【量子力学入門】 量子もつれとは
はじめに
この記事では「量子もつれ(量子エンタングルメント)」に関して、数式等を用いず、かなり噛み砕いた解説で「量子もつれ」のイメージを知っていただくことを目的としています。そのため、ベルの不等式やアスペの実験、EPRのパラドックスとは何か、それらの話に関しては割愛いたしますため、あらかじめご理解の上お読みください。
量子とは(復習)
以前の記事では「量子とは?」を解説致しました。
ここで「量子」に関して簡単におさらいしておきましょう。
量子とは、物理学で登場する電子や光子など様々な小さい単位の物質やエネルギー単位の総称で、「粒子」でもあり「波」でもあるという性質を持っていると説明致しました。
また量子の世界では、人間が理解しきれない常識では考えられない事が起こります。その1つに、量子が同時に2つの状態を持ち合わせる「重ね合わせ状態」があります。(粒子と波の二重性)
量子のもつれとは
量子もつれ(エンタングルメント)とは、複数の量子の間で起こる現象で、量子状態の操作によりある量子を観測した際に、他の量子の状態に影響を与えてしまうという状態です。
この文だと理解しにくいので、噛み砕くと、
どちらか一方さえも知らなければ何も確定しないが、一方さえわかればもう一方を確定することができるという性質が「量子のもつれ」です。
。。。。
まだわかりにくいので、他の例を元に考えてみましょう。
ある量子もつれ状態の2個の量子があり、1つの量子を東京に飛ばし、もう1つを大阪に飛ばしたとします。
この量子のスピンはコインの裏表のように互いに共有するイメージで、例えば一方の量子を観測した時に、一方がわかればもう一方が確定します。
観測する前の量子は、上向きのスピンと下向きのスピンの重なり合い状態にありますが、観測すると重なり合いが解けて、確率的に状態が確定します。
この時に、東京の方でスピンの向きがどちら向きかを観測し、仮に上だとした場合、大阪の量子は観測していないのにも限らず、下向きであると決まります。
つまり、東京で量子を観測した瞬間に、もう一方の大阪の量子のスピンが下向きに決まったということです。
ここでポイントは、量子もつれ状態にある2つの量子間に、どれだけ距離が離れていても維持されます。
(物理学者アルバート・アインシュタインが、かつて不気味な遠隔作用と呼んでいたほどです。)
それでは最後に、量子もつれに関して整理しましょう。
量子もつれとは、どちらか一方さえも知らなければ何も確定しないが、一方さえわかればもう一方を確定することができるという性質です。
このように「量子」には、「二重性」や「不確定性原理」などの性質があります。
おすすめ書籍
より深く「量子もつれ」に関して知りたい方は、下記の書籍も是非読んで見てください。
まとめ
今回は「量子もつれ」に関して、かなりざっくりと解説致しました。
量子テレポーテーションや量子コンピュータの量子もつれ等を学ぶ上で必要な知識ですので気になった方は是非ご自身でも調べてみてください。
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