど深くも考えず手軽に書いていたのだが、他の方のキャプションを写真を観ながら文章を読んでいると「なるほどな〜」と新たな発見やより深く知る楽しみを知った事が必要性を感じた切っ掛けとなった。
誰しも撮影する際に何かを考え感じながらシャッターを切っているのだろう。その考えは脳内の奥深くでの考えだったり言語化をしないまま画像として存在していることも多くあるのかも知れない。
言語を苦手とする自分もその傾向が顕著にあって、いわゆる右脳タイプなのだろうが、撮影の際の事、そこまで至る経緯の中での経験を含め言語化をする内に重要性と必要性を理解してゆくに至った。
海外の方だとプロジェクトだけでなく一枚の写真について延々と喋り続けたり、書かれたりするそうなので私などまだまだなのかも知れませんけれど。
せっかくなのでキャプション付きで(ステートメント)を一枚掲載して見ますね。以前出したコンペで文字数制限があったので短めですが、本来だともっと長文になるかも知れません。
もちろん長ければ良いものでもなく、作品の世界観なども大事にして推古を重ねるのも大切かも知れませんね。
あなたの写真にはどんな言葉がありますか?
"山形 2月、平地の冬も終わりを迎えようとしていた頃、夜から山を登り蔵王山の山頂を目指していた。
「五色沼」と呼ばれる火山活動が今も続く美しい火口湖があり、夏はエメラルドグリーンの美しい湖となる。
強い風と霧に覆われていたが、ひと時の晴れ間がその姿を見せてくれた。 深く降り積もった雪が溶け始めた火口湖はまるで青い月のようだった。"
"Yamagata February, the winter was approaching the end in the flatland.
I was aiming for the summit of "Mt.zao" from the night. There is a beautiful crater lake which is still active as a volcano, called "Goshikinuma", and in the summer it is a beautiful lake of emerald green. It was covered with strong wind and fog, but it showed its appearance in a momentary fine weather.
The crater lake where the accumulated snow began to melt was like a blue moon."