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【量子コンピュータ入門】 イオントラップ型量子コンピュータとは


量子コンピュータの様々な種類

量子ゲート方式には、量子ビットに何を用いるかによって、種類が様々あります。(量子には電子や光など種類がいくつかあります。)
量子ゲート方式とは、汎用型の量子コンピューターで、「量子ゲート」を使って計算処理を行う量子コンピュータでした。
以前に「量子ゲート方式」に関して記事を書きましたので良かったらこちらも読んでみてください。


代表的な量子コンピュータの種類としては、超電導型、イオントラップ型、シリコン型、光量子型などがあります。
この記事では、イオントラップ型(イオン方式)に関して解説します。

イオンとは

イオントラップ型量子コンピュータの説明の前に、そもそも「イオン」とはなんでしょうか。
一言で説明すると、イオンとは、正(プラス)または負(マイナス)の電気をもつ原子のことです。


イオントラップ型(イオン方式)

イオントラップ型量子コンピュータとは、量子情報の格納にイオンを捕獲する装置(イオントラップと呼びます)を利用した量子コンピュータです。
イオン化された原子を空中に浮かせ、レーザーで操作します。
イオントラップ方式の長所は、量子状態を保つ時間(コヒーレンス時間と呼びます)の長さが挙げられます。イオン1つ1つを量子ビットとして利用し、イオンに電気の力を加えることで、宙に浮かせ重ね合わせ状態を長い間保つが出来ています。
一方で短所として、イオンの操作にはレーザー技術を用いるのですが、多数のレーザー機器を必要とする上、その技術の難易度が高いことです。
イオンを捕獲する方法に以下の2つに分けられます。
①ペニングトラップ(Penning trap)
②パウルトラップ(Paul trap)

イオントラップの原理を詳しく解説している記事があるので、詳細を知りたい方は下記の記事を参考にしてみてください。

提供している企業

イオントラップ型を量子コンピュータ提供している企業として有名どころは、米国企業のHoneywell(ハネウェル)社や、米国企業のIONQ(アイオンキュー)社がイオントラップ型を採用しています。

ハネウェルは1886年に設立されたアメリカの多国籍企業。
電子制御システムや自動化機器を製造販売している。
ionQは、アメリカ合衆国メリーランド州カレッジパークを拠点として量子コンピュータを開発する企業。

他にもオーストリアのAlpine Quantum Technologies(AQT / アルパインクォンタムテクノロジーズ)もイオントラップ型量子コンピュータを提供しています。
サーバーラック型の常温タイプの24量子ビットイオントラップを開発しています。今後の小型化の動向に注目です。


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