芸術は長く、人生は短し
古代ギリシアの医学者ヒポクラテスが残した言葉。
先日亡くなられた坂本龍一さんが好んだ一節として「Ars longa, vita brevis.」というフレーズが紹介されている。
未来は誰にも分からない。
そんな未来へ永く残る物として世に出すことは、計り知れない心のありようがあったのだろう。
偉大な先人の言葉を愛し、また偉大な人が言葉を紡ぎ残ってゆくことは、とても素晴らしい人の営みに他ならないのかも知れない。
普遍的な美を追求することである芸術。
恒久的な物として作品を残すことを願いながら、悩み続ける日々の中で、専門家の方に質問を投げかけた事がある。
「私のこの作品は芸術というものに値するでしょうか?」と。
「あなたの作品は、この現代社会において〜〜なものを持っている。〜〜な風景です。個人的にはあなたの作品は間違いなく「芸術写真」だと感じています。」しかし「アート写真」とは何かについての世界的な定義はありません。そして、その定義が何であるかを知っていると思っている人々の間でさえ、多くの意見の相違があります。ですから、〜〜をしていくことを勧めます。と。
これまでオンラインという世界をきっかけとして進めてきた中で、直接人に会って伝えていくということへの確信の様な答えをもらい昨年の東京での個展を行えたことは良いスタートとなった。
模索を続けながら国内での出会いの場へ行ければと思うのだが、そんな場は本業の繁忙期に何故か重なる様で、なかなかすぐに行けないのがもどかしいのだが、数年内にアメリカのとある場へ行ければと少し思ったりしている。
偉大な先人の背中を見ながら、自分だけの道を歩いて行くことは中々に大変なことだろうけれど、
作品が残ったとしても、誰に見られても恥ずかしくない意味のある物を制作して行ければと、それだけは揺るがずありたい。